Entrance for Studies in Finance

日本企業のインド進出の軌跡 2008-2010

外資規制が強いインド
流通では外資を51%までしか認めない規制が存在する(卸売は規制がない 2006年に単一ブランド販売する専門店に限り規制撤廃。スーパーや量販店には参入自体認めない)。そのほかさまざまな外資規制が健在(例 保険業では出資上限26%)。規制緩和が見込めないとして2009年6月にスウエーデンのイケアがインド出店計画を撤回。

2010年後半(倒置順)
2010年12月 日本精工(自動車向けステアリング) インドの合弁会社の出資比率を50%から51%に引き上げ連結子会社化。インドで2013年3月期に売上高200億円強(2010年3月期予想は100億円強)を目ざす。
2010年12月 NTTドコモ インドで携帯端末向け放送事業に参入へ 次世代規格をいち早く投入 2014サービス開始目指す 26%出資(2009年3月約2600億円出資)のタタテレサービシズ(TTSL)に関連技術を供与 現在のインドの携帯契約数は約7億件毎月1500万件以上の純増 TTSLの契約数は2.5倍約8000万件 ドコモの日本での契約数を4割上回る
2010年12月 南部カルナタカ州でトヨタ自動車の戦略車エティオスの第二工場が稼働
2010年11月 第一三共子会社でインド製薬最大手ランバクシー・ラボラトリーズ 2010年7-9月期 為替差益を主因に大幅増益
2010年11月 三菱重工業 インドでのスマートシティ整備事業(デリームンバイ間の産業大動脈構想の一環)でタタ自動車グループと連携
2010年11月 現地最大手スズキがインド北部ハリヤナ州で自社の主力自動車工場と国営鉄道の駅を結ぶ引き込み線(8.4km)を建設へ。
2010年9月16日 インド準備銀行 レポ金利を0.25%引き上げ年6%にすると発表即日実施 利上げは今年5度目
2010年9月 双日 現地民間物流最大手のアルシアと提携 ムンバイ近郊の物流特区の整備 インド全域の鉄道輸送体制づくり進める
2010年9月 デンソーが約30億円かけてエンジン関連部品の技術開発拠点を2011年末に設ける
2010年9月 2010年4月ー6月 インドの薄型テレビ市場でソニーの出荷台数が韓国を抜いた ソニー27% サムソン電子23% LG電子21% なおインドではなおブラウン管テレビが主流
2010年8月 コニカミノルタHが複写機複合機など事務機でインド市場に本格参入 販売現地子会社をデリー郊外のグルガーオンに設立 10月にも営業開始へ(すでにキャノン リコーは現地法人を構えており現地で首位争い)
2010年7月27日 インド準備銀行 レポ金利を0.25%引き上げ年5.75%にすると発表即日実施 利上げ4度目 市中銀行の準備銀への預け入れ金利も0.50%引き上げ年4.50%に インフレ率は5け月(2月から6月)連続で10%上回っている
2010年7月 JFEスチールがインド鉄鋼3位にJSWスチール(OPジンダルグループ)に14.99%出資で正式に合意と発表した。出資額は480億ルピー(約900億円)
2010年7月 DIC(有機顔料の世界シェア約25%)が2012年をめどに印刷用インキの原料となる有機顔料の基幹工場をインドに新設へ 2011年秋にも着工 投資額60億円 2月稼働の工場敷地内に
2010年7月 インド商工省が小売り分野の外資規制の追加緩和を検討(反対論多い⇔零細小売事業者多い)
2010年7月5日 トヨタ自動車のバンガロール郊外にある2工場がガソリン値上げ撤回を求めるゼネストの影響で操業停止
2010年7月2日 インド準備銀行 レポ金利の0.25%引き上げ年5.50%へ 利上げは今年3回目 即日実施

2010年前半(倒置順)
2010年6月14日 5月の卸売物価指数前年同月比10.16%上昇 追加利上げ観測
2010年5月31日 1-3月期の実質国内総生産 前年同期比8.6%成長 インドの回復基調鮮明
2010年5月24日 シン首相 記者会見で2010年度の実質経済成長率を8.5%に達すると述べる
2010年5月 日産 インドチェンナイでの戦略車マイクラ(日本名マーチ)の生産開始を発表 2010年度の生産計画は8万台以上 
2010年5月 ニプロがインドで医療機器を生産へ 約100億円を投じて人工腎臓の工場(ムンバイ市南東のプネ市近郊工業団地に)を2012年に稼動させる
2010年4月20日 インド準備銀行 利上げ 2回目 0.25%引き上げ5.25% 現金準備率も0.25%引き上げ6.00%に なお今年度の実質経済成長率を8.0%と予想
2010年4月15日 3月の卸売物価指数 前年同月比で9.9%上昇
2010年4月 国内鉄鋼最大手の国営インド鉄鋼公社SAILは韓国ポスコ、日本の神戸製鋼所と技術提携を協議中と国会に報告した(すでにタタ製鉄は新日本製鉄と組んでいる)。
2010年4月 自動車大手各社は販売網の拡充を急いでいる。スズキは現在の約800店を2012年末?までに1000店へ。ホンダは約120店を2014年末までに200店へ 2010年5月に量産を始める日産は2013年までに80店体制を築く。
2010年4月 スズキがインドで自動車用エンジンを約3割増産へ ニュデリー近郊の拠点に年内に年産30万基の生産ラインを新設
2010年4月 オリンパスがインドに営業拠点新設
2010年3月末 日立建機がタタ自動車との合弁会社テルココンストラクションエクウイップメント(本社バンガロール)の出資比率を4割から6割に引き上げ子会社化(油圧ショベルのインドでのシェア5割 その引上げを図る)
2010年3月 南部タミルナド州チェンナイ(韓国の現代自動車の工場もここにある)で日産とルノーは共同で新工場を稼働させる 部品の現地調達率85%として 小型車の低コスト生産目指す ルノーはその後4月にインド自動車大手マヒンドラアンドマヒンドラとの提携解消(マヒンドラの100店超える販売網に期待したものの販売不振に失望 独自の販売網構築へ)を発表
2010年3月 工業ガス国内最大手の太陽日酸がインド西部の工業ガス会社を買収してインド進出へ
2010年3月19日 インド準備銀行 1年8ケ月ぶりに0.25%利上げ5.0%に即日実施 低金利政策(2009年4月以来4.25%に据え置き)を転換 
2010年2月 DICのインキ基幹工場がインド西部クジャラート州で稼働
2010年2月 インド中央統計局 2009年度(0904-1003)実質国内総生産成長率見通し前年比7.2%(2008年度は6.7%) 
2010年1月29日 インド準備銀行 現金準備率を0.25%引き上げ5.75%に 引き上げは1年6ケ月ぶり レポ金利は据え置き景気回復優先
2010年1月 スズキの四輪子会社が北部ハリヤナ州のマネーサル工場で年25万台分生産能力を高めると発表 年内に生産能力の1割引き上げ(4輪車で109万台規模 スズキはインド最大の自動車メーカーで約5割で突出 1983年から現地生産 2位が韓国の現代 3位がタタ自動車 4位がマヒンドラアンドマヒンドラの順 インド乗用車市場は小型ハッチバック車が8割という特殊性 ハッチバックは後部ドアを開けると座席と荷物入れがともに開放される構造をいう) 2011年末までに販売店の3割増(1000店規模)など目指す
2010年1月 三菱重工 インドのジェイカプラカッシ電力からボイラーと蒸気タービンを2基ずつ受注 推定200億円前後
2010年1月 トヨタとホンダがインドの自動車ショーで開発中の小型車のコンセプトカーを初公開 いずれも現地生産 トヨタはバンガロールの工場で2010年末から生産 ホンダは2011年投入予定(部材の現地調達比率を8割に高めて価格を抑える方針)

2009年(倒置順)
2009年12月 NTTデータ インドで現地企業の買収などを通じ2012年度までに5000人の開発要員を確保(欧米での受注拡大を目指し英語に堪能な人材を安い人件費で確保できるインドを新たな開発拠点にする) すでにIBMは2007年までの6年間で6万8000人をインドで採用 アクセンチュアもインドに4万2000人の社員をかかえる
2009年11月 JFEスチールがインド鉄鋼3位にJSWスチールと包括提携
2009年11月22日 東京海上は エーデルワイス・キャピタル・リミテッド(ECL)との合弁でエーデルワイス・トウキョウ・インシュアランス・リミテッド設立で合意。営業開始は2011年1月の予定。
2009年11月 NTTドコモ 財閥系携帯電話サービス大手のタタテレサービシズ(6位)に約2600億円出資を表明
2009年10月 野村HD 米リーマンブラザーズのインド拠点を買収
2009年9月24日 松下電工がインドの電設資材大手アンカーエレクトリカルズ(ムンバイ市)の残りの株20%を創業家の申し出により取得を決定(取得額92億円)。アンカーエレクトリカルの100%完全子会社化へ。
2009年7月 NTTコム(タタコミュニケーションズとも都市部での企業向けサービスで提携関係) インド国営通信会社のBSNL(ボーダフォン NTTなど外資の進出によりBSNLは業績が急降下中)と提携 現地での企業向け通信サービスを地方都市に拡大 主要顧客 日系および欧米企業 地方展開に合わせて高品質の通信需要の取り込み図る
2009年6月4日 日産 チェンナイの工場の2010年5月稼働を発表(フル操業時の生産能力 年20万台)
2009年4月 住友金属工業 インドで高炉からの一貫工場(生産能力 粗鋼換算年300万トン前後)を合弁で建設する方向で検討に入った 合弁相手は中堅鉄鋼メーカーのブーシャン(ニューデリー市) 建設地は西ベンガル州
2009年3月23日 タタ自動車 ナノの4月発売を発表 約11万ルピー(約21万円) 624cc 最高時速105km
2009年3月26日 NTTドコモの買収金額は1274億ルピー(約2500億円)となった。またNTTドコモは、TTSLの関連会社TTMLに対しTOBを行い12%の株式を57億ルピーで取得した。

2008年(倒置順)
2008年12月6日 第一生命 インド・ユニオン銀行、インド銀行と合弁でユニオン・スターー・第一生命設立で合意、調印。資本金25億ルピー(48億円)。その後2009年2月9日営業開始。
2008年11月27日 日本企業のインド進出に水を差したムンバイでのテロ事件
2008年11月 アステラス製薬 ムンバイに医薬品販売子会社設立
2008年11月12日 NTTドコモ タタグループのTata Teleservices Limited TTSL(6位の携帯電話会社)の26%の株式を取得で合意と発表(20%を新株、6%は既存株主から買い取る)、買収金額1307億ルピー(2640億円)の見込み。
2008年10月 日産自動車系部品会社のユニプレスがインド進出を決定した。チェンナイの日産ールノーの合弁工場隣接地に新工場建設 建設投資額は50億円
2008年10月 スズキが欧州の排ガス規制に適合した小型車向け低燃費エンジンの生産をインドで開始した(ハリヤナ州グルガオンの工場内に生産ラインを新設)。インドを世界に向けた小型車の生産・輸出基地に育てる
2008年10月 農業機械大手のクボタが年内に販売子会社を設けインドに進出する トラクター コンバインを売り出す
2008年10月 第一三共 ランバクシーラボラトリーズを子会社化
2008年9月 タタ自動車 西ベンガル州シングールでの工場建設を中断(土地収用めぐり地元農民と対立)
2008年8月   三菱UFJ証券 インドの大手金融会社タタキャピタルと証券業務で提携へ インド株の売買の取次 M&A業務など
2008年6月11日 第一三共がインドの製薬大手ランバクシー・ラボラトリーズを最大5000億円で買収(2009年10月に子会社化)
2008年5月 NECがインド西部の大型地域開発アマノラパークタウン(マハシュトラ州プネー)にITインフラの整備などで参加が決まった 
2008年5月16日 大塚化学 北西部ラジャスタン州で医薬品原料工場を開設 投資額約50億円
2008年5月7日 東芝は財閥大手JSWグループと合弁で、火力発電所向け蒸気タービン・発電機製造販売会社設立 資本金5000万ドル(約52億円) 東芝が75%出資
2008年4月11日 トヨタ自動車はインドに完成車組み立て工場新設を正式発表した(バンガロールの既存工場の敷地内) 2け所目 投資額約350億円 2010年稼働予定
2008年4月11日 大和証券SMBCの現地法人(ムンバイ市)が現地証券取引所の会員資格を取得、営業を開始。
2008年2月18日 日本ユニシス(情報システム開発専業で国内3位)とインフォシス・テクノロジーズ(インド同業2位 ユニシスの10倍近い8万強の社員を抱える)が開発や運用受託で業務提携の覚書に調印 日本ユニシスは価格引き下げをねらう
2008年2月15日 みずほ証券 タタキャピタルと証券分野で幅広く業務提携 インド企業を対象にした未公開株ファンド 富裕層(1億円以上の金融資産を保有する富裕層が10万人以上いる)向け資産運用業務など
2008年2月 三菱商事が現地企業と合弁で産業機械の販売・保守の新会社を設立した(MCクラフツマンマシナリー)
2008年1月 みずほコーポレート銀行 インド最大手のインドステート銀行との間で法人業務の包括提携
2008年1月 デリー及び近郊でヤクルト発売開始 年内にムンバイ、バンガロールでも販売 筆頭株主のダノンGとの合弁会社が運営する工場から供給 2008年末の販売計画は1日5万本 今後5年間で1日100万本(日本の販売量の3分の1目指す)

2007年以前
2007年12月 住友金属工業 提携先の鉄鋼メーカー、ブーシャンに全面協力してインドで大型高炉事業に参画すると正式発表
2007年12月 スズキ 現在500店ある販売店を1000億円投じて 2010年をめどに1000店倍増させる
2007年11月12日 NTTデータが中堅ソフト、バーテックスソフトウェアVertex Software(プネ市Pune, Maharashtra州)を買収を発表。発行済み株式の68.7%を取得予定。
2007年4月 松下電工が電機設備最大手、アンカーエレクトリカル(ムンバイ市)を買収(電機設備で最大のシェアを保有) 発行済み株式の80%を取得 買収金額約500億円
2005年 NTTコム、現地法人設立

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