「福島はチェルノブイリではない」と日本の政府にお墨付きを与えるようなとんでもない報告書を発表したUNSCEARアンスケアー国連科学委員会って、どんな組織なのでしょうか?この動画を見るとIAEA、ICRPなどのことも見えてきます。
お時間があるときにこちらも
報告書案報道と記者会見の報道の2回も一斉報道されてしまっています。完全に「絆キャンペーン」と同じです。「福島安全プロパガンダ」。「世界の権威に文句あるか?」と言わんばかりです。それでなくても世界の横文字の組織名、権威に弱い市民。私たちを守ってくれてる組織?と勘違いしてる人すらいます。
偽の安心を振りまく、この「福島はチェルノブイリではない」宣言は、本当に恐ろしいと思います。世界中のどの国よりも「新聞鵜呑み率」が高い日本において、朝日新聞一面にこのような記事が出たことに絶望を感じました。そしてその反論をすぐさましない日本の専門家の人たち。311後から学び始めた普通の市民でさえおかしいと気づくこの嘘を、平気で垂れ流す日本のマスコミは完全に良心を失ったのだと思いました。
そして、早速この報告を受けて国の除染基準の見直しにかかるというのは、アンスケアーのこの時期の報告自体が政治的な判断だと思わざるを得ません。
ネット上で見ることができるアンスケアー報告書へのすばやい反論。
●ジャーナリスト木下黄太氏 5/28 UNSCEARの福島安全宣言を丸呑みで一面トップにする朝日新聞の大罪。橋下市長の懲戒請求に女性参集!
●小野俊一先生 5/29 「自分たちで過小評価しておいた放射線のリスク評価を用いて、「科学的」には因果関係が証明されないからその被害は原発の放射能が原因ではない、と被害を切り捨てる」
●ジャーナリスト哲野イサク氏 5/29 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)について
●宗教学者 島薗進氏のツイートまとめ 【国連科学委員会と日本の科学者】
UNSCEARアンスケアー国連科学委員会は中立・公正な機関に見せかけていますがそうではありません。原子力推進組織(IAEA)の協働センターの放医研から歴代日本代表が出ています。もちろん現在の米倉氏も。
http://kyumei.me/?p=75 より 一部引用
UNSCEARに放医研が影響力を及ぼすことにより、UNSCEARとしての見解を変更させ、UNSCEARの見解にもとづいて放医研の見解を権威づけるという「自作自演」ができる状況にあることは事実です。
http://www.nirs.go.jp/about/international.shtml
放射線医学総合研究所が絡んだ、このようなデータがUNSCEARアンスケアーに提出されています。
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/info/20120913_2.pdf
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/info/20120913_2.pdf
●ジャーナリスト木下黄太氏 6/4 のUNSCEARアンスケアー国連科学委員会について
被曝戦時下の当該国で、「国連」をどう考えるべきなのか。 夕張へ保養支援ブログ掲載後1日で目標クリア。 より一部引用
これは、どうしてそういうのかと言うとこのUNSCERが国連科学委員会というよりも、「放射線の影響に関しての国連科学委員会」というのが正式な名称に近い存在で、国連の中でも、ある特定の意図を強くもった委員会の話にすぎないからです。
また、これをその規模で取り上げるなら、別の国連の組織が、おこなっていることも、一面トップで取り上げなければならないということです。しかも組織のレベルは、委員会よりも、こちら「理事会」の方が、強いはずです。
国連「健康に対する権利」特別報告者アナンド・グローバー氏・日本への調査 (2012 年11 月15 日から26 日) に関する調査報告書
(2013年6月3日暫定版仮訳) より抜粋
「健康への悪影響の可能性は低被ばく線量では存在しており、年間被ばく線量が1mSv以下及び可能な限り低くなったときのみ、避難者は帰還を推奨されるべきである。その間にも、政府は、全ての避難者が帰還するか又は避難し続けるか自発的に決定できるようにするために、全ての避難者に対して金銭的な援助及び給付金を提供し続けるべきである。」
「原発事故前、または事故後可及的速やかに、ヨウ素剤を配布すること」
「1mSv以上の地域に居住する人々に対し、健康管理調査を実施すること」
「子どもの健康調査は甲状腺検査に限らず実施し、血液・尿検査を含むすべての健康影響に関する調査に拡大すること」
「ホールボディカウンターによる内部被ばく検査対象を限定することなく、住民、避難者、福島県外の住民等影響を受けるすべての人口に対して実施すること」
「原発事故と被曝の影響により生じた可能性のある健康影響について、無料の健康診断と治療を提供すること」
●伊藤和子 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
福島原発事故・1mSvを基準に住民保護を国連グローバー報告・勧告に基づく政策の転換を より一部転載
誤った政策を正さないまま、「これ以上の政策は不要」と開き直ったまま、子どもたちを危険にさらしてよいのだろうか。今回の調査報告書と勧告を機に、日本政府と東京電力には、改めてこれまでの対応を真摯に反省し、勧告に基づいて抜本的な政策の改善をしてほしい。それが、子どもや将来世代への深刻な健康影響を防ぐ唯一の道だと思う。
5/27の国連人権理事会特別報告者アナンド・グローバー氏の日本政府への勧告を無視して、「科学的証明」などという言葉を使って、政治的な思惑でUNSCEARアンスケアー報告書の記事だけ一斉報道するなんて・・・呆れます。
チェルノブイリ事故の経験上、来年以降、健康被害が爆発してくることが予測できていて、どうにかごまかせるこの今のタイミングでUNSCEARの報告の形で記事にするという意図が透けて見えます。 原発再稼働、参院選、オリンピック誘致、観光誘致に利用したい、福島の被害の真実を隠して、一般人に被曝を強制し続けるという目的ではないかとさえ思います。大本営発表のような虚偽報道が、ほとんどのマスコミを通じて意図的に流されている・・・
このUNSCEARアンスケアー報告が正しいということになれば、実際に健康被害が大きくなった時に、福島由来ではないと切り捨てられるのではと恐ろしくなります。
UNSCEARアンスケアーについて知る本
![]() |
増補 放射線被曝の歴史―アメリカ原爆開発から福島原発事故まで― |
中川保雄 | |
明石書店 |
もくじ
放射線被害の歴史から未来への教訓を―序にかえて
アメリカの原爆開発と放射線被曝問題
国際放射線防護委員会の誕生と許容線量の哲学
放射線による遺伝的影響への不安
原子力発電の推進とビキニの死の灰の影響
放射線によるガン・白血病の危険性をめぐって
核実験反対運動の高まりとリスク‐ベネフィット論
反原発運動の高まりと経済性優先のリスク論の“進化”
広島・長崎の原爆線量見直しの秘密
チェルノブイリ事故とICRP新勧告
被曝の被害の歴史から学ぶべき教訓は何か