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枕詞 青丹よし

2011-01-26 22:19:55 | 大和し、うるわし
   青丹よし 奈良のみやこは 咲く花の
          匂うがごとく 今さかりなり  (小野 老)

これは4500余といわれる万葉集のなかでも特にひとびとに親しまれた美しい歌で、奈良時代大伴旅人の供をして大宰府へ赴いた小野老(おのの おい)が都を懐かしく想い詠んだとされている。この出だしの「青丹よし」が(奈良)にかかる枕詞である。このように枕詞は歌の初めに来ることが多いから、歌の技法上での「序詞」である、と古くから言われてきた、また古朝鮮語に由来するとも。といろいろの説があるが、筆者はそれよりも「地名や人名へのオマージュ(賛辞)が定着して出来た詩句である」(折口信夫 説)というほうを採りたい。この稿では暫くの間、万葉集における「枕詞」をとりあげて、その意味や歴史的背景などを探ってゆこうと思っています。


   ところで、「青丹よし」とは、その言葉の由来は?

   奈良は昔から青土(あおに)が多く取れる(般若坂付近という)というのがその語源だというのが有力な説であるが、筆者は寧ろ薬師寺の僧が言ったと伝えられる「青い格子窓と赤い柱」で作られた美しい奈良の都の建物(お寺)のイメージから出来た言葉だというほうが魅力的である。
この「あおによし」を含む詩は万葉集には沢山あるが、次の歌はいみじくも当時の奈良の交通事情をよく示している。

   あをによし 奈良の大道(おほち)は行き良けど
                  この山道は 行き悪しきかり (巻第十五 3751)

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