Entrance for Studies in Finance

韓国の経済と企業について

韓国経済について
船舶 自動車 半導体 携帯電話 デイスプレー の5大輸出分野が好調
なぜうまくいっているのか
◎すみわけができている。
→ デジタル家電=サムソン 新興国の白物=LG というすみわけ 1997年の通貨危機の翌年 金大中大統領の主導(big deal)で実現
LGは半導体事業を手放し、サムソンも自動車事業を売却した。
◎オーナー系企業による世界標準商品への大規模投資の果断な決断
→しかしサムソンの3代世襲をどうみるか
◎国内市場が小さいことによるグローバル志向
◎強力な官民連携
→2009末のアラブ首長国連邦での原子力発電所受注が顕著な例
2007末 李明博(イミョンバク)氏が大統領当選
2009末 韓国の企業連合が原子力発電所の一貫建設をアラブ首長国連邦(UAE)で受注
2010年1月 世宗(セジョン)市に中央省庁移転する計画の中止を発表 企業・研究教育機関を誘致して教育科学経済都市をつくる
2010年6月 統一地方選挙で与党敗北 7月28日投開票の国会議員補選では与党が勢力拡大
2010年10月6日 韓国 欧州連合と戦略的パートナーの関係の構築で合意 FTAに正式に署名(2011年7月1日発効見通し)
◎相対的なウオン安(とくに2009年春 上がった2009年末でも2年前より2割安い)ウオン安は 生産の海外移転により効果が落ちており、さらに輸入する部品・素材のコスト上昇 外貨建て債務の評価損となり必ずしもプラスにならないともされる

韓国の負の側面
◎大企業独り勝ち
◎貧富の格差拡大
◎人口ボーナス終焉

2012年 ウオン高が響く 海外依存度高い(輸出依存度 2012年4-6月52.3% 輸入は43.2% 同じ数値 日本は16.1% 13.8%)

       製造業 造船(現代重工業:造船 プラント 建機など、サムソン重工業) 電機(サムソン電子 LG電子 LGデイスプレー SKハイニックス) 自動車(現代 起亜 ルノーサムソン 韓国GM) 鉄鋼(ポスコ) 石油化学(LG化学) 建設(大林:デリム) 現代自動車とサムソン電子が韓国の代表的企業

       中国の減速(対米貿易は低下 2004年以降中国が最大の貿易相手国)

       不動産景気の低迷

       2012年7-9月 実質GDP前期比0.2%(年率換算推定0.6%) に減速(2011年の成長率は3.6% 2012年1-3月0.9% 年率換算3.5%) 実質的に景気後退局面 2009年2月の底から回復局面だったはずだが。

韓国の企業について
サムソングループ 韓国最大の企業グループ
サムソン電子
   グループの中核企業(李健熙イゴンヒ会長) 液晶パネル デジタル家電
         米アップル(iPhone iPad)向けMPUの製造委託受ける
         2004からのウオン高局面で海外生産を加速 韓国には高級製品を残す
         高価格品(LEDテレビ 有機ELパネル使用の携帯電話など)を次々に販売 販売促進費用ヲ積み増し攻めの営業戦略
         2009年3月 LEDテレビを売り出す(日本では液晶テレビの上位機種としたため普及せず) 高価だが画質と省電力で売れた
         2009年6月 ソニーとの合弁S=LCDで第8世代の合弁第2ラインの稼働開始
         2010年5月 設備投資 研究開発投資の大幅な増額発表
         2010年10月発表 2010年7-9月期 
         主力のドラム・液晶パネルは価格下落 スマートフォン向けのNAND型フラッシュメモリー システムLSIは好調
         価格低下ヲ低コスト生産 スマートフォン ギャラクシーS(OSはアンドロイド)の好調でのりきり過去最高益
         2010年11月 設備投資額を既存計画より上積みすることを明らかにした
2010年11月 タブレット端末でアップルとの競合も避けられないと判断した模様
         2010年12月 李健熙イゴンヒ会長の長男 李在鎔(イジェヨン)氏の社長昇格発表 社長だった崔志成(チェジソン)氏は代表権を維持したまま副会長になった
有機ELパネルはサムソンが独走
なお画面が薄く、色彩が忠実、画質がいいうえに、バックライトが不要で消費電力が少ない有機ELパネルではサムソンモバイルディスプレーが7割近くのシェアを握り独走態勢。ここにLGディスプレーが2011年に参入予定(日本の東芝モバイルディスプレーは量産計画を白紙撤回 次世代技術として注目されているものの 長寿命化 低コスト化 大型化などの課題があり、ソニー、三菱電機、旭硝子、住友化学など多数のメーカーが研究開発を進めている)

DRAM市場 サムソン ハイニックスという韓国二大メーカー
ハイニックス半導体 半導体メモリーで世界2位
         2008年後半には資金繰り悪化の局面もあり
         2010年5月 設備投資 研究開発投資の大幅な増額発表

LGグループ
 LGディスプレー 液晶パネル世界2位
   2009年7月  韓国坡州市の主力工場に新ライン設置(第8世代用新鋭ライン)を発表
         2009年8月  中国広州市に新鋭パネル工場新設方針(外国企業による先端パネル生産ラインの進出は初めて 韓国政府の許可必要) 
         2010年3月  中国広州市に新設する液晶パネル工場で現地のテレビ大手創維集団(スカイアース)と提携
         2010年3月  坡州市の主力工場に新ラインの増強投資を1年前倒し  
         2010年4月  坡州市に既存工場での新ライン設置に加え新工場 2011年末までに完工
               中国広州でも2012年上期には新工場稼働の予定
 LG化学     リチウム電池で先行
         2009年7月発表 液晶パネル用ガラス基板事業に参入(坡州市に新工場 2012年初めに量産開始 LGデイスプレーに多くを納入予定)  
 LG電子     2009年12月 米イーストマンコダックの有機EL事業買収方針固める
         ノキア サムソンに次ぐ3位 スマートフォンで出遅れ 業績不振(2010年)
         太陽電池の開発も進める
         2010年6月 太陽電池の生産能力を現行計画の4倍となる年産100万キロワットに2013年までに引き上げる(サムソン電子もすでに投資計画を公表) 
         2010年9月 日本のテレビ市場(1位シャープ 2位パナソニック 3位東芝 4位ソニー)への再参入発表(2008年に撤退 2010年11月に10機種 世界では1位サムソン電子 2位LG電子 3位ソニー 4位パナソニック いずれも2009年の順位)
         2010年10月 タイでLEDテレビの生産開始(LEDはタイにおけるミネベアなど日系企業から調達) 
         有機EL

SKエナジー    自動車用リチウムイオン電池に参入
SKテレコム 

自動車
現代自動車    自動車最大手 2004からのウオン高局面で海外生産を加速 米国 中国 インドなど
         鄭夢九(チョンモング)会長
         傘下に現代製鉄(G内に銑鉄メーカーを抱える特徴 内製化を実現)、起亜自動車

                金融危機で小型車中心の車種構成が注目される

         2012年現在なお韓国での生産比率が4割超 高い輸出比率 ウオン高の影響うけるが

         現代製鉄はウオン高ノメリットを受けた。  

         2012年韓国内で190.5万台生産(国内35% 海外65%) 海外7ケ国で249.7万台生産

         2012年地域別売上 中国 84.7万台 米国70.3万台 韓国66.7万台 EU44.4万台 その他173.1万台

         1999 部品のモジュール化

         2005 海外工場の増設開始  2009-車台の統一開始
         2008年11月 チェコ工場稼働
         2009年9月 インドで5000ドル台の低価格車開発を発表
         
          米市場で失業時は返却可能キャンぺーンでシェア伸ばす    
          ウオン安+中小型車中心の車種が奏功 世界でシェア拡大
          2009年10月以降は」ウオン相場は上昇基調に変化(通貨当局はウオン売り介入実施) 
         販売台数ベースで世界5位(2010年上期)
         ハイブリッド車、エコカーでは立ち遅れ
         SKエナジーのリチウム電池を搭載した電気自動車を2013年から量産予定

         2010 現代製鉄で高炉が相次いで稼働 高級鋼板内製化開始

         2012・07-08 労働争議 徹夜勤務廃止と3000人の正規化を提示

         2012/11 燃費性能過大表示問題がEPAの指摘で明らかになる(品質追求の姿勢と背反する事態) 

         今後ハブランド力向上のため上級者車にシフトか。
起亜自動車    2006 米ジョージア州での自動車工場建設を発表 2009生産開始
         2006末 スロバキア工場稼働開始
         2007末 中国に第2工場稼働 

         現代と同じく輸出比率高い 国内生産の6-7割を輸出 ウオン高の影響受けやすい

         逆にウオン安のメリットも。
GM大宇
ルノーサムソン
双竜自動車    2005年中国 上海汽車集団傘下 韓国で第5位
         SUVが強い 需要は小型車にシフト 
         極端な販売不振 運転資金枯渇(2007年末) 労働者のデモで 上海汽車側は態度硬化 支援拒否
         2008年1月 破綻(法定管理申請)
         2010年8月 インドの自動車大手マヒンドラアンドマヒンドラ(M&M 本社ムンバイ SUV:多目的スポーツ車につよい ルノーと合弁するも2010年4月合弁解消)が買収覚書締結 双竜の海外販路が狙いとされる

鉄鋼
ポスコ      鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長 鉄鋼最大手 輸出比率は30%と低い 
          旧八幡製鉄の技術協力で成長
造船
現代重工業    造船最大手
サムソン重工業

流通
ロッテショッピング
新世界

○石油(SK:鮮京(ソンギョン)グループ)
○電気・ガス(韓国電力公社(ハングッチョルリョコンサ)KEPKO 韓国ガス公社)
○鉄鋼(ポスコ*)
○造船(現代重工業 大宇造船海洋)
○自動車(現代自動車(ヒュンデチャドンチャ):韓国最大手 起亜自動車:現代自動車傘下 現代精工:現代自動車傘下 GM大宇自動車技術 双竜自動車:中国上海汽車集団傘下 ルノーサムソン:ルノー傘下)
○電機(サムスン電子(ジョンジャ) 大宇電子(テウジョンジャ):インドビデオコンが買収 LG電子 LGフィリップスLCD:LG電子傘下、液晶パネル大手 ハイニックス半導体Hinix Semiconductor:メモリー専業大手)
○通信(KT:Korean Telecom SKテレコム:携帯電話最大手 LGテレコム)
○金融(LGカード 大宇証券:最大手証券 国民銀行(クンミヌネン):最大手銀行 新韓(シンハン)銀行(シンハヌネン):朝興(チョフン)銀行(チョフヌネン)を2006年4月買収)
○流通(新世界(シンセゲー):新世界百貨店(シンセゲーぺッカジョム)とスーパー、イーマートを展開、2006年9月ウオルマート韓国を買収 ロッテショッピング:ロッテ百貨店とスーパー、ロッテマートを展開、06/2上場**。 GSリテール)
*韓国鉄鋼最大手。2005年11月22日に東証1部にも上場した。東証は2005年2月に外国部を廃止。外国株も東証1部に上場することで投資家の関心を集めるようになる狙いとされる。ポスコ上場は東証では現物株ではなく米預託株(ADR)で上場する初めての試みになった。
**2005年に韓国証券取引所(韓国証券去来所ハングクチュンクォンゴレソ)、店頭市場KOSDAQ、先物取引所KOFEXが合併して韓国取引所Korea Exchangeとなり本部はプサンに移ったが、証券取引所はソウルに残されている。

 Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author. 


はじめに 高等教育 経営学 ビジネスモデル 企業戦略論
財務管理論 現代の金融システム 証券市場論 現代の証券市場 東アジア
財務管理論リンク 証券市場論リンク

 
       

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