中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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朝顔が一輪の丹沢:塔ノ岳(今年37回目)

2008年08月21日 19時49分44秒 | 丹沢の山旅
                    <堀山ノ家から見た富士山>

         朝顔が一輪の丹沢:塔ノ岳(今年37回目)
           (途中からKiyomaさんと同行)
         2008年8月20日(水)
晴後曇

■大分日が短くなった
 放浪癖が付いている私は,ほんの2~3日,家でグズグズしていると,無性に山へ行きたくなる.実は,昨日(8月19日)も,塔ノ岳に行きたかったが,年に一度受診している健康診断の予約のために,直ぐに家を出る訳にはいかなかった.少しでも家を出発する時間が遅くなると,臆病者の私は,もう山へ行く気がなくなってしまう.
 まあ,それはともかく,今日は思い切って,山へ出掛けてしまおうと思う.
 この頃は,朝がすっかり遅くなり,5時近くならないと明るくならない.それだけ,朝夕が多少涼しくなったのは嬉しいが,反面,もう夏もお仕舞いだなと思うと,何となく寂しくなる.

■ご常連のYさん
 藤沢,相模大野を経由して,渋沢から,何時ものように2番バスに乗車する.バスに乗車した登山客は,ほんの5~6人.いくら暑いシーズンだとはいえ,今日は,また,随分と登山客が少ない.
 バス停大倉で,型通りのストレッチをしてから,7時35分に歩き出す.
 上空には,気持ちの良い青空がスッキリと広がっている.でも,それだけ,直射日光が照りつけて,眩しいだけでなく,ずいぶんと暑い.路面は乾いていて,蚊やブヨも余り寄ってこないが,歩き続ける内に,蒸し暑さに閉口する.そのため,何時もよりも,ズルズルと歩行速度が落ちてくる.
 8時03分に雑事場ノ平を通過する.今日は,珍しく,私の前後には,全く人影がない.見晴茶屋を過ぎて,最初の急坂に差し掛かる.相変わらず私の前後には人影がないが,階段道を通過して,一本松手前の坂道に差し掛かると,前方に1人の男性の姿が見え出す.長身で痩せ形の老人である.この男性が,あまりにユックリ登っているので,一本松付近で,追いついてしまう.
 丁度そのとき,ご常連のYさんが,2本ストックを上手に使いながら,坂道を走り降りてくる.
 すると,男性が私に話しかけてくる.
 「あの方が,1日に3回も登られた方ですか?」
 私は,チャンピョンが時々1日に2回登っているのは知っているが,1日に3回も登っている人は知らない.
 「多分,あの方ではないと思いますよ・・・」
 このやり取りを切っ掛けにして,ほんの数分雑談したが,直ぐに失礼して先を急ぐ.

                  <ご常連が駆け下りていく>

■うっすらと雲が湧き始める
 長い登り坂を登り切って,8時39分に,漸く駒止茶屋に到着する.大倉バス停を出発してから,1時間04分経過している.今日も1時間をオーバーしている.ここで4分の遅れとなると,塔ノ岳山頂までの所要時間は,2時間25分から28分くらいになるだろうと予想する.
 堀山の尾根道に出る.今日は幾分風があるようで,尾根道になると,随分と歩きやすくなる.相変わらず良く晴れているが,何時の間にか,辺りには雲が湧き始めている.恒例の定点観測の場所からは,珍しく富士山が良く見えているが,真冬の時期とは違って,何となく霞んでいる.反対側の三ノ塔との間の谷間には,霧がうっすらと出始めている.
 8時55分に,小草平の堀山ノ家を通過する.ベンチには誰も居ない.大きな杉の木の間から,あいかわらず富士山が霞んで見えている.

                <久々の富士山:堀山の尾根から眺める>

■Kiyomaさんとバッタリ
 私はそのまま急斜面の岩稜帯を登り続ける.直ぐに女性を1人追い抜く.さらに,登り続けていると,前方に1人の男性の後ろ姿が見え出す.あまり気にしないで,そのまま登っていると,男性が後を振り向く.そして,
 「・・・おや,フラワーヒルさん・・・今日は健康診断じゃなかったんですか.まさか,ここで追いつかれるとは思いませんでした.さきほど久々に富士山が見えたんで写真を撮ったりで・・・ユックリしてました・・・」
と私に挨拶する.塔ノ岳のご常連で,山旅スクール10期生でもあるKiyomaさんである.
 もともと,今日は近くの病院で年1回の人間ドッグに入る予定だったが,病院の都合で,来週の火曜日に変わってしまったことを説明する.
 私も,今日は,特段,速く登る必要もないので,ここからはKiyomaさんと一緒に登ることにする.

                     <今日の萱場平>
             ※後ろ姿はKiyomaさん.ご本人の了承を得て掲載.

■修行僧とすれ違う
 Kiyomaさんに先頭になって貰い,私が後を追いながら,ややユックリとしたペースで登り続ける.
 9時52分に戸沢分岐を通過,つづいて,萱場平に到着する.今日,ここで休憩を取っている人は,誰も居ない.例により,定点観測の写真を撮る.
 再び急坂の露岩帯を登り始める.そのとき,何時もすれ違う修行僧が下山してくる.お互いに挨拶を交わす.

                     <修行僧が下る>

■チャンピョンに追い越される
 やがて,露岩帯を抜けて,花立山荘手前の階段道に差し掛かる.何時の間にか立ち込めてきた薄雲で,日射しが幾分和らげられているが,それでも,まだまだ暑い.ユックリと階段を登っていると,下から荷物を背負ったチャンピョンが登ってくる.たちまちの内に,追い抜かれる.追い抜きざまに,チャンピョンが,
 「・・一生懸命登るのも良いけど,あそこに居る鹿も見てくださいよ・・」
と私達に話しかける.
 チャンピョンから言われる通りに,進行方向右側の斜面を振り返ると,可愛い鹿が2頭,盛んに草を食べている.

                   <鹿が2頭:花立山荘付近にて>

■今日も怪しい雲がわき出す
 9時41分に花立山荘を通過する.先ほどに比較すると,大分雲が湧き出している.相変わらず富士山は見えているが,残念ながら,雲に覆われ始めている.
 ここから花立場までの登り坂が,私にとって一番厭な所である.
 「私は,ここが一番厭なんです・・・」
とKiyomaさんに愚痴を言う.
 9時54分に花立場に到着する.何時も雲に覆われている塔ノ岳の山頂が珍しく良く見えている.
 上空は晴れているが,蛭ヶ岳の後方に入道雲が出来かけている.辺りを見回すと,雷雲になりそうな雲塊があちこちに見えている.
 「今日も,厭な雲が出てきましたね・・・」
とKiyomaさんに話しかける.Kiyomaさんは前回の山行を思い出したのか,
 「先に行かれますか・・・」
と私に言う.
 でも,ここまで来ていれば,ユックリでも,急いでも,山頂まで5分とは違わない筈である.

               <山頂からの眺望:富士山は雲の中>

■山頂に到着
 9時59分に金冷シを通過する.すぐに最初の長い坂道になる.この坂道を登りきって,木道を通過する.そして,2番目の急坂を登り続ける.山頂はもうすぐである.山頂手前の急坂を登っていると,前方から,チャンピョンがもう降りてくる.Kiyomaさんが,
 「速いですね・・・もう下山ですか.今日は,もう一度登るんですか」
と話しかける.チャンピョンも,さすがに今日は1回だけのようである.
 私達は,10時19分に,塔ノ岳山頂に到着する.
 大倉バス停から,塔ノ岳山頂までの所要時間は,2時間44分であった.
 山頂では,数名の登山客が休憩を取っている.今日の山頂は,暑くも寒くもなく,とても心地がよい.
 山頂から,恒例の写真を数枚撮ってから,尊仏山荘に入る.
 
        <尊仏山荘の朝顔>                                   <営業部長>

■尊仏山荘の朝顔と営業部長
 山荘に入る.がら~んとしていて,誰も居ない.
 「こんにちは・・・」
と大声を出すと,奥からオーナーのHさんが,ノッソリと現れる.例によって,300円也のお茶を所望する.
 山荘の温度計を見ると,今日の10時25分現在,塔ノ岳の気温は+22.8℃.予想より意外と低い.Kiyomaさんによると,夜間の放射冷却で,山頂の気温はそれのど上がらないという.成る程,そんなものかと納得する.
 3人で四方山話をしていると,1人の登山客が入ってくる.そして,私達の話に何となく相槌を打っている.
 ふと見ると,入口近くにある石油ストーブの脇に,朝顔が1輪咲いている.
 「やっと,1輪だけ咲きましたよ・・・」
とHさんが言う.可憐な朝顔の花に心が打たれる.早速,朝顔の写真を撮る.
 Hさんによると,この朝顔,外に出して日に当てることはしないという.ウッカリ外へ出すと,鹿に食べられてしまうとのことである.
 そのうちに,どこからともなく,営業部長がノッソリと現れる.そして,ノタノタした足取りで,山荘の外へ出ていく.そして,山荘入口で,まるで門番のような姿で座っている.その姿が可愛かったので,帰りしなに,何枚かの写真に収める.

                <山頂付近の鹿の親子>

■ノンビリと下山
 10時52分に尊仏山荘を後にする.何時もより20分ほど遅く山荘に入ったことを忘れていた私は,思わず下山時間が遅くなっているのに気が付いて,少々慌てる.その様子を見ていたHさんが,
 「・・・ソレが言いたかったんでしょう・・」
と,ちょっと嫌みを言う.でも,今からだと,大倉発13時22分のバスを目指せばよいことが分かり,安心する.心の中で,
 「(13時22分のバスなら),夕方の水戸黄門に間に合うな」
と逆算する.
 登山で一番楽しいのは,山頂に到着した達成感を味わいながら下山することである.大倉尾根は,急げば1時間40分程度で下山できるが,安全とバスの時間を勘案しながら,できるだけ楽しんで,2時間10分ぐらいの所要時間で下山したい.

           <花立山荘付近で咲くマルハタケブキ>

■鹿と花
 山頂近くで3頭の鹿が草を食べている.鹿の食害のことは,良く耳にするが,それにしても,鹿の一家が,平和に過ごしているのを見ていると微笑ましくなる.先日見掛けたときよりも,子鹿が随分と大きくなったようである.
 花立山荘近くまで下ると,マルハタケブキ(?)の見事な群生が見られる.ここで写真を撮りながら,夏の余韻を楽しむ.
 11時17分,花立山荘を通過する.登りか下りか分からないが,何人かの登山客が休憩を取っている.辺りに立ち込める雲が大分多くなってきた.登るときに見えていた富士山は,まったく見えなくなっている.

■無事下山
 何人かの登山客と擦れ違いながら,11時36分に戸沢分岐を通過する.
 その後も,それ程急がず,また,それ程道草もせずに,慎重に下り続ける.
 雑事場ノ平を過ぎる頃から,ムッと蒸し暑くなり始める.今日の気温が高いせいか,この頃,山麓ではヒグラシが鳴いていたが,今日はミンミンゼミの啼き声ばかりが聞こえてくる.
 登山口を過ぎると,何軒かの農家の庭先に無人スタンドが置いてある.Kiyomaさんに釣られて,私も一品衝動買いをする.
 終始,ユックリと下って,13時03分,大倉バス停に到着する.下りの所要時間は,2時間17分.予定通りに,大倉発13時22分のバスに乗車する.
 前回よりも,30分遅い電車に乗ったが,相模大野で,うまく快速急行に乗り継いで藤沢へ.大船からのバスの乗り継ぎも良くて,結局,大倉発12時52分のバスに乗ったときと同じ時間に,帰宅することができた.次回からは,13時22分のバスに間に合うように降りれば十分だなと学習する.

[ラップタイム]

 7:35  大倉歩き出し
 7:40  登山口
 7:49  丹沢ベース
 7:55  観音茶屋
 8:09  雑事場ノ平
 8:11  見晴茶屋
 8:26  一本松
 8:39  駒止茶屋
 8:48  堀山
 8:55  堀山ノ家(直ぐ上の露岩帯からKiyoma氏と同行)
 9:12  戸沢分岐
 9:14  萱場平
 9:41  花立山荘
 9:59  金冷シ
10:19  塔ノ岳山頂 着
=================================================
10:52  塔ノ岳山頂 発(+22.3℃)
11:05  金冷シ
11:17  花立山荘
11:34  萱場平
11:36  戸沢分岐
11:47  堀山ノ家
11:56  堀山
12:04  駒止茶屋
12:16  一本松
12:26  見晴茶屋
12:28  雑事場ノ平
12:40  観音茶屋
12:49  丹沢ベース
12:55  登山口
13:03  大倉 着

[山行記録]

■登攀・下降高度
  1201m
■水平移動距離   7.0km
■登攀所要時間
  大倉発      7:35
  塔ノ岳山頂着  10:19
  (所要時間)  2時間44分(2.73h)
 登攀速度
   1,201m/2.73h=439.9m/h
■下降所要時間
  
塔ノ岳山頂発  10:52
  大倉着     13:35
  (所要時間)  2時間17分(2.28)
 下降速度
   1,201m/2.28h=526.8m/h
                              (おわり)

前回の塔ノ岳の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/65aa409dbf3dceaa015c32cac21b51d6
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