大河ドラマ「功名が辻」、第7話と8話、2回まとめての感想です。
前回(第7話)の新右衛門の息子徳次郎のエピソードは、視点がちょっと現代的すぎて無理があるような気がしました。母親の死によって非行に走り、家長である父親に反抗して暴言を吐く……、しかも主君の一豊夫婦の目の前で…。普通ならお手討ちものですよね。
そして家出をした徳次郎を千代が見つけて一件落着とは…。千代が賢夫人に成長する上での苦悩を描きたかったのでしょうけれど、何かご都合主義のように思えてしまいました。確かに感動的なストーリーではありましたけれど、何か腑に落ちなかったです。やはり私は、「大河ドラマは歴史ドラマ」という観点で観ているようなところが多々あるようです。
そして、更に欲を言えば……、徳次郎のエピソードを長々とやる時間があったら、信長の上洛の過程をもっと観せて欲しかったです。
ちなみに、司馬さんの原作では新右衛門は登場しますが、彼の家族は出てきません。なので新右衛門の子沢山のエピソードも、徳次郎の非行のエピソードも、脚本家の大石さんの創作なのかなと思って観ていました。
今回(第8回)では、前回では「信長のことを父と思うぞ。」と言っていた足利義昭が、信長に反抗しているではありませんか!義昭が明智光秀に向かって、「そなたはいつから信長の家来になったのじゃ!」と詰問しているところは、それをよく表していましたよね。これはかなり唐突でした。
ところでその光秀に対して義昭は「一条院からわしを救い出してくれたときのそなたの背中のぬくもりが忘れられぬ。」と言っていましたが、これは司馬さんの「国盗り物語」からのエピソードです。
足利十三代将軍義輝が三好・松永連合軍に攻め滅ぼされたあと、彼らの矛先は奈良の一条院で僧になっていた義輝の弟の義昭に向けられたのでした。その義昭を、光秀や細川藤孝が救い出したのですが、その際光秀は義昭を背中に背負って一条院を脱出した……と、「国盗り物語」では描かれていました。このあたりを回想シーンとして見せるとか、ナレーションで説明するとかしないと、義昭が光秀に対して言った「背中のぬくもりが忘れられぬ。」というせりふの意味が視聴者にはわからないのではないかと、ちょっと心配になってしまいましたが…。
さて今回は、一豊の見せ場が描かれていましたよね。越前金ヶ崎城の戦いにて、一豊は朝倉方の大将の首をあげたものの顔面にやりを受け、そのやりを吉兵衛が抜いたという場面です。このエピソードはもちろん原作にも出てきますが、功名に命がけになっている一豊や、主従の絆の深さがドラマでもよく描かれていて好感が持てました。色々つっこみ所はあるけれど、「功名が辻」はドラマとして観る分には大変面白いです。何よりも明るいところが良いですね。「これからの一週間を頑張ろう!」という元気も出てきます。徳次郎のエピソードのようなシビアなエピソードに関してはちょっと不安を感じますが、全体的には今後に大いに期待です。
最後に……、今回私が注目した人物は西田敏行さん演じる徳川家康です。
何が何でも「信長がどこを攻めるのか」を一豊から聞き出そうとする家康、この狸親父ぶりが良いですね~。家康はやっぱりこうでなくては!!と思ってしまいました。
そして一豊は後年、この家康と大きな関わりを持つことになるのですが、今回のこの2人の対面はその時の伏線なのでしょうね、きっと…。狸親父の家康と、ばかと言っていいくらい正直な一豊の関わり合いがどのように描かれるか、今からとっても楽しみです。
前回(第7話)の新右衛門の息子徳次郎のエピソードは、視点がちょっと現代的すぎて無理があるような気がしました。母親の死によって非行に走り、家長である父親に反抗して暴言を吐く……、しかも主君の一豊夫婦の目の前で…。普通ならお手討ちものですよね。
そして家出をした徳次郎を千代が見つけて一件落着とは…。千代が賢夫人に成長する上での苦悩を描きたかったのでしょうけれど、何かご都合主義のように思えてしまいました。確かに感動的なストーリーではありましたけれど、何か腑に落ちなかったです。やはり私は、「大河ドラマは歴史ドラマ」という観点で観ているようなところが多々あるようです。
そして、更に欲を言えば……、徳次郎のエピソードを長々とやる時間があったら、信長の上洛の過程をもっと観せて欲しかったです。
ちなみに、司馬さんの原作では新右衛門は登場しますが、彼の家族は出てきません。なので新右衛門の子沢山のエピソードも、徳次郎の非行のエピソードも、脚本家の大石さんの創作なのかなと思って観ていました。
今回(第8回)では、前回では「信長のことを父と思うぞ。」と言っていた足利義昭が、信長に反抗しているではありませんか!義昭が明智光秀に向かって、「そなたはいつから信長の家来になったのじゃ!」と詰問しているところは、それをよく表していましたよね。これはかなり唐突でした。
ところでその光秀に対して義昭は「一条院からわしを救い出してくれたときのそなたの背中のぬくもりが忘れられぬ。」と言っていましたが、これは司馬さんの「国盗り物語」からのエピソードです。
足利十三代将軍義輝が三好・松永連合軍に攻め滅ぼされたあと、彼らの矛先は奈良の一条院で僧になっていた義輝の弟の義昭に向けられたのでした。その義昭を、光秀や細川藤孝が救い出したのですが、その際光秀は義昭を背中に背負って一条院を脱出した……と、「国盗り物語」では描かれていました。このあたりを回想シーンとして見せるとか、ナレーションで説明するとかしないと、義昭が光秀に対して言った「背中のぬくもりが忘れられぬ。」というせりふの意味が視聴者にはわからないのではないかと、ちょっと心配になってしまいましたが…。
さて今回は、一豊の見せ場が描かれていましたよね。越前金ヶ崎城の戦いにて、一豊は朝倉方の大将の首をあげたものの顔面にやりを受け、そのやりを吉兵衛が抜いたという場面です。このエピソードはもちろん原作にも出てきますが、功名に命がけになっている一豊や、主従の絆の深さがドラマでもよく描かれていて好感が持てました。色々つっこみ所はあるけれど、「功名が辻」はドラマとして観る分には大変面白いです。何よりも明るいところが良いですね。「これからの一週間を頑張ろう!」という元気も出てきます。徳次郎のエピソードのようなシビアなエピソードに関してはちょっと不安を感じますが、全体的には今後に大いに期待です。
最後に……、今回私が注目した人物は西田敏行さん演じる徳川家康です。
何が何でも「信長がどこを攻めるのか」を一豊から聞き出そうとする家康、この狸親父ぶりが良いですね~。家康はやっぱりこうでなくては!!と思ってしまいました。
そして一豊は後年、この家康と大きな関わりを持つことになるのですが、今回のこの2人の対面はその時の伏線なのでしょうね、きっと…。狸親父の家康と、ばかと言っていいくらい正直な一豊の関わり合いがどのように描かれるか、今からとっても楽しみです。