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島根県庁林業課林業普及スタッフからのお知らせ

林業普及員のチェーンソー研修

2015年08月05日 | 森林・林業関係の情報

平成27年度林業普及員専門研修で計画しました労働安全研修を平成27年7月29日・30日に島根県中山間地域研究センターにおいて実施しました。

 県内では人工林の成熟化に伴い主伐等伐採事業が増加し、それにともない森林組合や林業事業体等の現場作業員への安全指導が喫緊の課題となっています。そこで、関係機関とともに、労働安全指導を確実に行うため、林業普及員自身が安全なチェーンソーワークを習得しておく必要があり、今回の研修を実施しました。

 講師には、「安全なチェーンソーワーク」について全国屈指の指導者である石垣正喜氏を迎え、理論に基づいた指導を受けました。 2日間とも30度を超す猛暑でしたが、全員の集中力は途切れることなく、参加者全員、石垣氏の指導を熱心に受講していました。

 研修開始にあたり、安全なチェーンソーワークの必要性について講義を受けました。伐倒作業を行ううえで、伐倒木をコントロールすることの重要性、基礎となる技術を正しく習得しなければ応用は実践できない(=応用とは基礎の組み合わせである)ことなどについて詳しく話をくことが出来ました。

 

  つづいて、目立て方法について指導を受けました。石垣氏の技術指導方針は、人間工学に裏付けられ、論理的に説明されるので、これまで何となく聞いていたことも、明確に理解でき、霧が晴れるような感じであったと参加者からは好評でした。

 一生懸命に目立て実習に取り組む参加者。

腕だけで保持するチェーンソーフォームから体を上手く使って保持するフォームを習いました。

 

丸太切りを行う場合でもチェーンソーの刃が自分の正面に来ないよう、構える基礎フォームについて指導を受けました。

参加者は石垣氏のかっこいいフォームに感動を受けていました。

早速、指導を受け、丸太切りを実施しました。研修前とは大きく異なる安全でしかも美しいフォームです。

キックバックしても刃先は作業者の正面には飛んで来ません。

振動障害の発生原因とその対策についても講義を受けました。

振動障害対策として

・切れるチェーンソーであること。何をおいても目立てが最重要。

・腕だけ支えず、体を上手く使いチェーンソーを保持する。

・防振装置のチェック、防振グッズの活用。

など説明がありました。

受け口づくりの重要性とそのつくり方のポイントについて指導を受けました。

「受け口の方向に木は倒れる。正しい受け口をつくる技術を習得し、指導することが重要。受け口方向が間違い、かかり木が発生するとその後の処理時間が増え、効率が悪くなるとともに、処理方法を間違うと災害が発生する。」(石垣氏)

受け口づくりの指導を受ける参加者。

追いづる切りの指導を受ける参加者。

研修の最後に石垣氏から

「基本的な技術は一度には身につかない。まずは毎日目立てフォームやチェーンソーフォームを練習し、身に付けてほしい。建物もそうであるが、基本がきっちり固まっていないと傾いたり、倒れたりする。要するに事故や災害に巻き込まれる。林業普及員として指導すべき立場にある人は、間違った技術が継承されないよう、自ら安全なチェーンソーワークの習得に励んで頂きたい。」と激励の言葉がありました。

参加者からは非常に勉強になったとの感想が多く、今後も技術習得を確実にするための反復学習として、フォローアップの研修を実施してほしいとの要望もありました。

研修参加者の感想として、林業普及ブログの「益田森林・林業普及情報」にもコメントが掲載されていますのでご覧下さい。

 



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