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韓国歴史ドラマ、気になる話 その1

2008年08月09日 | 歴史・気になる話
韓国ドラマ、それも時代物は歴史上の実在の人物を題材にしているので、特に面白い。
今、流れている放送やビデオの中で、私なりに面白いと思う順にあげると次のようになる。

1位.朱蒙(チュモン)
高句麗建国の祖”朱蒙”、有名なこの王の伝説をあらかじめ読んでおくと、ドラマが一層面白い。
主役朱蒙を演ずるのはソン・イルグクで、「キム尚宮」や「張禧嬪」で存在感のある尚宮役を演じていたキム・ウルドンの息子。
ソソノ役のハン・ヘジンは、現代ドラマで一ニを争うほど面白かった「英雄時代」での主役チョ・インビョの妹役で、まだ初々しい感じで出ていた。
太子の座とソソノの愛を巡り、朱蒙と対立する扶余(プヨ)の第一王子をキム・スンスが憎さ百倍。
ユファ(オ・ヨンス)は勇士ヘモスとの間に身ごもった朱蒙を出産するが、やがてクムワ王の側室となる。
 
 

2位.商道(サンド)
これは”朝鮮最高の大商人”といわれた実在の人物、イム・サンオクの生涯を描いているが、サラリーマンの処世術を勉強するには最適のドラマ。
サンオクに思いを寄せる三人の女性達(演ずるのは順に、キム・ヒョンジュ、キム・ユミ、ホン・ウニ)の微妙な心の動きが面白い。
このドラマ、韓国ではそれほど人気が上がらなかったらしいが、私には最高に面白いドラマのひとつに思える。
   

3位.海神(へシン)
統一新羅の時代、海上帝国を夢みた張保皐(チャン・ボゴ)の英雄伝、一番好きな俳優、主役のチェ・スジョンがアガシ(お嬢様)と呼んで、一途に彼女を慕う姿が何とも切ない。
スエ演ずる貴族の娘チョンファは、気品ある美しさで主役男性二人の心を虜にする。
チャン・ボゴの宿敵ヨムジャンを演ずるのは、あの「朱蒙」で一躍有名になったソン・イルグク。
現代ドラマでは美しい容姿で主役を張るチェ・シラ、ここでは憎らしさ極まるジャミ夫人を演じる。
  
 

4位.許浚(ホジュン)
朝鮮王朝時代の有名な医書「東医宝鑑」を書いた人の話で、今でもこの本は医療に役立っていると言う。
ホジュン役を演ずるチョン・グァンリョルは、「朱蒙」や「張禧嬪」での王様役、そして「英雄時代」では、チョ・インビョと主役を張り合っている。
無実の罪で王宮を追放された両班(ヤンパン)の娘ダヒ(ホン・チュンミン)は、ホジュンに心を寄せついに思いを遂げる。
妻子あるホジュンを、死ぬまで独り身のまま慕い続ける悲しい役イェジンを、韓国で嫁にしたい女優の上位だったファン・スジョンが演じている。
2人の王子の育成をホジュンに託す恭嬪役のパク・チュミは、韓国でも美人として名高い女優だがなぜかヒット作が出ていない。
  
 

5位.薯童謡(ソドンヨ)
韓国で初めて作られたといわれる郷歌をベースに、百済の王(武王)の波乱の生涯を描く。
愛称ソドンは「長芋を売る子」の意味、正式名はチャン(チェ・ヒョンジェ)で百済威徳王の四男だが、父を知らず育つ。
宿敵サテッキル(リュ・ジン)との葛藤がすざましい。
イ・ボヨン演ずる善花(ソンファ)姫は新羅真平王の三女で、幼いころ運命的に出会ったチャンを“ソドン”の愛称で呼ぶ。
十数年後に再会し愛し合い、姫の身分と国を捨てようとする。
チャンの産みの母(イ・イルファ)の踊りは、見まごうばかりに美しく、通りかかった王の心を惑わす。
チャンが身を置いた百済の技術者集団(太学舎)の人達の演技が、とても上手なのに感心する。
  
 

6位.チャングムの誓い
NHKで放送され大ヒットしたので、韓国ドラマが好きな人なら一度はどこかで見ているはず。
料理人から王の主治医にとなった実在した女性の物語で、韓国の王宮料理や医術のことを良く知ることが出来る。
陰ながら見守り、窮地に陥るチャングム(イ・ヨンエ)をいつも助けるミン・ジョンホン(チ・ジニ)、女性ファンならぐっと胸を締め付けられるはず。
帽子に飾り紐を下げるのは、官職の中でも地位が高くないと許されなかったらしい。
イ・ビョンフン監督のドラマ(「商道」、「許浚」、「薯童謡」、「チャングムの誓い」)はどれも面白い。
 
 

7位.黄真伊(ファン・ジニ)
これは本当に画像と音楽が美しい作品で、衣装、踊り、自然の景色、そして音楽も見事としか言いようが無い。
ファン・ジニ(ハ・ジウォン)はチャングムと同じ頃の朝鮮王朝時代の実在人物で、妓生でありながら当代を代表する詩人、そして音楽を愛した芸術家だった。
初恋相手ウノ(ソン・グンソク)は両班(ヤンバン)の身分を捨てる覚悟で彼女との愛を貫こうとするが、尋常とは思えない母親の猛反対と妨害にあう。
ファン・ジニに心を惹かれるハン・ジョンハン(キム・ジェウォン)の、高潔純粋な姿はドラマだから有得るのかも。
ジニとの舞の競い相手プヨン(ワン・ビンナ)は、目的とする女楽の行首になるために手段を選ばず画策に走る。
  
 

8位.キム尚宮
朝鮮王朝第15代クァンヘ王の後ろ盾として、陰謀術策をつくすキム尚宮を演ずるイ・ヨンエの悪役ぶりが見もの、あのチャングムとは目つきからして違う。
この頃に起きた文禄の役(韓国では壬申倭乱)に対するクアンヘ王の歴史考察もしっかりとしており、信頼のおけるドラマ作りとなっている。
 

9位.大祚栄(テジョヨン)
高句麗滅亡後、渤海国を建てたテジョヨンの物語、唐との戦闘シーンは迫力がある。
男から見てもテジョヨンを演ずるチェ・スジョンは、何時見ても男らしく頼もしく、ポギャン王の姪スギョン(ソン・スヒョン)が、彼を思い続けるわけが良くわかる。
テジョヨンを徹底的に敵視するイ・ヘゴ役のチョン・ボソクは、「商道」でもそうだったが、何故かどのドラマでも悪役ばかりを演じる。
「張禧嬪」では気の優しい側室を演じていたパク・イェジン、ここではずいぶん気の強い契丹国王の娘チョリンの役回り。
  
 

10位.張禧嬪(チャン・ヒビン)
こちらは、生来の美貌で王を虜にした”史上最高の悪女”の話、朝鮮王第19代粛宗の側室だった彼女(キム・ヘス)と、敵対する女たちの壮絶な争いがこんなに凄いものとは。
 

番外:大王四神記
高句麗第19代好太王(広開土王)の英雄伝。
四神とは、青龍(春・東・青)、朱雀(夏・南・赤)、白虎(秋・西・白)、玄武(冬・北・黒)のこと。
若者向けのグラフィック画像と必要以上に流れる音楽が、どうも私の好みに合わずドラマを途中で放り投げてしまったので、詳しいコメントは遠慮する。


気になる話:その1
ドラマの中で女性が立ち膝で座る場面に良く出くわすが、チマチョゴリが良く引き立つようにする為と言うのが理由らしい、ただ気になることがひとつある。
海老名市に相模国分寺の焼失にまつわる「尼の泣き水」という伝説があり、その供養碑・如意輪観音像の座り方を見ると、ドラマの女性の座り方とそっくりなのに驚く。
日本の古代史は韓国の文化と繋がりが多いので、これもその一例かもしれない。
そういう思いで、ドラマを見るとまた別の面白さが出てくるから不思議だ。
 

気になる話:その2
ドラマの中で、喪に服するシーンが良く出てくるが、その人達の姿を見ると、みんな頭に四枚の紙垂(しで)を付けた注連縄をしている。
神社(有鹿神社)を訪れて拝殿の注連縄を見ると、紙垂の数はこれも四枚。
何か関係があると思うのは素人の勘繰りかもしれないが、勝手に考えることが出来るのが歴史の面白いところ。
 

気になる話:その3
七支刀は、大王家に仕えた古代の豪族物部氏の武器庫であったとされる石上神宮に伝えられてきた鉄剣。
これは、百済の近肖古王24年(369年)<日本書紀:神功49年>に、近肖古王が諸候王の一人(倭の王)に下賜したものではないかと私は思っている。
「薯童謡」の一シーンがこの刀の使い道を教えてくれたのが面白い。
モンナス博士がサテッキルに博士の位を授ける七支の儀式、捧げられた七支刀を手にサテッキルが「三韓の知恵を与えよう、天を知れ・・三韓の技術を与えよう、大地を拓け・・三韓の文化を与えよう、海をあやつれ・・それが我が連盟体、三韓の精神なり」と唱える。
ひとつ不可解だった歴史の謎が解けたような気がして、この事を誰かに話して聞かせたい思いがする。
 

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