(仁徳天皇陵)=通称
先ごろ両陛下がご自身の陵墓について、「より簡素にするように」とのご意向が
公にされた。 従来の土葬から火葬へ、棺を覆うマウンドはより小さくとのご希望
である。
この報道から「奈良の古墳:天皇陵」を採りあげて見ようと思ひたった。
「古墳」とはご承知のように日本古代人の「お墓」のことを言い、東北から九州までの
間に6万基~10万基あるといわれる。
なかでも所謂「天皇陵」といわれる墳墓はその代表的なものとされている。
著名なものに「仁徳天皇陵」がある。長さ 486m、高さ34mもある日本最大の
古墳であることはご承知の通りだ。(但しこの古墳が別名「大仙古墳」と呼ばれることに
ついては別の機会に述べる)、
ただ、この御陵は河内(今の堺市)にあり、百舌鳥耳原’モズミミハラ)古墳群の中核的
存在として履中、反正陵などの巨大古墳をひきつれている。
しかし、奈良にある天皇陵はこの河内の古墳より古い御陵が多い。
たとえば垂仁天皇陵、景行天皇陵などである。
これは大和のほうが河内よりも先に都が置かれれ、天皇のご住居の多くがが現在の奈良県
南部を中心ににあったからである。
それらの天皇陵の殆どが日本の古墳を代表する所謂「前方後円墳」であることが
著しい特色である。(明治以降の明治、大正、昭和天皇陵と比べてみられよ)
次回からは奈良にあるこの「前方後円古墳」を逐次採りあげてゆこうと思う。