むぅぅぅぅん。
私は、ルパン好き、程度のファンで、
マニア的なファンではないのですが、
それにしても…
ルパンという人物を描けていませんよ、先生ぃ~っ!
おかしい。
何がが、おかしい。
絶対、この人、ルパンじゃないもん…
と、思いながら観ていても、
私も、あんまり頭がよくないので、
何が違うのか、ぱっとは、わからなかった。
それで、とにかく、考えていたら、途中でわかりました。
ルパンくん、堅物で、真面目過ぎっ!
勿論、そういう面も持っている人物ではありますよ。
でも、違うのよ。ルパンって…
茶目っ気たっぷりの人。
そういう意味で、洒落っ気がある人。
相手を煙に巻くことを、心から楽しむ人。
ケレン味がある人。
身軽で、多分、ややオーバーアクションな人。
どう考えても、
他の人が、ルパンってこんなに魅力的な人ですよ、
…なんて歌い上げたりするような必要はない人。
存在自体が、他人に魅力を感じさせずにはいられない人。
むしろ、登場しただけで、
みんなが、話をしたくて近寄ったり、
みんなに面白い話を聞かせたり、
という描き方で、アプローチすべき。
場面ごとに、もっと雰囲気が違ってもいい。
どんなところが、神出鬼没って、
狙った獲物を手に入れるため、というだけではなく、
誰かを助けたいと思ったら、
その人が、ふっと目をあげたら、いきなりそこにいる…
みたいな現れ方をするのです。
読んでいると、
すぐ自分の目の前に現れて、助けてくれるような。
そして、その場で約束をしてくれるのです。
「待っていなさい。必ず、助けに来ます。
私を、信じて…」
その状況が、どんなに困難に見えても、
ルパンは、必ず、切り抜けてみせるのです。
そういう、わくわく感が、常に伴う…
それこそ、アルセーヌ=ルパンのワールドなのです。
原作とストーリーが違う、とか、
そういうことは、もはや、どうでもいい。
頼むから、世界観は、汲み取って、表現して欲しかった…
この劇中、確かに、ルパンは、彼女を助けに来る。
来るけど、…普通だなぁ、あれでは。
あれは、ルパン的登場ではない…
はっきり言って、
それこそ、高速セリで上がってきて登場でもいいし、
上からゴンドラで降りて来てもいい。
その位しないと!
舞台なんだからっ。
この作品を観た、原作を知らない観客が、
ルパンシリーズが、こんなふうに淡々としたものだと勘違いされないかが、
心配です。
謎解きは勿論、
お洒落で、ウィットの効いた、
ロマンある冒険活劇です!!
と、声高に叫びたいっ。
…あれ?
タイトル、「ぼやき」なのに、叫んじゃった。