平安夢柔話

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氷室冴子著「マイ・ディア」読了

2008-06-23 11:30:22 | 読書日記
 私は、平安時代の歴史や文学が大好きですが、それとは別に外国の家庭小説も大好きです。小学校の高学年から中学生時代は、そうした外国の家庭小説を好んで読んでいました。そして、「赤毛のアン」や「若草物語」や「あしながおじさん」を原書で読むのが夢でした。その夢は結局挫折しましたが、今でも特に、赤毛のアンシリーズ全10巻は大切な愛読書です。

 ところで…、私の好きなこの二つのもの、平安時代と外国の家庭小説を結びつけて下さっていらしたのが、先日逝去された氷室冴子さんだったのです。

 氷室さんは、「なんて素敵にジャパネスク」「ざ・ちぇんじ」といった平安時代を舞台にした少女小説の作者ですが、外国の家庭小説を紹介したエッセー、「マイ・ディア 親愛なる物語(角川文庫)」という本も出しておられます。この本のことは以前から知っていたのですが、絶版ということだったので購入をあきらめていました。ところが先日、氷室さんの逝去を知ったあとに、ネット上で著書を色々検索していて、この本のレビューにも行き当たったのです。レビューを読んで無性に読みたくなりました。だって、外国の家庭小説は私の少女時代の思い出がたくさん詰まっているのですもの。しかも著者はあの氷室さん…。そこで、ネット上の古書店を探し回り、やっと購入できました。そして、あっという間に読んでしまいました。

 この本では、「赤毛のアン」や「秘密の花園」のような有名どころだけでなく、「少女レベッカ」や「若草のいのり」のようなマイナーなものも紹介されていました。でも、だいたいの作品は読んだことがあるので、「そうそう、そんなお話だったのよね」となつかしく、うなずきながら読みました。
 ただ、正編は読んでいるものの続編は未読のもの、抄訳版で読んだために満足し切れていなかったものもいくつか紹介されていましたが…。氷室さんが絶讃していた「リンパロストの乙女」がそうでした。今回初めて知ったのですが、私が読んだ抄訳版、ラストの方のヒロインの恋愛のエピソードを丸ごとカットしてたんですね…。よって私は、ヒロインが最後にどうなるのかを知りません。これはぜひ完訳版を読まなくてはと思いました。

 こうしてみると氷室さん、私と同じようなことに興味がおありだったんだ~」と、何かとても親しみを感じました。逝去されてしまったことが改めて残念に思えます。

 なおこの本は、家庭小説の紹介だけでなく、氷室さんとご両親、・お姉様との暖かいエピソードなども盛り込まれています。文体も氷室さんらしくユーモラスで親しみやすいです。ご興味のある方、手に入りにくいかもしれませんがぜひ手に取ってみて下さいませ。

 ところで最近、私はこの「マイ・ディア」の他にも、行きつけの書店やネット古書店から色々な本を購入してしまいました。では、今月えりかが購入した本&近々購入する予定の本を…。

☆母の慟哭 中島道子著 夏目書房
 信長・秀吉・家康の母の生涯を描いた小説。個人的には、この3人の中では一番波乱に富んだ人生を送ったと思われる家康の母、お大の方に興味があります。

☆末世炎上 諸田玲子著 講談社文庫
 講談社のメールマガジンでタイトルを見て興味を引かれ、ネットで検索していくつかのレビューを見て面白そうだと思い、購入しました。伴善男が失脚した事件、「応天門の変」を、200年後の永承年間(後冷泉朝)の世から描いた平安サスペンス。現在読んでいますが面白いです。

☆アンのゆりかご 村岡恵理著 マガジンハウス
 今年は「赤毛のアン」出版百周年なので、アン関連の出版も目白押しです。源氏物語千年紀の「源氏物語」関連本の出版と共に嬉しい悲鳴を上げています。
 この本は、「赤毛のアン」を初めて日本語に訳なされた村岡花子さんの生涯を、お孫さんに当たる村岡恵理さんがまとめたものです。私が初めて読んだ「赤毛のアン」が村岡花子さん訳だったので、興味を引かれて購入しました。

☆こんにちは、アン (上・下) バッジ・ウィルソン/宇佐川晶子訳 新潮文庫
 「赤毛のアン」以前のアンを描いた小説だそうです。カナダではかなり評判が良かったとか…。アンがグリーンゲイブルスに引き取られる前の日常はかなり不幸だったと思うのですが、やっぱり読んでみたいです。7月1日発売なので、来月になったら本屋さんに走ります。楽しみ♪

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