中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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初冬の鎌倉:獅子舞・番場ヶ谷・十二所果樹園を一巡り

2012年12月25日 04時10分44秒 | 鎌倉あれこれ

                              <十二所神社へ下る>

   初冬の鎌倉:獅子舞・番場ヶ谷・十二所果樹園を一巡り
           (ARENAオフミ)
        2012年12月23日(日) 曇

<散策地図>



<師走の獅子舞を登る>

■鎌倉駅から小町通り裏道を歩く
 今日はARENAオフミ定例会の日である.平素は専ら関東近郊の低山歩きをしているが,今回は寒い冬ということもあって,久々に鎌倉歩きを企画する.幹事長のロングテイル氏の希望もあって,今回は番場ヶ谷から十二所果樹園を主体に,鎌倉東部の低山を一巡りすることに決まる.
 今日の天候は回復したものの,昨日はほぼ終日冷たい雨が降っていたので,足許が余り良くないのではないかとも思うが,まあ,それはそのときとして,一応,番場ヶ谷と十二所果樹園を一回りすることで計画を立てる.
 定刻9時30分に鎌倉駅東口(表口)に参加者全員が揃う.今日の参加者は総勢12名.内,男性7名,女性5名である.
 まずは小町通りに入る.駅近くの某コーヒー店の店先には,開店時間の10時まで随分と時間があるのに,もう10人余りの人が列を作って待っている.多分,この店が何かの雑誌に載ったか,テレビで放映されたのだろう.
 この店のすぐ先の十字路を右折,そしてまた直ぐに左折して,小町通りの裏道に入る.
 「街中では右一列で歩いてくれ・・・」
 私はそれこそ10回以上,折に触れてみんなに注意するが,すぐに道一杯になってしまう.
 “何とだらしない連中だろう・・・”
 私はどうしても怒りに似た感情が心の中に湧いてくるが,辛抱強く我慢する.どうして,こんな子供でも分かることが,大の大人が分からないんだろう・・・正直なところ,悲しくなる.

■鶴岡八幡宮
 クネクネと曲がりくねる裏道を抜けて川喜多映画記念館付近で,再び小町通りに出る.鉄の井の前を通り抜けて近代美術館入口から鶴岡八幡宮の境内に入る.
 今はもう師走.境内では正月を迎える準備が着々と行われている.
 舞殿を回り込んで白旗神社から国宝館の方に抜ける.紅葉が見頃の頃は,紅葉が実に美しい場所だが,さすがに今頃になると紅葉は殆ど残っていない.

<鶴岡八幡宮>

■鎌倉宮から獅子舞の谷へ
 横浜国大附属中小学校,西御門,東御門を経由して,途中全く寄り道せずに,10時15分,鎌倉宮に到着する.ここで最初の休憩を取る.
 その後,永福寺跡を経由して,11時15分に獅子舞の谷の入口に到着する.

<鎌倉宮に到着>

■獅子舞から天園へ
 亀が淵の住宅地を抜けて,獅子舞の谷に入る.
 この谷は,晴れの日が続いているときでも,足許は余り良くないが,昨日の雨の後なので,今日はさらに足許が悪くなっている.
 もう紅葉の見頃を過ぎているので,獅子舞を訪れる人は少ない.すれ違うのは,ほんの数名程度で空いている.

<獅子舞の谷を登る>


<獅子舞の紅葉>

■天園からの眺望
 11時01分,天園の展望岩塊に到着する.
 あいにくの曇り空なので,伊豆箱根の山は見えないが,眼下に鎌倉の市内が見えている.日が射さないためか,如何にも寒々として風景である.

<天園からの眺望>

<番場ヶ谷を下る>

■吉沢川の源流
 さて昼食を取る場所である.地面は濡れている.いっそのこと,まだ昼食には大分時間が早いけれども,いっそのこと峠の茶屋に入って,食事にしようかとも思ったが,それにしてもまだ11時少し過ぎたばかり.いくらなんでも昼食に早すぎる.まあ,ここは,そのまま先に進むことにする.あとは運を天に任せよう.
 11時15分頃,登山道から右折して,番場ヶ谷を下りはじめる.行く手を,大きな倒木がふさいでいるので,倒木を迂回しながら滑りやすい急坂を下る.
 やがて吉沢川の源流を通過する.この辺りから谷間は鋭いV字型になる.Vの字の底を吉沢川が流れている.ここから,暫くの間,川の水の中をジャブジャブと下り続ける.

<川の中を下る>

■深山幽谷の趣
 吉沢川を下り続けると,少しずつ谷間が広くなる.川の中を歩いたかと思うと川岸の道になる.その道も直ぐに途絶えて,また川の中を歩く・・・そんなことを何回も繰り返している内に,だんだんと川の水の量も増えてくる.そして,道もだんだんとシッカリしてくる.
 この谷には正に深山幽谷の趣がある.鎌倉といえばお寺と思っている人には,鎌倉にこんな秘境があるとは,俄には信じられないだろう.

<深山幽谷の趣のある番場ヶ谷>

■隠れた紅葉の名所
 実は,ここ番場ヶ谷は鎌倉の隠れた紅葉の名所でもある.これは私個人の感想だが,紅葉で有名な獅子舞よりも,こちらの紅葉の方が素晴らしいと思っている.今はもう紅葉の見頃はとっくに過ぎてしまったとはいえ,まだまだ至る所に紅葉が残っている.
 足許を見つめて歩くだけでなく,ときどきは空を見上げて紅葉を楽しむ.

<至る所に紅葉が残っている>

■モミジの池
 谷間を下るにつれて,山道もシッカリしてくる.途中,2回吉沢川を徒渉してから,谷を高巻きする場所を通過する.そして,12時01分,モミジに囲まれた小さな池に到着する.この池を仮にモミジ池と命名することにしよう.
 川の流れが変わってか,数年前に比較すると,この池も大分小さくなってしまった.でも,モミジ池を見ていると,何となく心が洗われるような気分になる.
 池の畔で小休止.休憩を取りながら,
 “さて,ここからどの道を通ろうか・・・”
と密かに思案し続ける.


<モミジの池>

■集合写真
 とりあえずは,折角の集まりなので,モミジの池の畔で集合写真を撮る.全員の了承を得て,この写真をブログに掲載する.参加者の皆さん.この写真をプリントして配ることはしないので,必要な人は,このブログの写真をプリントして欲しい.
 “写真にFHが写っていないって・・!”
 そんなの当たり前でしょう.だって,FHがカメラのシャッターを押しているんだから・・・

<池の畔で集合写真>

<鎌倉霊園から十二所神社へ>

■招かざる客
 池からの経路をあれこれ考えたが,結局,吉沢川の左岸から鉄塔道を登って鎌倉霊園に出ることにする.でも,霊園の方々にとっては,私達のようなハイカーは招かざる客である.そのことを十分承知の上で,極力迷惑を掛けないように皆さんに注意をする.
 モミジの池から,ほんの少し往路を戻ってから,急な階段を数分登って,権兵衛山脈の尾根道にでる.そして,この尾根道を南に向かう.木の間から広大な霊園が見え隠れする.素晴らしい散策路である.
 尾根道は一旦下り坂になり,霊園の端にある鉄塔近くに下山する.

■権兵衛山を登り返す
 再び尾根の続きにある権兵衛山に登る,多少藪っぽい道を,ほんの5分も登ると山頂に到着する.そこから先は,落ち葉が降り積もった急な下り坂になる.しかも落ち葉の下に濡れた鎌倉石の岩肌が隠れているので,結構滑りやすい.
 一同にお互いの間を空けて,慎重に下りるように注意を促す.特に十二所神社直ぐ近くの下り坂が滑りやすい.

<十二所神社直近の下り>

十二所神社
 12時42分,十二所神社に到着する.
 神社の境内を借りて,遅めの昼食を摂ることにする.座る前に注意をしないと,すぐに境内一杯にばらばらと広がって座るので,
 「ここには,ときどき参拝者が来られます・・・その方々に不快に思われないように,一箇所にに集まって食事をしましょう」
と注意する.注意をしながら,なんでこんな子供相手のような注意をしなければならないんだろうと悲しくなる.
 また愚痴になるが,私と同年代の方々だと,こんな注意をしなくても,他人に対する配慮ができるんだが・・・
 “ああ,また愚痴になってしまった.愚痴ばかり言うから,私は疎まれるんだ・・・”
と自己批判する.

<十二所神社>

■ささやかな昼食
 今日は頼みの野菜漬物さんが居られない.だから,自分でコンビニで仕入れてきたささやかな昼食である.それに100円ショップで買ってきたミッキーマウスの敷物だ.
 それでも,大変美味しく頂戴する.
 “ちょっとハイカロリーかな・・・?”

<ささやかな昼食>

<十二所果樹園へ>

■梶原大刀洗
 昼食を終えて,13時15分,十二所神社を出発する.
 13時27分,梶原大刀洗水に到着する.何時の間にか「大刀洗水」の案内板が作られている.
 大刀洗水を通過して間もなく朝夷奈切通入口に到着する.今日は切通の方へは行かずに直進して,十二所果樹園に向かう.

<梶原大刀洗水>

■十二所果樹園に到着
 だらだらと長い上り勾配の道を歩く.この辺りは人通りもないので,多少道一杯になって歩いても敢えて注意することもない.
 十二所果樹園までは結構な坂道だが,一同お喋りをしているので急坂も苦にならないようである.そして,13時41分,十二所果樹園入り口に到着する.

<十二所果樹園入口>

■展望台で一休み
 果樹園の中を鎌倉市と逗子市の市境尾根まで登る.そこから枝尾根を北へ150メートルほど歩くと展望台に到着する.
 私達の他に誰も居ないので,展望台の一角を占領して休憩を取る.
 何人かの方々から,沢山の菓子類の差し入れがある.
 東京湾からの風が吹き抜けるので,少々寒い.
 どなたかが,電車の中で若い人に席を譲られたと憤慨する.
 「オレはまだそんなに年寄りではないぞ・・・」
ということで,断固,断ったという.また,“愚痴のFH”がエラソーに口を挟む.
 「そりゃ~ぁ・・・良くないですよ.“善行”って言って他人に対して良い行いをすると同時に,他人から受ける良い行いは“にっこり”笑って受けなきゃダメですよ.”ありがとう”ってにっこり言って座らなければ・・・あなたが座ることによって,席を譲った人もハッピーになれるんですよ・・・」
と田舎の寺の坊さんから伺った話をそのまま受け売りする.ちなみに私は信心の浅い形だけの臨済宗徒である.
 そんなエラソーなことを言いながら,私も席を譲られると,反射的に断りたくなるから,言行不一致である.
 “・・ん,なら,エラソーなこと言うな”
と私の心の中に巣喰っているもう一人の私に叱られる.
 “はい,はい,・・ご尤も.以後,注意します”

<十二所果樹園の展望台で一休み>

展望台からの素晴らしい眺望
 この展望台からの眺望は実に素晴らしい.西を見ると鎌倉市内の先に相模湾が見えている.反対側の東を見ると東京湾を挟んで千葉の陸地が見えている.
 私の独断で評価すれば,ここが鎌倉市内で一番眺望が良い場所だと思っている.

<相模湾側の眺望>


<東京湾側の眺望>


<市境尾根から光触寺へ下る>

■分かりにくい分岐
 休憩を終えて,14時頃展望台から出発する.
 暫くの間,鎌倉と逗子の市境尾根に沿って,南西の方向に歩き続ける.
 途中から藪っぽい道に入るが,この入口には標識はないので,注意深く見ていないとついつい見逃してしまう・・・が,何時の間にか近くの木の高い所に青ペンキで矢印が書いてある.
 この藪っぽい道を辿ると,光触寺の裏手に下山できる.知る人ぞ知る素晴らしい道である.
 この道は少々藪だが,5分ほどは尾根沿いの長閑な下り坂が続く.しかしそこを過ぎて山麓を下りはじめると,急にりやすくなる.女性群は,一寸滑ると,
 「きゃぁ~っ!」
と大声を出す.
 滑ったときと,ヘビに出会ったときに,「きゃぁ~っ!」と大声を出すのは,一般の女性の特性かな.まあ,仕方がないことだが,それにしても賑やかである.
 14時25分,予定通り光触寺裏手に下山する.

<光触寺裏手に下山する>

■光触寺
 14時29分,光触寺に到着する.ここで参拝を兼ねて休憩を取る.
 光触寺と言えば一遍上人像,塩嘗地蔵,それに頬焼阿弥陀である.頬焼阿弥陀は直ぐには拝見できないが,一遍上人と塩嘗地蔵はジックリと拝見する.
 
<一遍上人像>                                 <塩嘗地蔵>

<明王院・関場跡を経由して鎌倉駅へ>

■裏道を辿る
 光触寺から鎌倉駅までは,自動車を避けてなるべく裏道を通ることにする.
 まずは,裏道を通って,14時44分に明王院前を通過する.
 鎌倉公方御所跡辺りから,ふたたび裏道に入る.山沿いの紅葉が夕日を浴びて綺麗に輝いている.
 裏道は最後に杉本観音の手前で,金沢街道に突き当たって終わる.
 
<明王院>                                   <紅葉が美しい裏通り>

■杉本観音
 15時09分,杉本観音の前を通過する.
 このまま近道を歩くと,15時40分頃,鎌倉駅に着いてしまう.それでは一寸早すぎるので,静かな裏道を通ることにする.
 度々注意しないと,皆さんはすぐに道一杯に広がってしまう.このだらしなさが戦時中育ちの私には耐えられない・・・とにかく他人に迷惑を掛けたくない.
 「右側1列になって・・・」
と繰り返し,繰り返し注意する.

<杉本観音>

関取場から宝戒寺へ
 杉本観音の前を通り過ぎて,第二小学校の角で右折し,再び路地に入る.そして,15時18分,関取場跡で再び金沢街道に合流する.そして,暫くの間,金沢街道に沿って歩く.
 15時27分,宝戒寺の前を通過する.
 
<関取場跡>                                 <宝戒寺>

■宇津宮稲荷大明神
 宝戒寺を通り過ぎたところから,再び路地に入る.ここでも,
 “右側一列になって・・・”
を繰り返す.
 15時36分,宇津宮稲荷大明神前を通過.そして若宮大路を横断して,小町通りに入る.小町通りは相変わらず観光客で賑わっている.

<宇津宮稲荷大明神>

<鎌倉駅前で解散>

■鎌倉駅前に到着
 15時43分,鎌倉駅前(正確には小町通り入口)に到着する.
 こうして,凝り性の私が計画した”鎌倉市内一筆書きルート”約13キロメートルを完歩することができた.
 ここで幹事長のNさんからご挨拶があって解散.次回は1月,沼津アルプス縦走になりそうである.2年ぶりの沼津アルプスだ.今から楽しみである.きっと,ミカンが美味しいだろうな.

<鎌倉駅前で解散>

■小町通り「モア」でコーヒー
 アルコール組と喫茶組に分かれて懇親会を開催することになる.
 アルコールは積極的には飲みたくない私は,喫茶組になる.喫茶組はたまたま女性4人と私だけ.男性が居ないので一寸寂しいが仕方がない.
 予約なしで小町通り「モア」に入る.顔なじみのウエイトレスは本日不在.
 私は何時ものように,400円也のコーヒーを所望する.

<「モア」のコーヒー>

■バスで帰宅
 16時40分頃,私一人だけ先に帰らせて貰う.実は鎌倉市役所前16時50分発鎌倉中央公園行のバスに乗りたいからである.
 バスは珍しく遅れることなしに定刻に発車する.乗り合わせた乗客はほんの数名.空いている.今日は休日.夕方は渋滞するはずなのに,案外スイスイ.17時05分に鎌倉中央公園入口に到着する.
 家に帰ると孫娘が来ている.2~3日,じいさんばあさんの家に泊まっていくという.嬉しいことである.孫娘と言っても,もう高校生だが・・・でも“番茶も出ばな”.老夫婦二人の中に若いのが一人加わると,それだけで辺がパッと明るくなる.若い人が発散する“若素”って凄いなとつくづく思う.
 それに,家内の手料理も,孫娘が居ると,一層,手が込んでくる.豪華になる.私も内心で,
 “シメ,シメ・・・孫のお陰で旨いものが食えるぞ・・・”
とニタニタ.
 …で,孫大歓迎である.
 さて,明日は年賀状作りで1日潰れそうである.余談だが,そうなると,塔ノ岳に登るのは,水曜日までお預けだな.今年中に塔ノ岳に65回は登りたいなと思っているが,一寸ビミョ~だ.
 でもまあ,今日一日,沢山の知り合いと楽しく大過なく過ごせたことに感謝,感謝である.

<ラップタイム>

 9:35  歩き出し
 9:50  鶴岡八幡宮
10:15  鎌倉宮
10:37  獅子舞入口
11:01  天園展望台
11:15  番場ヶ谷入口
12:01  モミジ池
12:19  鎌倉霊園
12:25  鎌倉霊園休憩所(12:35まで休憩)
12:42  十二所神社(13:15まで昼食)
13:26  大刀洗水
13:41  十二所果樹園
13:51  果樹園展望台
14:29  光則寺(14:33まで休憩)
14:44  明王院
15:18  関場跡
15:27  宝戒寺
15:36  宇津宮稲荷
15:43  鎌倉駅前(解散)

 [散策記録]

■水平歩行距離    13.4km

■累積登攀高度    485m

■累積下降高度    485m

■所要時間(休憩時間込み)
  鎌倉駅発     9:35
    〃 着     15:43
 (所要時間)    6時間08分(6.13h)
 水平歩行速度  13.4km/6.13h=2.18km/h
                              (おわり)

「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0df242be6a4af1c71a95932fbe470bf0
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/763f88779411fa768e3e01ce5f53d97a



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