中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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山小屋をハシゴして下山した丹沢;塔ノ岳(今年51回目)

2012年10月07日 11時29分07秒 | 丹沢の山旅

                                <>

   山小屋をハシゴして下山した丹沢;塔ノ岳(今年51回目)
       (登り下りとも一部ご常連と一緒)
       2012年10月6日(日) 晴

■1週間ぶりの塔ノ岳
 久々の塔ノ岳である.
 私は昨日まで開催されていた神奈美会員展に水彩画を出展していたので,展覧会が開催中は,ほぼ毎日,会場に出掛けていた.そのため,塔ノ岳に登りたいなと思いながらも,先週の土曜日に登ってから,ついに今日まで登るチャンスがなかった.
 「やっと,塔ノ岳に復帰できるぞ・・・」
 そう思うと,どうしても気分が高揚してしまい,昨夜も夜中に何回も,
 「もう,起きる時間かな・・・」
と目が覚める.その結果,今朝も寝不足である.まあ,でも,今日は小田急線が休日ダイヤなので小田原駅での“2分間乗換”の苦行はない.それだけが安心材料である.
 5時10分,何時もの時間に家を出発する.
 薄暗くて無風である.夜中に淀んだ空気がそのままのためか何となく淀んでいるような気がする.何時もと違って,今朝はコーロギの鳴き声も全く聞こえてこない.上空を分厚い雲が覆っている.天気予報では日中は晴ということになっているが,天気は大丈夫かなと心配しながら,最寄りのモノレール駅に向かう.ホームに,平素見慣れないリュック姿の老人が2人ばかり居られる.今日も塔ノ岳は混雑するかなと覚悟する.
 渋沢発大倉行1番バスは,多くの立ち席が出たものの,臨時バスが出るほどの混雑ではない.多くのご常連が北穂高,戸隠山,甲斐駒ヶ岳などに出掛けているらしく,1番バスに乗り合わせた常連は,韋駄天のTさん,三角髭のTさん,Y内さん,ミッキーマウスさん,マドンナさん,S田さんなど少数で,いささか寂しい.

■ご常連と一緒に歩き出す
 バスは何時ものように7時頃大倉に到着する.
 バス停付近は沢山の中学生で溢れている.伺うと地元の中学生のようである.
 7時04分,ウオームアップのストレッチもしないで,韋駄天のTさん,三角髭のTさん,Y内さん,S田さんと一緒に,大倉から雑談をしながら歩き出す.
 私達の前後には沢山の登山客が列になって歩いている.
 中学生の皆さんも賑やかに登っている.同行の1人が,女子中学生に.
 「どこまで登るの・・?」
と聞く.中学生はちょっと困ったような顔をして,
 「頂上まで・・・」
と答える.どこの山の頂上かハッキリしないが,まあ詮索するのは止めよう.

<登山口付近;登山客が列になっている>

■見晴山荘のススキ
 7時20分頃,丹沢ベースを通過する.この辺りは山ヒルに取りつかれる可能性が高いところなので,サッサと通過するに限る.何人かの登山者を追い抜きながら,速からず遅からずの歩行速度で登り続ける.ふと気がつくと,S田さんが遅れて姿が見えなくなっている.
 私はそのまま韋駄天のTさん,三角髭のTさん,Y内さんの後に付いたまま登り続ける.今日は気温は高いものの,湿度が低いらしくて,比較的歩き易いようである.1週間のブランクがあるものの,少し歩いている間に,なんとか何時もの調子に戻っているようである.
 7時42分,雑事場ノ平に到着する.三角髭のTさんが衣服調製をしている間に,見晴山荘までの平坦な尾根道は先に行かせてもらう.早晩,お三方に追い抜かれることは分かっているが・・・
 7時44分,見晴山荘に到着する.山荘前のススキの穂がとても見事である.前回も同じ場所で同じような写真を撮っているが,今日もススキと相模湾を望む写真を数枚撮影する.

<見晴らし山荘前のススキと相模湾>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.坂を見上げると沢山の登山客の後ろ姿が見える.
 大倉から歩き始めたときは,身体が少し重いような気がしたが,見晴階段に差し掛かったときには何時もの体調に戻っているなと実感する.
 上空を覆う緑陰からこぼれ落ちる日光を浴びながら登るのは実に快適.ついつい歩行速度が速まってしまう.図らずも数名の登山客を追い越させて貰う.

<こぼれ日の見晴階段>

■モミジ坂の丹沢ウッズさん
 見晴階段に引き続きモミジ坂に入る.上空を覆う木の枝の緑が相変わらず素晴らしい.湿度が低いようなので,多少登攀速度を速めても滴り落ちるような汗はかかずに登れる.そのため,まあ,まあの速度を維持しながら登り続ける.
 7時53分,丹沢ウッズさんが,
 「ヤッ・・・」
と言いながら右手を上げて,私を追い越していく.例によってもの凄い速度である.瞬く間に,坂の上に消えていく.

<丹沢ウッズさんが行く>

■駒止茶屋
 8時10分,駒止茶屋を通過する.大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間06分.2~3年前までの1時間丁度には及ばないものの,この所の私にしては,まあ,まあ,といえるラップのようである.
 引き続き堀山の尾根に差し掛かる.大倉尾根で一番気持ちの良いところである.周囲の風景を愛でながら,調子よく歩き続ける.

<堀山の尾根道;相変わらず登山客の姿が見える>

■堀山の富士山
 富士山が見えるのを期待しながら,俗称富士見平に到着する.白い雲の間に富士山の山頂付近だけが,ちょっと見えている.ここで立ち止まった数枚の写真を撮る.
 「まあ,富士山が見えただけマシか・・・」
と頭の中で独り言を言って通過する.

<堀山の尾根から富士山を望む>

■堀山の家
 8時24分,堀山の家を通過する.まだ8時を少し過ぎたばかりなのに,もう開店している.
 小草平のベンチには2~3人の登山者が休憩を取っている.大きな杉の間から,雲間の富士山が見えているが,ここからの富士山は,何故か私のデジカメでは良く撮れない.何枚撮っても,肉眼では見えている富士山が,デジカメでは空の中に消えてしまい上手く写らない.
 今回も,ここから富士山の写真を撮ったが,案の定,富士山は全く写っていない.

<堀山の家>

■萱場平
 堀山の家から花立山荘までは,例によって白内障手術リハビリ中の私は,念のため,少々歩行ピッチを意識的に落とすことにする.ただ,内心では,“このまま将来もこれ以上速くは歩けないようになってしまうのではないか”という不安が付きまとう.
 「そんならそれで良いではないか・・・塔ノ岳に登れるだけで幸せと思え・・・」
ともう一人の私が私を諭す.まあ,いいか・・・なるようになるさである.
 8時36分,戸沢分岐の手前で,後ろから来たY内さんに追い越される.さらに,8時39分,韋駄天のTさんに追い越される.“嗚呼何をか言わん哉”である.彼我の実力の差は如何ともし難い.
 8時40分,下山してくるKシゲさんとすれ違う.例によって,
 「やあ,やあ,・・・」
と握手しながらすれ違う.
 8時44分,萱場平を通過する.先ほど私を追い越したY内さんが路傍の草花の写真を撮っている.韋駄天のTさんは,もう木道の先へ行っていて,写真には写っていない.
 木道の間にある大きなアザミの写真を撮る.


<萱場平>

■花立山荘
 ユックリのんびりペースで(これは言い訳で,これ以上の速度では登れないのかも知れないが),9時06分にようやく花立山荘に到着する.ここからの富士山の眺めを期待していたが,富士山は雲の中.残念.
 7時04分に大倉を歩き出してから花立山荘までの所要時間は2時間02分.残念ながら2時間は切れなかったが,今の私にとっては,まあ,まあ,といった所かな.

<花立山荘>

■少し紅葉が始まった鍋割山稜
 毎度のことながら,花立山荘から花立山山頂までがとても辛くて厳しい.花立山の山頂は直ぐ底に見えているが,なまじ見通しが利いているだけに,何であそこに早く辿り着けないんだと気持ちだけが先走りする.
 花立山近くのガレ場からの眺望を期待していたが,山麓から沸き上がってくる雲が活発で,近場の山でさえ雲に遮られてしまう.
 9時15分,ようやく花立山を通過する.
 馬の背に近付く頃,少しばかり雲が途切れる.雲間からちょっと紅葉し始めた鍋割山稜が見えている.素晴らしい風景である.私は立ち止まって,この素晴らしい風景をデジカメに収める.
 9時20分,ようやく金冷シを通過する.
<美しい鍋割山稜>

■塔ノ岳山頂
 金冷シから最初の階段は,何とはなしにルンルン気分で案外の速歩で登り続ける.涼しいのと湿度が低いのが相まって,とても心地よく楽に登り続けられる.
 9時30分,塔ノ岳山頂直下の階段で,下山してくる三角髭のTさんとすれ違う.1分ばかり雑談.その中で,三角髭のTさんもfacebookの記事を見られるようになったと伺う.現在「多く青根の瓦版」のグループの参加人数は9人.
 「早く瓦版にも参加して下さいよ・・・」
でお別れ,再び登り続ける.
 9時35分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間31分.残念ながら2時間20分代には届かなかった(ただし,山頂に到着した時点では,大倉をてっきり7時6分に歩き出したと勘違いしていて,「今日は2時間30分を切ったぞ」とぬか喜びをしていた).
 山頂は濃い霧に覆われている.無風.気温14.0℃.
 何とかこの霧が晴れないかなと思いながら山頂をウロウロしながら,霧ばかりの写真を撮り続ける.
 9時38分,霧の中から韋駄天のTさんが「ヌッ」と現れる.
 「今日は各駅停車で下るので,先に下山します・・・ユックリ下りますよ.一寸前から急に霧が濃くなりましたよ.暫くすれば霧も晴れるでしょう・・・」
とのこと.私も,
 「後で堀山の家に立ち寄るつもりです・・・」
ということにする.

<濃い霧に覆われた塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 山頂でウロウロしている内に,少々寒くなる.
 尊仏山荘に入ることにする.山荘には若い人達が5~6人陣取っている.私より先に到着したY川さんが居られる.今日の小屋番はW林さんとW田さん.オーナーのH立さんは,まだ登ってきていない.例によって300円也のお茶を所望する.
 W林さんに伺うと,10月3日に神奈美会員展に来て頂いたとのこと.私の聞き違いだと思うが,W林さんは4日午前中に来て頂けるものと思っていたので,3日は留守にしてしまった.申し訳ないことをしてしまった.平謝り.
 「今日は2時間29分で登れました・・・20分台は久々です」
 「わずか1分の違いでも,20分代というのと30分代というのでは随分印象が違いますね」
と脳天気な会話をY内さんと交わす.この時点で,私はてっきり7時06分に大倉を歩き出したものと勘違いしていた.後で,今日は7時04分に歩き出しているので,実際には2時間31分かかっていることに気がつく.従って所要時間は2時間31分.たった2分の差とはいえ,実に残念!

<登山客で賑わう尊仏山荘>

■おっとりミー君
 どこからともなく営業部長のミー君が客席に現れる.相変わらずオットリとしていて良い子である.たまたま居合わせた若い客にも大持てである.ミー君は紛れもなく営業部長である.
 テーブルの下で,お行儀良く座っているミー君の写真をパチリ.このところちょっと目やにが出ていた右眼も,今日は調子が良さそうである.
 ミー君ももう12歳.人間の年に換算すれば,もう卆寿である.
 「お前・・・風邪引くなよ,元気で居なさいよ・・」
とエールを送るが,ミー君は知らん顔である.それで良いんだ.

<オットリとしているミー君>

■顔見知りとすれ違いながら下山
 10時01分,尊仏山荘を出発して下山を開始する.Y内さんは丹沢山方面に一寸行ってみるとのことだったので,下山は一人旅である.
 濃い霧は晴れているが,相変わらず雲が湧いていて,富士山は見えない.山頂は沢山の登山客で賑わい始めている.
 近くのベンチでマドンナさんが昼食を撮っている.
 「堀山の家に寄りますので,お先に失礼します・・」
と挨拶して下山を開始する.
 山頂から2番目の階段を下っていると,ミッキーマウスさんが,
 「もう足が上がらないよ・・・」
と言いながら2本のストックを付きながら登ってくる.
 続いて,金冷シ手前の階段で,大倉から一緒に歩き出したS田さんとすれ違う.

<霧が晴れた塔ノ岳山頂>

■堀山の家で休憩
 一人旅の気楽さからノンビリと下山を続ける.
 あと7分坂を過ぎて,ガレ場の下り坂に差し掛かる.萱場平までの半分位まで降りたときに,たまたま登ってこられた男性と雑談.そのとき右肩を後ろから叩く人が居る.ご常連のF田さんである. 
 「10時頃尊仏山荘に入ったら顔見知りが誰も居ないので,直ぐ下山してきました・・」
とのこと.
 ここから先は,F田さんと一緒に下山する.
 10時56分,F田さんと一緒に堀山の家に立ち寄る.堀山の家の女将なっちゃんが私達を迎え入れる.コーラが冷えているというので250円也のコーラを所望する.
 「ついさっきまで,韋駄天のTさんが,皆さんを待っていましたよ.もう一軒観音茶屋に立ち寄るとかで,さきに下山されました・・・」
とのこと.
 私達2人はコーラを飲みながら,Y内さんが現れるのを待つ・・・が,なかなか現れない.
 コーラを飲みながら外を眺めていると,マドンナさんが下山していく.さらに,S田さんが通過する.
 11時21分,痺れを切らせて,Y内さんのご到着を待ちきれずに下山を開始する.そして,堀山の手前でS田さんに追い付く.
<堀山の家でコーラを賞味する>

■草花の写真を撮りながら・・・
 11時21分,痺れを切らせて,Y内さんのご到着を待ちきれずに下山を開始する.そして,堀山の手前でS田さんに追い付く.
 「FHさんが週2回塔ノ岳に登ると伺って,マネをしようと思うんですが.なかなか辛くて・・・」
とS田さんが愚痴る.こればかりは,根気よく繰り返すしか馴れる方法はないのが残念である.
 下山の道すがら,目に付いた草花の写真を撮る.花オンチの私には草花の名前は覚えられないし,なまじ知っている名前でも間違っていることが多いので,ここでは草花の名前は省略する.
 そういえば,登ってくるはずの孫武山荘のオーナー,H立さんとすれ違わなかった.どうしたんだろう.私達が堀山の家で雑談している内にすれ違ったかも知れないな・・・
 




<路傍で見掛けた草花>

■観音茶屋の氷水
 F田さんと雑談しながら,私の下山速度に合わせてただいて下り続ける.
 12時02分,観音茶屋に到着する.茶屋の前に韋駄天のTさんが立っている.
 「何時までも下山してこないので,ここで待っていましたよ・・・」
 伺うとTさんは,大倉発12時40分のバスに乗車する積もりだという.今から急いでも12時10分のバスには到底間に合わない.
 私は,折角だから,観音茶屋に立ち寄ることにする.300円也の氷水を所望する.食べる前に,氷水の写真を撮るのを,うっかり忘れてしまう.
 そういえば「尾根の瓦版」の編集長から,観音茶屋の女将S田さんの原稿を下請けして,パソコンに打ち込んだばかりである.まだ発刊前なのでここでは紹介できないが,その文章を思い出しながら,氷水を美味しく頂く.
 韋駄天のTさんから,私の卆寿記念登山の懇親会は,来る11月10日(土)に,ここ観音茶屋で行うことを聞かされる.参加者は30人程度になるという.脅威!
 実際の所,この年になると何時何が起きてもおかしくない.だから,11月10まで,果たして,今のまま元気で過ごせるか,とても気になる.有り体に言えば,かなり強いプレッシャーを感じている.

■気分爽快で帰宅
 14時14分に観音茶屋から下山開始.高速で下る韋駄天のTさんの後を追うようにして減算し続けて,12時31分,大倉に到着する.
 登山靴を水で洗って,バスに乗車する.休日なので,平日より多少多めに数名の登山客がバスに乗車する.
 小田急電車と東海道本線の乗換がスムーズだったので,13時54分に大船に到着する.このまま家に帰るのでは如何にも早すぎる.私は駅ビル1階の某コーヒーチェーン店に立ち寄って,200円也のホットコーヒーを賞味する.今日はあっちで300円,こっちで200円と随分な無駄遣いをしてしまったかも知れないが,結構充実した1日を過ごすことができた.神仏に感謝.
 例によって一寸熱めの風呂に入る.疲れはたちまちのうちに吹っ飛ぶ.
 今日一日もハッピーだった.


<ラップタイム>

 7:04  大倉歩き出し
 7:28  観音茶屋
 7:44  見晴山荘
 8:10  駒止茶屋
 8:24  堀山の家
 9:06  花立山荘
 9:20  金冷シ
 9:35  塔ノ岳山頂着(14.2℃)
10:01      〃  発
10:18  金冷シ
10:26  花立山荘
10:56  堀山の家(11:15まで休憩)
11:30  駒止茶屋
11:49  見晴山荘
12:02  観音茶屋(12:15まで休憩)
12:31  大倉 着

[山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)  
  大倉   発       7:04  
  塔ノ岳  着       9:35
 (所要時間)  2時間31分(2.52h)
  水平歩行速度   7.0km/2.52h=2.77km/h  
  登攀速度      1269m/2.52h=503.6m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:01
  大倉   着       12:31
 (所要時間)  2時間30分(2.50h)
 水平歩行速度     7.0km/2.50h=2.80km/h
 下降速度  
       1269m/2.50h=507.6m/h

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5dfa528e9bd63f49f36e2b1a88d6182c
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/63f6bd474b59c315abcd0841dbd7456a



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