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島根県庁林業課林業普及スタッフからのお知らせ

林業普及指導職員全体研修

2015年10月07日 | 森林・林業関係の情報

 島根県では、現在34名の林業普及員(ほか6名の主任、主任技師、技師も普及活動従事)が、各地で循環型林業の確立に向けて活動しています。

 林業普及員等は、平素から自己研鑽に取り組み、多様化・高度化する課題に迅速に粘り強く取り組んでいかなければなりません。

 今回はこうした高度化・多様化する課題の対応方策等について、林業普及員全員を対象に研修を実施しました。

 農林水産部次長の開会の挨拶の後、林業普及員活動報告として、西部農林振興センター益田事務所の山田主任技師から「製材所聞き取り調査結果を今後の普及活動へ活かしていくために」と題して発表を行っていただきました。

発表する山田主任技師

 内容は、県産材製品の需要拡大や安定供給のため、管内の製材所への聞き取り調査による実態把握に基づき、新たに求められる支援・仕組みづくりを検討し、課題解決に向けて普及活動に取り組んでいる状況発表でした。

 本内容は、平成27年度林業普及指導職員中国四国ブロックシンポジウムで、島根県代表として発表されます。

 続いては、「木造建築への県産材利用の試みと方向性」と題して、「しまね木造塾」塾長の村上修二氏(雲南市 村上建築設計事務所所長)による講演を聴講しました。

 「しまね木造塾」は平成19年度に、木造建築や木材に関する技術や知識の習得による木造建築の設計技術力向上を目的として立ち上げられた組織です。

 講師からは多くの県産材活用事例の紹介や、これからの方向性など、知見に富んだ大変貴重な御講演を賜り、普及員も大変参考になったことと思います。 

 村上氏の講演聴講者は林業普及員以外の参加者も含め約70人と満席となりました。

 最後に、どんな木材製品を設計士は求めるのかとの質問に対し、「私が選ぶ基準は、価格と品質の確かなもの」との明快な回答がありました。

 2日目は中山間地域研究センター研究成果報告会と題して、最新の研究状況を研修しました。

 全部で5つの報告があり、どれもタイムリーな内容でした。

 資源環境科の冨川専門研究員からは「県オリジナルきのこ種菌の開発」についての報告がありました。

 また、木材利用科の片岡研究員からは「太陽熱とヒートポンプを熱源とした木材乾燥技術の開発」についての報告がありました。

 この研究で開発された、通称「エコ乾燥機」については、すぐにでも現場で導入できる段階にあり、木材乾燥の低コスト化を切望する製材所等に普及していく必要があります。

 その他にも、「未利用木質資源の利活用」について資源環境科の西専門研究員、「中国山地でのニホンジカの生息実態と今後の対策」について鳥獣対策科の金森科長、「コンテナ苗による再造林コスト削減の試み」について森林保護育成科の陶山専門研究員からそれぞれ報告がありました。

試験研究成果の現場への技術普及は、普及員の重点活動事項です。

循環型林業の確立を目指し、今後も試験研究機関と連携して取り組むことが必要です。

それぞれの講演・報告等の詳しい内容は記載しませんでしたが、詳しい内容が必要な場合は、普及スタッフや中山間地域研究センターまでお問い合わせ下さい。

以上全体研修の概況でした。

 



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