平安夢柔話

いらっしゃいませ(^^)
管理人えりかの趣味のページ。歴史・平安文学・旅行記・音楽、日常などについて書いています。

つっこみ所はあるけれど面白い! ~「功名が辻」感想

2006-02-28 13:25:29 | 歴史雑記帳
 大河ドラマ「功名が辻」、第7話と8話、2回まとめての感想です。

 前回(第7話)の新右衛門の息子徳次郎のエピソードは、視点がちょっと現代的すぎて無理があるような気がしました。母親の死によって非行に走り、家長である父親に反抗して暴言を吐く……、しかも主君の一豊夫婦の目の前で…。普通ならお手討ちものですよね。
 そして家出をした徳次郎を千代が見つけて一件落着とは…。千代が賢夫人に成長する上での苦悩を描きたかったのでしょうけれど、何かご都合主義のように思えてしまいました。確かに感動的なストーリーではありましたけれど、何か腑に落ちなかったです。やはり私は、「大河ドラマは歴史ドラマ」という観点で観ているようなところが多々あるようです。
 そして、更に欲を言えば……、徳次郎のエピソードを長々とやる時間があったら、信長の上洛の過程をもっと観せて欲しかったです。
 ちなみに、司馬さんの原作では新右衛門は登場しますが、彼の家族は出てきません。なので新右衛門の子沢山のエピソードも、徳次郎の非行のエピソードも、脚本家の大石さんの創作なのかなと思って観ていました。

 今回(第8回)では、前回では「信長のことを父と思うぞ。」と言っていた足利義昭が、信長に反抗しているではありませんか!義昭が明智光秀に向かって、「そなたはいつから信長の家来になったのじゃ!」と詰問しているところは、それをよく表していましたよね。これはかなり唐突でした。

 ところでその光秀に対して義昭は「一条院からわしを救い出してくれたときのそなたの背中のぬくもりが忘れられぬ。」と言っていましたが、これは司馬さんの「国盗り物語」からのエピソードです。
 足利十三代将軍義輝が三好・松永連合軍に攻め滅ぼされたあと、彼らの矛先は奈良の一条院で僧になっていた義輝の弟の義昭に向けられたのでした。その義昭を、光秀や細川藤孝が救い出したのですが、その際光秀は義昭を背中に背負って一条院を脱出した……と、「国盗り物語」では描かれていました。このあたりを回想シーンとして見せるとか、ナレーションで説明するとかしないと、義昭が光秀に対して言った「背中のぬくもりが忘れられぬ。」というせりふの意味が視聴者にはわからないのではないかと、ちょっと心配になってしまいましたが…。

 さて今回は、一豊の見せ場が描かれていましたよね。越前金ヶ崎城の戦いにて、一豊は朝倉方の大将の首をあげたものの顔面にやりを受け、そのやりを吉兵衛が抜いたという場面です。このエピソードはもちろん原作にも出てきますが、功名に命がけになっている一豊や、主従の絆の深さがドラマでもよく描かれていて好感が持てました。色々つっこみ所はあるけれど、「功名が辻」はドラマとして観る分には大変面白いです。何よりも明るいところが良いですね。「これからの一週間を頑張ろう!」という元気も出てきます。徳次郎のエピソードのようなシビアなエピソードに関してはちょっと不安を感じますが、全体的には今後に大いに期待です。

 最後に……、今回私が注目した人物は西田敏行さん演じる徳川家康です。
 何が何でも「信長がどこを攻めるのか」を一豊から聞き出そうとする家康、この狸親父ぶりが良いですね~。家康はやっぱりこうでなくては!!と思ってしまいました。
 そして一豊は後年、この家康と大きな関わりを持つことになるのですが、今回のこの2人の対面はその時の伏線なのでしょうね、きっと…。狸親父の家康と、ばかと言っていいくらい正直な一豊の関わり合いがどのように描かれるか、今からとっても楽しみです。

最近の出来事

2006-02-19 22:18:05 | えりかの平安な日々 04~09
 またまた1週間近くも更新をお休みしてしまいました。でも、ブログを長く続けるためには時にはお休みすることも必要ですよね…。なのでこれからも、時々更新が滞ることもあると思いますが、よろしくお願いいたします。

 さて先週のえりかですが……、15日(水)はなぜかやる気120%、そのうえ体の方もばっちりという、不思議な日でした。朝は部屋を掃除し、そのあとは読書に夢中になり、本を一気に読み終えてしまいました。私は掃除は大嫌いですし、最近は読書になかなか集中できないことが多かったので、このような事は珍しいのです。
 午後からは静岡に行ったのですが、バスもタクシーも使わずあちらこちらを歩き回りました。なのでさすがに疲れてしまいました。

 そして次の日……、前の日に張り切りすぎてしまったのが響き、朝から頭痛と足のしびれで調子が悪く、おまけに何もする気が起こらず、結局1日ぼーっとしていました。やはり張り切りすぎ、頑張りすぎは禁物ですね。そのようなこともあって更新記事も書けなかったのですが…。
 現在は、頭痛も足のしびれもすっかり良くなっています。

 さて本日は、だんなさんと2人で、家から歩いて15分くらいの所にあるレストランにランチを食べに行きました。このレストランはハンバーグがすごくおいしいので、「久しぶりに食べに行こう。」ということになったのです。
 日曜日なので家族連れで込んでいたため、15分くらい待ってようやく席に案内されました。でも待った甲斐があって、注文したハンバーグはとってもおいしかったです。肉汁が口の中で広がり、特製ソースとの味がマッチしていて何とも言えないおいしい味でした。また食べに行きたいです。

 食事が終わった後は、レストランのすぐ近くにあるブックオフに行きました。本やCDが格安の値段で売られていて大感激。永井路子さんの「はじめは駄馬のごとく」という本と、ユーミンとZARDのアルバムCDを1枚ずつ買って値段は2300円!!新品のアルバムCD1枚分にも満たない値段で買えてしまったので得した気分です。こちらにもまた来ようと思っています。

☆これからの更新予定☆
 今週は「系譜あれこれ」を更新する予定なので楽しみにしていて下さいね。
 また、「図書室2」と「歴史人物伝」の更新記事も少しずつ用意しています。ただ、こちらの方はあせらずゆっくり書いていきますのでUPの時期はまだ未定です。
 もちろん、日記「えりかの平安な日々」、雑記「えりかのつれづれなるままに」、「猫のお部屋」は不定期ですが時々更新しますので、こちらもよろしくお願いしますね。

「源氏物語」の現代語訳の本 ~その2

2006-02-14 11:32:46 | 図書室2
 先日の「源氏物語の現代語訳の本 ~その1」の続きということで、本日は残りの2タイトルを紹介させていただきます。


☆新源氏物語 全3巻
 著者・田辺聖子 発行・新潮社
 価格・上巻=660円 中巻=700円 下巻=660円
☆新源氏物語 霧深き宇治の巻 全2巻
 著者・田辺聖子 発行・新潮社 価格・各580円

 この本は、「新源氏物語」で光源氏を主人公にした正編を、「新源氏物語 霧深き宇治の巻」でそれ以降の続編を描いています。

 なお私は、「霧深き宇治の巻」は購入してあるものの未読です。なのでこれから述べるのは、正編の「新源氏物語」のみの感想です。すみません…。宇治編もできるだけ早いうちに読んでみたいですが、その前に正編を再読したいと思っています。

 では、「新源氏物語」の感想を書かせていただきますね。

 一口で言うと、とにかく「面白い」です。面白さは私が読んだ「源氏物語」の現代語訳の中ではNo1です。

 まず、登場人物が生き生きしています。好色だけどその中に優しさと格好良さのある光源氏、気配り上手の紫の上……。幼い夕霧と雲居雁が可愛らしかったです。降嫁したばかりの女三の宮の幼さもとても具体的に描かれていて、目に浮かぶようでした。
 また、末摘花のお兄さんの坊さんの「あっそう」という口癖は笑えましたし、大夫の監や近江の君の方言丸出しの田舎っぽさは、素朴でユーモラスに感じました。

 物語に織り込まれている和歌は手紙形式のようになっており、読んでいてとてもわかりやすかったです。登場人物の会話もとても現代的です。人物一人一人の行動や心の動きも詳細に描き込まれており、読んでいて退屈さを全く感じませんでした。

 しかし、こちらの本にも現代語訳としての難点があるのです。

 まず、「源氏物語」冒頭の「桐壺」の巻が完全にカットされており、この本で読者はいきなり17歳の光源氏と逢わされることになります。「空蝉」巻(田辺訳は実は三巻目の「空蝉」から始まっています。この「空蝉」の巻で「帚木」と「空蝉」の内容が語られます。)の初めの方で「桐壺」巻のストーリーが3ページほどでまとめられていますが、田辺訳で初めて「源氏」に触れる読者は果たして光源氏の複雑な生い立ちを理解できるのだろうかと、ちょっと心配になってきます。田辺さんにはぜひ、「桐壺」巻もユーモラスな文章で訳して欲しかったと、ちょっと残念に思います。

  それと、著者の田辺さんによると思われる創作や書き加えが多いことです。
 例えば、この田辺訳には玉鬘と髭黒大将の最初の逢瀬が描かれています。玉鬘は最初髭黒大将を嫌がって拒否するのですが、次第に彼の優しさに引かれていき、「この人と生涯を供にしよう」と決心するといった、なかなか感動的なシーンです。
 しかし、この部分は原文にはありません。原文では「真木柱」の巻の冒頭で読者は、髭黒大将は弁のおもとという女房の手引きにより、玉鬘の寝床に忍んでしまった。」という事実を突然知らされることとなるのです。

 でも、このあたりは田辺さん独自の「源氏物語」の世界ということで、それはそれで良いのかもしれません。そして私も、そんな田辺さん独自の「源氏物語」の世界を存分に楽しませていただきました。
 とにかく、田辺訳の面白さ、入りやすさは保証しますのでお薦めです。

 なお、この田辺訳には人物関係図や年表は一切ついていません。なので系図や年表のついている「源氏物語」の解説書や、前回紹介した「円地文子の源氏物語」などを参照しながら読むと、更に内容がよくわかると思います。


☆瀬戸内寂聴訳 源氏物語 全10巻
 著者・瀬戸内寂聴 発行・講談社
価格・箱入り=各2650円 真相版=各1365円

 瀬戸内寂聴さんが小説「女人源氏物語」を刊行した後に取り組まれた「源氏物語」の現代語訳の完訳版がこの本です。

 この現代語訳について瀬戸内さんは、「源氏研究」という雑誌の対談で、「書き加えや省略をすることなく、原文に忠実に訳した。」と述べられています。そのため原文に非情に近い訳だと思われます。

 「源氏物語の現代語訳の本 ~その1」でも書きましたが、「源氏物語」は女房の昔語りというスタイルで書かれたものだと言われています。そのことを裏づけるように、瀬戸内さんの訳は「です・ます調」で、「なさいました」「ございました」というような尊敬語も多く、読んでいると「本当に女房の昔語り」というイメージを受けます。そして、難しい言葉を多用することもしていないため、大変わかりやすいです。和歌の現代語訳もすーっと頭に入ってくるような感じで興味深く感じました。最近読んだエッセー「もっと知りたい源氏物語」でも、著者の大塚ひかりさんは「瀬戸内氏の訳は原文への敬意とわかりやすさを感じる」と述べておられますが、私も全く同感です。

 ただ、原文に忠実であるために長ったらしくて退屈さを感じてしまう場面もあります。「帚木」の巻で、光源氏、頭中将、、左馬頭、式部丞の4人が女性についてのあれこれを語り合う「雨夜の品定め」などがその典型です。瀬戸内訳でこの部分を読んだとき、「左馬頭の女性論の話って、こんなに長かったのね!」とびっくりしました。とにかく一人で10分くらいしゃべっているのではないかという感じでしたので…。こうしてみると「源氏物語」というのはやはり古代の物語であり、現代とは多少感覚のずれがあるのかもしれませんね。

 しかし、「源氏物語」の作者紫式部が優れた教養の持ち主であり、宮廷のあらゆる面に通じていたのだということを、瀬戸内訳を読んで痛感しました。
 というのは、「源氏物語」を注意深く読むと、「白氏文集」などの中国の古典、「日本書紀」などの日本の古典からの引用があちらこちらに散りばめられているのです。また、「天徳内裏歌合わせ」や道真左遷などの歴史的事項も物語の中に隠されています。。

 それから、紫式部が生きていた頃の宮廷の行事、風俗、風習、官位制度などもあちらこちらに出てきて、それがとてもリアルに描写されているため、「これって作り物語ではないのかも…」という錯覚さえ受けました。このような錯覚を受けたのは瀬戸内訳だけです。それは、「源氏物語がそれだけ優れた文学作品であることももちろんですが、瀬戸内訳が原文に忠実な訳であるため、1000年前に描かれたすばらしい世界をそっくりそのまま、私たちの目の前に再現して下さったおかげだと思います。

 この瀬戸内訳は、巻末に解説や年表、参考資料もついていますので、初心者の方でも充分楽しめると思います。正統派の「源氏物語」の世界を純粋に楽しみたい方には絶対お薦めの訳です。

☆次回の「図書室2」の 更新は、今回ちょっと触れた大塚ひかりさんのエッセー、「もっと知りたい源氏物語」を紹介したいと思っています。

 

一豊と千代の新婚生活など ~「功名が辻」感想

2006-02-13 17:35:09 | 歴史雑記帳
 大河ドラマ「功名が辻」、第5話と6話、2回分まとめての感想です。

 前回の感想で、「原作は千代と一豊の結婚から始まっているので、これからが本当の原作をもとにしたドラマ」と書きました。

 確かに原作でも、「だんなさまは一国一城の主になるのでございましょう?」というニュアンスのせりふを千代は言っていますが、2人の新婚生活についてはあまり記述されていません。また、千代がねねのために小袖を縫うというエピソードも、すでに秀吉が関白になった頃の話として描かれています。

 それよりも、同じ司馬さんの小説「国盗り物語」からと思われるエピソードが、今回(第6話」には多かったです。
 越前からやってきた明智光秀と対面した信長が、「近う寄れ。」と言うのですが、室町幕府式の作法を重んじる光秀はなかなか近くに寄らなかったため、「そなたは足でも悪くしているのか。」と信長が尋ねましたよね。このシーンは、「国盗り物語」で描かれた信長と光秀の対面の場面そのままでした。
 また、濃姫と光秀の対面の場面、信長が光秀から室町幕府式の作法を習う場面も、も「国盗り物語」にありました。そんなことを考えると、信長を中心とした天下統一の物語は「国盗り物語」の方を参考にしているのかもしれないと感じます。

 一方の千代と一豊の物語はまだ、脚本家のオリジナルの部分が多いと思われます。でも、ストーリー展開や2人の描き方が面白いので満足しています。

 特に千代の明るさが良いですね。何でも前向きに明るく考える千代からは、私も見習うところが多いです。
 そして千代はとてもけなげですよね。新右衛門の家族を呼び寄せたばかりに、苦しくなってしまった家計を助けるために小袖を売ったり、食事を一日おきにするなんて……。でも、そのおかげでおなかがすきすぎて倒れてしまうところがまたいじらしかったりします。
 とにかく今年の大河ドラマは明るくて良いです。来週も楽しみです。

 最後に、前回(第5話)のお市さまのお忍び歩きについて一言…。

 ドラマの中で信長はお市に向かって「そなたはどこにもやらぬ。」と言っていましたが、「信長は美貌のお市を婚姻政策によって最大限に利用するつもりでいたのでは…」とつっこんでいました。浅井長政に嫁ぐというのも、お市が自ら言い出したのではなく、間違いなく信長によって決められたものだと思うのですが…。

 それはともかくとして、「近江のことを知りたい」と思ったお市がお忍びで千代のところにやってきたというのにはびっくりしました。「なるほど、そうやって千代とお市を結びつけたのか」とちょっと納得しましたが、千代が近江に住んでいたのはごく幼いときなのですよね。幼いときに離れた近江のことを、果たして千代は覚えているのでしょうか?
 まあ、ドラマだから仕方がないと思ってそのあたりは目をつぶりましたが…。

 それにしても、「まな板」を「なま板」と言ったり、千代がねねのために作っていた小袖をさっさと持っていったり……、ちょっとわがままでおてんばな「お姫様」という雰囲気が出ていて良かったと思います。「高齢キャストのお市には我慢できない」と思っていたのですが、このシーンで私は、大地真央さんのお市を見直しました。
 これからのお市を巡る悲劇がどのように描かれるか、楽しみになってきました。

 また、小袖をお市に持って行かれてしまったねねの、「お市さまは私の物をみんな持って行ってしまう。」というせりふは意味深に感じました。実際、ねねは後年、秀吉の側室となったお市の娘茶々に苦しめられることになるのですが、何らかの予感を感じていたのかもしれません。

 こんな風に、今年の大河ドラマは登場人物の微妙な心の動きがうまく描かれていると感じます。「義経」もこんな風だったら良かったのに……と、少々残念に思えます。

♪猫、踏んじゃった♪

2006-02-11 00:00:00 | 猫のお部屋
 みなさん、お久しぶりだニャン!

  …というわけで、本日は久しぶりに我が家の小さなエリカの登場です。エリカファンの皆様、長らくお待たせしました~。

 最近のエリカは、とても甘えん坊になっています。

 私がパソコンでインターネットを見たり文章を書いたり本を読んだりしていると、膝の上に乗ってくるのです。そこから机の上に上がり、マウスをいたずらしようとするのです。マウスは確かにねずみの形に似ていますから、猫にとっては気になって気になって仕方がないのかもしれませんが、いたずらされては大変です。変な操作をされたら、画面かめちゃくちゃになってしまいますもの。
 そこで私はエリカをさっと抱き上げ、再び膝の上に乗せるのです。そしてなでなでしてあげます。するとエリカは満足そうにしているのですよね。マウスをいたずらしようとする本当の理由は、「ママになでなでしてもらえるから」なのかもしれません。エリカ、結構頭が良いです。

 エリカが最近、「甘えん坊になっているな」と感じる時はまだまだあります。
 それは、私の行くところにくっついてくるときです。私が台所に行こうとするとついてきますし、寝室に行こうとするとまたまたくっついてきます。しかも私の足にまつわるようにしてしっぽを垂らしたままくっついて来るので、ついしっぽを踏んでしまうことがあります。するとエリカは「ニャー!」と甲高い声で鳴くのです。でも、踏まれたことをすぐ忘れてしまうようで、再びしっぽを垂らしたまま私の足にまつわりつきます。
 普通、猫はしっぽを踏まれると警戒し、再び踏まれないようにとしっぽを丸めて体の中に隠してしまうようですが、エリカは絶対にそうしません。それだけ安心しているということなのでしょうね。

 それに、普通の猫はしっぽを踏まれるとかみついたりひっかいたりしてくるようです。
 ピアノを前にするとつい弾きたくなってしまう「猫、踏んじゃった」の歌にも、「♪猫、踏んじゃった。踏んづけちゃったらひっかいた♪」という歌詞があります。
 でも、エリカはしっぽを踏まれてもただ鳴くだけで、かみついたりひっかいたりしたことは一度もありません。エリカはずっと家で飼われているせいか、野性的な攻撃性がないようです。そこがまたかわいいところなのかもしれません。

 本日の写真は、2日前に撮影した最新の写真です。目をくりくりさせていてかわいいです。エリカのこの格好、私は結構お気に入りなのですよね。


「えりかの平安な日々」カテゴリーで復活!

2006-02-07 14:29:25 | お知らせ・ブログ更新情報
 たびたびで申し訳ありませんが、カテゴリー名の一部を変更させていただきました。それに伴い、「えりかの平安な日々」がカテゴリーで復活することとなりました。

 やはり、1年以上もブログタイトルに使用していた「えりかの平安な日々」には愛着もあり、とてもありがたいことにこの名前を気に入って下さっていた方も何人かいらっしゃいました。とても嬉しかったです…。

 そこで、何とかこの名前をブログ内に残せないか考えた結果、カテゴリーの「えりかの日記帳」を「えりかの平安な日々」に変更することにしました。ついでに、「えりかの雑記帳」も「えりかのつれづれなるままに」という名前に変更しました。

 「えりかの平安な日々」には、これからも私の日常を書いていきます。現在読んでいる本の一言感想や、お出かけやお料理の話なども書いていきたいと思っています。
 「えりかのつれづれなるままに」では、大河ドラマ「功名が辻」の感想や世相について、歴史にまつわるちょっとした話、私のとっておきの話などを書いています。「平安時代好きに50の質問」への回答も置いてあります。

 なお、カテゴリー欄のそれぞれのタイトルをクリックすると、関連記事を一括表示します。関連記事をすべて御覧になりたい方はぜひご利用下さいね。

 「えりかの平安な日々」「えりかのつれづれなるままに」、どちらも不定期更新ですが、今後ともよろしくお願いいたします。

☆リンクを変更して下さった管理人様へ
 早々にリンク集やブックマークのブログタイトルを変更して下さいましてありがとうございました。そして、お手数をおかけしまして申し訳ございませんでした。
 これからも、更に充実した記事が書けるよう、頑張って参ります。でも、無理をせずゆっくり楽しみながら更新していこうと考えています。今後とも、「平安夢柔話」をよろしくお願いいたします。

☆リンク変更のお知らせ
 とんぼさんのブログ「あやゐがさ」閉鎖に伴い、もう一つのブログ「蜻蛉日記ートンボニッキ」の方にリンクを張り替えさせていただきました。日々の出来事や最近読んだ本について、お気に入りの和歌についてなどを書いています。みなさま、ぜひ訪れてみて下さいね。
☆とんぼさん、お知らせ下さいましてどうもありがとうございました。今後ともよろしくね。またそちらにもおじゃまさせていただきたいと思っています。

「源氏物語」の現代語訳の本 ~その1

2006-02-06 11:21:55 | 図書室2
 「源氏物語」は私の愛読書ですが、お恥ずかしながら実力不足のため原文で読むことができません。(原文を読んでもせいぜい3分の1理解するのがやっとです)いつか原文でも読めるようになりたいなとは思っているのですが、いつになることやら…。

 そこでお世話になっているのが現代語訳ということで、私が今までに読んだ「源氏物
語」の現代語訳4タイトルを2回に分けて紹介させていただきたいと思います。
 今回はその第1回目ということで、2タイトルを紹介します。


☆円地文子の源氏物語 全3巻
 著者・円地文子 発行・集英社 価格・各700円

 20年近く前、私が初めて「源氏物語」に触れたのがこの本でした。
 現在は集英社文庫から出ていますが、当時は「わたしの古典」というシリーズに入っていました。(第6巻~8巻)。本のとびらに和紙を使ってある、とてもしゃれた本でした。

 さて、本の内容ですが……、この本は「源氏物語」の完訳を成し遂げた円地さんが「わたしの古典」シリーズのために書き下ろした縮訳版です。つまり、「源氏物語」の小説としての味わいを大切にしつつ、物語のあちらこちらに書かれている行事や宴の情景描写を省き、簡潔に3巻でまとめたものです。また、各巻の初めにはその巻のストーリーと登場人物の紹介・系図がついています。そのため、初心者には大変わかりやすいと思います。
 文体は「である」調、和歌の現代語訳もついています。

 ただ、完訳では単行本10冊にもなる「源氏物語」を300ページ弱の本3冊でまとめるのは無理があるなと感じる部分もあります。源氏が夕顔と会ったのは六条御息所の許を訪ねる途中だったという、円地さん独自の解釈がしっかり書かれているのは良いのですが、あちらこちらを端折っているような所も結構あるのです。
 まず、「玉鬘十帖」と呼ばれる巻々がかなり端折られています。この本を読んだだけでは、光源氏と玉鬘の微妙な心の動きがいまいち伝わってきません。
 そして、「夕霧」「匂宮」「紅梅」「竹河」の4帖は完全にカットされています。この本ではあくまでも、「光源氏と薫の物語」というスタンスで書かれているためだと思われます。

 でも、このような短所だけではありません。

 最終巻「巻三」一冊に収められた「宇治十帖」は、かえって無駄な部分がすっきりとそぎ落とされ、大変わかりやすい物語になっているのです。主人公たちの行動や心の動きも、かなり詳細に描き込まれています。なので私は、この円地訳を読む限りでは正編より宇治十帖の方が親しみやすく感じました。巻三の「宇治十帖」だけでも読んでみる価値は充分あると思います。

 なお円地さんには、完訳版の「源氏物語」もあるようですが、こちらは未読です。かなり評判の良い訳のようなので、私も機会があったらぜひ読んでみたいと思っています。


☆与謝野晶子の新訳源氏物語 全2巻
 著者・与謝野晶子 発行・角川書店 セット価格・3300円

 縮訳版の「円地文子の源氏物語」に物足りなさを感じていた私が次に読んだのがこの与謝野晶子訳の「源氏物語」でした。なぜ与謝野さんの訳にしたかと言いますと、行きつけの視覚障害者向けの図書館にたまたま置いてあったからでした。

 なお、私が読んだ本は上で紹介したものではなく、河出書房新社から発行されていた日本古典文庫というシリーズに入っていたものでした。(現在では絶版のようですが)全三巻でしたが、一冊一冊がとても厚い本でしたので、「これなら玉鬘のこともよくわかるし、夕霧や匂宮三帖もちゃんと掲載されているはず…」と思ったのでした。そして、この与謝野訳はその部分に関しては充分満足できるものでした。

 ただ、こちらも難点はあります。

 まず、和歌の現代語訳がついていません。それと、文体は「である」調なのですが、あまりにも歯切れが良すぎてみやびに欠ける部分があります。「源氏物語」は女房が昔語りをするというスタイルで書かれたものだとも言われていますが、与謝野訳はどう読んでも女房の語りとは思えません。
 そして最近知ったのですが、与謝野訳はかなり原文からはみ出しているようなのです。つまり、原文を短く縮めたり、独自に書き換えたりしている部分がかなりあるとか…。そのような点を考慮すると、初心者向きではないようです。

 この項の最初の方でも書きましたように「円地文子の源氏物語」では端折られていた「玉鬘十帖」や「夕霧」・「匂宮三帖」に関しては満足できたのですが、初めて読んだときの感想は「ちょっと難しすぎてわかりにくい。」でした。

 ところが、与謝野訳を最初に読んでから約10年ほど経った頃、急に光源氏に会いたくなり、もう一度読んでみたのです。そうしたら何と、面白い、面白い…!その間に私は、瀬戸内寂聴さんの「源氏物語」をもとにした小説「女人源氏物語」(2005年5月30日の記事を参照して下さいね)や、いくつかの「源氏物語」の解説書を読んでいました。なので「源氏物語」に関する知識が増えていたせいもあると思います。現代語訳のない和歌の意味は相変わらずよくわかりませんでしたが、それでも充分楽しむことができました。

 昭和初期に出版されたのにもかかわらず、今でも版を重ねているということは、与謝野訳が名訳だからに他ならないと思います。ある程度「源氏物語」に触れたことがある方にはお薦めの訳です。

☆次回の「図書室2」の更新では、ここ5年くらいの間に読んだ田辺聖子さんと瀬戸内寂聴さんの訳を紹介したいと思っています。

ブログタイトルを変更しました

2006-02-04 01:18:28 | お知らせ・ブログ更新情報
 表示されているブログタイトルを見てびっくりされた方が多いと思います。

 突然ですが、このたび当ブログ「えりかの平安な日々」は、「平安夢柔話(へいあんゆめじゅうわ)」とタイトルを変更させていただきました。

 以下、タイトル変更の理由です。

 実は当ブログ、開設当時は日記中心でやっていこうと思っていました。そして、合間合間に好きな歴史のことや本のことをちょこちょこ書いていけばいいかなと…。なので日記風に、「えりかの平安な日々」というタイトルにしたのでした。

 ところが、みなさま周知のように大河ドラマの感想や歴史上の人物について書くようになり、日記とは名ばかりなものとなってしまいました。最近は特に、本の紹介記事や歴史記事に更に力を入れています。なので「えりかの平安な日々」というタイトルは内容にそぐわないのではないか……と、思うようになっていました。
 タイトル変更はホームページ開設時でも良いかなとも考えました。トップページと自己紹介のページ、リンク集(ブログのブックマーク欄はあと7軒しかリンクが貼れないので…)くらいは欲しいかなと…。しかし、私には視力の障害があるのでホームページビルダー等の利用が難しいため、ホームページを作るには主人に手伝ってもらわなくてはなりません。でも現在、主人は仕事の方が忙しく、当分今のような状態が続きそうなのです。なのでホームページの開設はまだしばらく先のことになりそうです。そのようなわけで、ブログのタイトルを変更しようと決心した次第です。

 「平安夢柔話」というタイトルの由来も少しお話ししますね。

 「平安」はもちろん、大好きな平安時代のことです。そして平安時代は私にとってファンタジーの世界なので「夢」という文字を入れました。「柔話」は、皆様と御一緒に平安時代を気楽に肩の力を抜いて楽しんでいこうという意味です。

 タイトルは変更しましたが、ブログの内容は今までと変わらないと思います。平安時代の話や本の紹介だけでなく、日常や我が家の小さなエリカのことも書いていきます。これからも、「平安夢柔話」をどうぞよろしくお願いいたします。


 

新・歴史をさわがせた女たち

2006-02-02 21:51:37 | 図書室1
 本日は、私が「この世をば」を読むきっかけを作って下さった本を紹介したいと思います。「この世をば」は私が平安時代に興味を持つきっかけになった小説ですので、本日紹介する本は文字通り私の原点とも言えそうです。

☆新・歴史をさわがせた女たち
 著者・永井路子 発行・文藝春秋 本体価格・470円

 では、目次と内容を紹介しますね。なお、各項目の☆以降はえりかによる紹介文です。

謎の女帝第1号・推古天皇
☆日本の女帝第一号と言われる推古天皇は、非常に謎の多い女性です。彼女が女帝となることになった経緯、馬子や聖徳太子との関係など、様々な謎に迫ります。

幻の女王・額田王
☆中大兄皇子・大海人皇子兄弟に愛された美貌の歌人額田王。彼女の本当の気持ちは?謎の多い女流歌人の人間像に迫ります。
 
美貌の女帝・元正天皇
☆母・元明天皇のあとを受けて皇位についた元正天皇。とかく影が薄いと言われるこの女帝の生涯を愛情を込めて描いています。

王朝の悪女に乾杯!・伊勢
☆百人一首19番目の歌の作者伊勢は、貴族や皇子や天皇と恋をし、数多くの恋の歌を残しました。そんな彼女のたくましい生き方に迫ります。

王朝の長寿VIP・藤原彰子の系譜
☆祖母86歳、母90歳、本人87歳…。短命の印象の強い平安時代に、女三代にわたってこれだけの長寿を保った系譜がありました。しかも3人とも歴史上にしっかり本名を残しているのです。一条天皇中宮藤原彰子の系譜に迫ります。

王朝の落ちこぼれ女御・藤原元子
☆藤原道長が栄華を極めた影に、一人の不運な女御がいました。しかし彼女にはあっと驚く後半生が…。一条天皇女御藤原元子と、平安中期の宮廷の勢力争いを描きます。

謎の女富豪・上西門院統子・八条院子
☆親からばく大な財産を譲られ、生涯独身を通した鳥羽天皇の2人の皇女。2人の生き方を通して、源平時代の政争に迫ります。

美女に愛された美女・小督
☆「平家物語」に描かれた悲恋のヒロイン小督。しかし史実は「平家物語」とはだいぶ違うようです。小督の懐妊を巡って渦巻く宮廷の勢力争いに迫ります。

平家一門の肝っ玉母さん・平時子
☆壇ノ浦にて、「海の底にも都がございます。」と言って幼い安徳天皇と供に海底に沈んだ清盛の妻・時子。平家の幕引きをすることとなった気丈な女性の生涯を描きます。

体験的戦国経営学・京極お初
☆京極高次室のお初の姉は豊臣秀吉側室淀殿。妹は徳川二代将軍秀忠の御台所お江。2人の影に隠れて一見目立たないお初ですが、婚家の京極家を再興し、ある時は姉に、ある時は妹にすり寄って戦国乱世を強くたくましく生きたのでした。そんなお初の生涯を描きます。

 優雅なる殺生石・東福門院和子
☆徳川秀忠とお江の末娘として産まれた和子は、政略によって後水尾天皇に入内することになります。江戸幕府と朝廷を結びつけることとなった和子の生涯。

大奥スキャンダルの女王・絵島
☆江戸時代中期、六代将軍徳川家宣の御台所天永院と、側室月光院との勢力争いに巻き込まれ、スキャンダル女中のレッテルを押され、はからずも流罪となった絵島の悲運の生涯。

 この本は、著者の永井路子さんが歴史と関わっていく中で新たに見えてきた12人の女性を取り上げ、その生涯や人物像に迫った歴史エッセーです。内容も大変わかりやすく、小説のように気軽に読めると思います。

 私がこの本と出会ったのは約20年前です。中学時代以来、日本史から離れていた私は、書店で何気なくこの本を手に取り、目次を見てわくわくしたのを思い出します。そこには推古天皇、額田王、平時子といったなつかしい人たちの名前が…。中学生の時、「万葉集」や「平家物語」が大好きだった気持ちを思い出し、即この本を購入しました。そして読み始めてみて、「日本史上にこんな面白い女性がたくさんいたんだ~。」と再びわくわくしました。

 上で挙げたなつかしい人たちはもちろんのこと、今まで名前を知らなかった女性たちの生き方にも感動しました。「この世をば」を読むきっかけとなった藤原彰子や藤原元子、伊勢や京極お初のたくましい生き方……。読んでいて、女性達一人一人の顔が見えるような気がして、とても身近に感じました。日本史上の女性達の生き方について知りたい方にはもちろん、歴史の入門書としてもお薦めの1冊です。

 なお、タイトルに「新」の文字がついていることから、「歴史を騒がせた女たち」という本も出ているのでは……、と思われた方、たくさんいらっしゃると思います。そうなのです、同じ永井路子さんの著書で、「歴史をさわがせた女たち」という本がしっかり出版されていますので、ご安心下さい。
 「歴史をさわがせた女たち」のシリーズは、「日本編」「外国編」「庶民編」と3冊の本が文春文庫より出版されています。どの本も大変興味深い内容ですので、興味がございましたらぜひどうぞ♪