中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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春たけなわの鎌倉:玉縄・村岡地区の社寺史跡巡り(2)

2010年03月08日 08時51分11秒 | 鎌倉あれこれ
                                 <フラワーセンターの玉縄桜>

         春たけなわの鎌倉:玉縄・村岡地区の社寺史跡巡り(2)
                      (十王岩グループ)
                2010年3月5日(金
) つづき

■フラワーセンター大船で昼食
 フラワーセンター大船に入園した私たちは,ユックリと園内を一回りする.天気はあまり良くなくて,朝から曇天続きだが,雨が降らないだけ,まあましなのだろう.それに,この時期にしては,気温も高く,しのぎやすい.かなり高年齢と思われる方々も,園内で散策を楽しんでいる.
 つい先だっての新聞の地元欄で,フラワーセンター大船の玉縄桜が満開になっているという記事があったことを思い出す.そこで,玉縄桜を探し回る.玉縄桜は直ぐに見つかった.有名な桜らしくて,沢山の見物客が玉縄桜の周りに集まっている.私もこの取り巻き連中に混じって,玉縄桜の写真を撮る.
 資料(インターネット1)によると,玉縄桜は,フラワーセンター大船で「染井吉野」実生から選別育成して,1990年に種苗登録された早咲き桜のことのようである.私たちは,早合点して,玉縄城趾付近に沢山植えられている桜かなと思っていた.
 公園内の催し物会場では,花をテーマにした絵の展覧会が開催されている.長髪を後ろに束ねた超年配の男性が後ろ手に組んだ姿勢で,展示会場を歩き回っている.何となく上から目線の感じがするので,成るべく話しかけられないように注意しながら絵を拝見する.
 次いで隣の天気会場を覗く.ここでは沢山の春蘭が展示されている.鎌倉でも山の中で春蘭を見かけることがあるが,ここでは天然の春蘭とはひと味違う花を咲かせているものが多い.それにしても,よくまあ,こんなに沢山の春蘭を集めたものだと感心する.それだけ春蘭の愛好者が多いということだろう.
 フラワーセンター大船の園内をブラブラしている内にお昼近くなる.そこで,展示場近くの広場のベンチに座り込んで,昼食を摂ることにする.今回は主婦が一緒でないので,自分で持参したオニギリ2個を食べたら,すべて終わり.何となく味気ない気もするが,もともと男同士のハイキングなんてこんなものである.簡素な昼食は,ものの15分ほどで終わってしまう.

                   <玉縄桜>



 
                     <フラワーセンターの催し物会場>

■貞宗寺
 昼食を終えて,さてどこへ行こうかという話になる.深沢を経由して,鎖大師辺りから鎌倉山に抜けようか,それとも玉縄桜の名前に惹かれて,玉縄城趾方面を回ろうかと迷うが,結局は,もう少し梅が咲いている寺を回ろうと決める.
 12時26分にフラワーセンター大船を出発する.
 フラワーセンター大船の敷地に沿うように歩き続けて,鎌倉市立玉縄中学校沿いに歩く.そして,バス停新岡本からロッシュマンションの敷地を回り込むようにして,岡本と植木の境目で右折する.もし,このまままっすぐ進めば,五十三次洛遊会メンバーのA夫妻の家があるハイツ○○の近くに行ってしまう.偶然ばったりとA氏に会うのも面倒なので,とにかく右折する.そして,道の両側に駐車場がある“くねくね道”を進んで,ショッピングモールコーナン近くで,左折.12時52分,住宅地の突き当たりにある貞宗寺に到着する.
 もう見頃はとっくに過ぎているが,この寺の境内には沢山の梅の木がある.境内入口付近で土建作業をしているお一人を除いて,この寺にも,全く人気がない.もし,この寺が鎌倉の中心部にあったら,梅の名所として有名になったに違いない.
 貞宗寺は浄土宗の寺である.山号は玉縄山.開山暁誉源栄.貞宗院は,徳川家康の側室,お愛の局の生母である.お愛の局は江戸幕府2代将軍徳川秀忠の生母.従って秀忠の祖母に当たる.晩年,貞宗院は,ここで隠居したという.この寺は貞宗院没後,1611年(慶弔16年)に開山.ご本尊は阿弥陀如来(鎌倉商工会議所(監),2009,p.100).

                    <花に囲まれた貞宗寺の参道>



     
             <貞宗寺境内:旅道具が安置されている>
             ※この御堂は何を祈願したものだろうか?
              後で調べよう.


■園光寺
 13時頃貞宗寺を出発する.再び元の三叉路に戻って,住宅地の中の狭い路地を曲がりくねりながら進む.緩やかな上り勾配の裏道を進む.大船から藤沢の渡内を経由して藤沢駅に向かうバスが通る自動車道の裏道である.
 途中の三叉路を左折する.この道の突き当たりの山際に園光寺がある.
 境内に至る石段を登って,13時07分に園光寺に到着する.後ろに山を抱いた境内は静寂そのものである.ここにも沢山の梅の木がある.もちろん,もう見頃は過ぎているが,なかなか見事である.
 園光寺は真言宗大覚寺派の寺.山号は城護山(じょうござん).1558~1570年代(永禄年間),北条氏時が澄範を招いて玉縄城に創建されたという.そして玉縄城が落城したときに,ここに移築された.ご本尊は不動明王.薬師堂には行基作の薬師如来他十二神将が安置されているとのこと(鎌倉商工会議所(監),2009,p.85).
 園光寺境内にトイレがあるのを確認する.
 



■久成寺
 13時12分,園光寺を後にする.ここからバス通りに出る.バス停久成寺の直ぐ近くである.バス通りを渡って,13時17分に久成寺に到着する.この寺には梅は見当たらないが,ついでに(といっては叱られるが)参拝する.この寺は日蓮宗.北条氏の家臣,梅田尾張守秀長が,1520年(永正17年)創建.境内には公曉を討った長尾定景の墓と伝えられる墓石があるようだ(鎌倉商工会議所(監),2009.p.104).公曉は源実朝を討った人物.
 大分気温が高くなってきた.山門の前でウインドウブレーカーを脱いで,ナップザックに収める.


■二伝寺
 13時24分に久成寺を出発する.往路を少し戻って,バス停久成寺から右折して南の高台に向かう.そして,100段以上もあろうかと思われる長い石段を登って,高台に出る.ここはもう藤沢市村岡東地区である.辺りの雰囲気も,鎌倉市内とは何となく違ってくる.
 道なりに南へ進むと,二伝寺の境内に突き当たる.そして,13時30分,二伝寺に到着する.ここはすでに藤沢市内なので,鎌倉市内の資料しか持ち合わせていない私には二伝寺の曰く因縁は,インターネットを調べても,簡単には分からない.
 ただ,インターネットで検索すると,二伝寺辺りは,玉縄城の鎌倉方面への防御のための砦が築かれていたらしい(インターネット2).本堂の前を通り過ぎて,墓地に入る.墓地を抜けると広場に出る.この広場に見頃を過ぎた梅の花が咲いている.広場を通り抜けて,本堂を3分の2周したころ,進行方向右手に,狭い石段が見える.この石段を登り詰めると林の中の空き地に出る.ここに平中通公,平中光公,平良文公の塚がある.
 平良文は村岡五郎ともいう.高望王の子で五男だという.資料(インターネット3)によれば,桓武天皇→葛原親王→高見王→高望王→平良文の家系で,886年(仁和元年)生まれだという.財政難に苦しんだ桓武天皇が,皇族に平の姓を与えて,皇族から離脱させた.いわゆる桓武平氏である.高望王は889年(寛平元年),上総介となり,関東に広大な領地を獲得した.そして,五男平良文は下総村村岡庄を相続した.これ以上の詮索は,このブログにはなじまないが,村岡御霊神社とのつながりのある話なので興味は尽きない.
 三公の塚を見学した後,踏み跡を辿って,後ろの雑木林に少し入り込んだが,すぐに踏み跡はなくなる.往路を引き返す.



                       <二伝寺の梅>


                       <忠光公塚>

      
                   <良文公塚>


                    <忠通公塚>

■日枝神社
 13時頃,二伝寺を出発する.数年前まで,すばらしい長屋門があった場所を通過する.今は何の変哲もないコンクリートの無機質な新興分譲地が広がっている.その一角にまるで取り残されたように日枝神社がぽつんと建っている.四方八方から裾野を,これでもか,これでもかと削り取られて,ようやく狭い境内だけが残ったという感じである.
 これは私の偏見に過ぎないが,日枝神社は何とも哀れに見える.目を覆うようにして通り過ぎたくなる.
 日枝神社の由来については,全く調べていない.

                               (つづく)

[参考文献・資料]

鎌倉商工会議所(監),2009『鎌倉観光文化検定公式テキストブック』かまくら春秋社
インターネット1:http://papageno620.chat-jp.com/sub5/march/tamanawasakura.htm
インターネット2:http://www.kit.hi-ho.ne.jp/nagae/nidenzi.html
インターネット3:http://www.kit.hi-ho.ne.jp/nagae/tairayosibumi.html

「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5ff52b3f2fab09be493eaf8d0536b883
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