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Edyの矛盾

2006年05月07日 | 雑談
さんざんEdyを利用しておきながら書くのも変な話ではあるが、Edyの仕組みは金融の枠組みとは相容れないものである。とはいえ実際には金融の構成メンバーになっており、そのために矛盾が生じている。矛盾点を逆手に利用すれば従来の常識では考えられなかった利益が得られる。Edyは以下の仕組みを同時に備えたので矛盾が発生した。

(1)クレジットカードでチャージ(入金)できること
(2)利用範囲の制限が事実上ないこと
(3)利用額の制限が事実上ないこと

どれか一つが欠けていたら何も問題はなかった。世の中の商品代金や役務の提供代金はその多くがクレジットカードで支払えるように(1)Edyがクレジットカードで入金できても問題はない。ところがEdyは通常の商品や役務と違って(2)利用範囲の制限が事実上ない。例えば金融サービスの入金処理までコンビニの店頭支払いという形式でできてしまうのだ。

一般的な商品代金や役務の提供代金というものは割と大きな粗利を含んでいる。小売店が10~20%のマージンを乗せているのは当たり前で、中には50%以上の粗利を得られるものだってある。ところが金融サービスのほとんどは入金処理にそんなマージンがない。多くは1回の手続きで数十円とか百円程度の手数料を織り込んでいるだけだ。

それでも(3)利用額の制限について、上限1万~2万円程度に抑えられていれば決定的な矛盾は避けられた。ようやくEdyも去年の末頃から上限25万円という制限を掛け始めたが、金融サービスの入金処理にまで使えることを考えると大き過ぎる。

なぜここまで矛盾を含んでいるのか。Edyは装置産業なのである。Edyの決済システム(装置)を最初に構築する必要があった。大きな投資が伴うので構築した装置は稼働させなければならない。ところ数十年にわたってコツコツと利用者を増やしてきたクレジットカードとは違って、Edyを知る人は少ないし使う人はもっと少ない。カードの非接触決済という便利さはあるかも知れないが、逆に言えば分かりにくく不安を持つ人も多いはず。クレジットカードだってサインレスで使える時代となってはEdyの非接触決済にそれほど優位性があるとも思えない。だからEdyは決済額を大きく伸ばすための思い切った施策が必要だった。それが上記(2)だったのではないか。

こうした矛盾はEdyにかかわる各方面に押しつけているか、あるいはEdy主催者の資本を食いつぶしているはずだ。未来永劫続くとは思えない。Edyの矛盾点を突いて利益を得るというのは合法であってもマナーを備えた大人がやることではない。やっている人は大人げないのである。


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