奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その289)

2017-06-09 00:43:04 | 奈良・不比等
老人の壁(養老孟司・南伸坊共著・毎日新聞出版2016刊)と続編「超・老人の壁(養老孟司・南伸坊共著・毎日新聞出版2017刊)」を読んだ。------
二人の有名人、養老孟司(ようろうたけし1937年生れ)氏と南伸坊(みなみしんぼう1947年生れ)氏という10歳離れた80歳と70歳の二人の老人の対談本である。------
養老孟司氏が「バカの壁(養老孟司著・新潮新書2003刊)」でブレイクされてより、タイトルに「壁シリーズ」と題した本が何冊か出ている。13年経っても衰えることの無い社会の観察眼は読んでいて楽しい。対談相手の南伸坊氏も養老孟司氏の発言の合間を縫って好き勝手に放言されていて、屈託(くったく)がない。養老孟司氏は世間的には最高偏差値の東大医学部卒で東大医学部教授であった経歴をお持ちであり、片や南伸坊・本人曰(いわ)く落ち零(こぼ)れの普通の人なので対談が成立しているのだろうかと読む前は怪しんだが、二人の老人が会話を始めるとそれなりに進行して字数が増えて自然とページが埋まっていくような感覚で特に引っかかる処も無く喧嘩(けんか)になるでもなく、丁度心地よい漫談か漫才を聴いているような態度で読むうちに読了してしまったと云う印象である。一作目の「老人の壁」がヒットしたのか「超・老人の壁」が翌年直ぐに出版された。-----
養老孟司氏と同じ東大卒の建築家・隈研吾氏との対談本「日本人はどう住まうべきか(2012刊)」と「日本人はどう死ぬべきか(2014刊)」を以前読んだが対談としての体裁は破綻していなかった気がするが、今回の南伸坊氏との対談本「老人の壁・超老人の壁」が気の所為か少々一方的な独白(どくはく)になって仕舞っている箇所も無いとは言えないが、それも老人のご愛嬌といった程度の外れ方であった。-----
奈良県など都道府県や市町村の職員をなさっている方がこの「老人の壁」をお読みになれば、高齢者対策に苦心されているでしょうけれど手を打っても放っておいても問題にはならないとこのお二人の老人は仰っていることが分かるでしょう。老人は舞台から退場する人でありこれから舞台で活躍する子供や若い人に手を打つのが寧(むし)ろ先決だと教えて呉れている。
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