平成27年11月23日(祝)島根県中山間地域研究センターにおいて、匹見・縄文の森協議会が企画し、島根県林業研究グループ連絡協議会主催で研修会が開催されました。
木質バイオマス資源の有効活用を図るため、県内の市町では未利用材の搬出助成が実施されています。その制度を利用し、自力で木材を搬出している林研メンバーも多く、その方々を対象として、搬出作業時の安全確保と技術力の向上を目指し研修会が開催されました。
研修には、ツリークライミングや特殊伐採などを実際に行われ、かつ、その技術を指導されている木下 啓氏(アウトドアショップK代表取締役)をメイン講師に迎え、各種器具の使用方法や安全で効率的な搬出技術を学びました。また、伐採に関しては林業女子の先駆者である 中島 彩氏(有限会社ウッズ)を招き、安全な伐倒技術について指導を受けました。
開講式 左:中島氏、中:高濱氏(縄文の森協議会)、右:木下氏
座学では木下氏が取り組まれている、特殊伐採作業をDVDで見て、参加者一同、感動していました。
その後、林業女子の第一人者である中島氏から安全な伐倒技術について説明がありました。
伐倒において重要なのは、受け口づくりであり、そのポイントは5つある。一つ目は、方向。あとの4つは皆さんも考えて見て下さい。
参加者一同、中島氏の話をしっかり聞いていました。
つづいて、現場においてロープワークや搬出に必要な器具についての説明がありました。これらの器具はヨットなどの帆船で使用される器具であること聞き、一同驚いていました。
実際に立木を伐倒し、搬出することになり、中島氏の伐倒作業を見学し、伐倒後に伐根(伐倒した木の根株)を見ながら、解説を聞きました。
伐倒木のヒノキは0.9トン(推定)あり、PCウインチで搬出することとしましたが、2倍力では少し重く、倍力を替えてトライしました。
搬出木の向きを変えるための「片持ち式滑車」
搬出木の方向を制御するのに使用した「リギング」
ついに登場、「5倍力滑車」この滑車のけん引力には参加者一同、感動していました。
伐倒木にけん引ロープ等をかける際に使用するスローラインを投げる練習も行いました。
スローラインをけん引用ロープに入れ替える作業
けん引ロープに滑車をつけ、2倍力で引っ張れるようにするデモも見学しました。
閉講式では参加者から、「効率的かつ安全に作業するうえで、ロープワークなど多くの技術(引き出し)を身に付けておくべきであることの重要性を痛感した」などの感想がありました。
県林研連絡協議会では、林研グループメンバーの技術力向上を目指し、計画的に研修会を開催する方針です。
参加者の記念写真 参加者一同、すがすがしい笑顔でした。