紅葉の時期に行きそびれた庭園が駒込駅に程近い六義園だ。側用人として天下に名を馳せた柳沢吉保が元禄年間に築園した回遊式泉水の大名庭園である。
ことしは、地下鉄の駅張りポスターや新聞などでここのシダレザクラが大きく取り上げられていたので多くの人が入園券を求めると一目散にシダレザクラ目指して流れていく。たった一本の木でこれだけ人が集められるものかというほど人が集まっているが、近づいてみるとなるほどソメイヨシノを待ちきれない人々にはうってつけの枝振りであり、咲きっぷりだ。
しばらく眺めたあと、園内を歩いてみた。いやぁ、ここはシダレザクラだけ見て帰ってしまうにはもったいないほどの手の凝った庭園であることに驚いてしまった。丁寧に枝打ちされた松を初め、池や川に架けられた橋、滝など歩くほどに入れ替わり立ち代り異なった風景が眼前に現れてくるので楽しい。
そしてちょうど歩きつかれてきた頃に茶屋があって抹茶を立てていた。ふだんは縁がない抹茶だが、こんな景色なら緋毛氈の上で一服いただいていこうという気分になってしまいます。一緒に出てきた和菓子の桃色が抹茶の緑とお盆の黒と絶妙なコントラストをなしていてこれがまた風情を掻き立てている。茶屋を後にすると藤代峠という35メートルばかりの丘があって、庭園内を一望できる。ここから端に位置するシダレザクラを遠望するのもまた面白い。この庭園の数寄が随所に実感できる。
昼間は吉保公の袖の下から落ちてくる甘い汁を狙ってか大量のカラスが我が物顔で飛びまわり鳴いていて折角の江戸気分に横槍を入れているのが、唯一残念でならない。
ことしは、地下鉄の駅張りポスターや新聞などでここのシダレザクラが大きく取り上げられていたので多くの人が入園券を求めると一目散にシダレザクラ目指して流れていく。たった一本の木でこれだけ人が集められるものかというほど人が集まっているが、近づいてみるとなるほどソメイヨシノを待ちきれない人々にはうってつけの枝振りであり、咲きっぷりだ。
しばらく眺めたあと、園内を歩いてみた。いやぁ、ここはシダレザクラだけ見て帰ってしまうにはもったいないほどの手の凝った庭園であることに驚いてしまった。丁寧に枝打ちされた松を初め、池や川に架けられた橋、滝など歩くほどに入れ替わり立ち代り異なった風景が眼前に現れてくるので楽しい。
そしてちょうど歩きつかれてきた頃に茶屋があって抹茶を立てていた。ふだんは縁がない抹茶だが、こんな景色なら緋毛氈の上で一服いただいていこうという気分になってしまいます。一緒に出てきた和菓子の桃色が抹茶の緑とお盆の黒と絶妙なコントラストをなしていてこれがまた風情を掻き立てている。茶屋を後にすると藤代峠という35メートルばかりの丘があって、庭園内を一望できる。ここから端に位置するシダレザクラを遠望するのもまた面白い。この庭園の数寄が随所に実感できる。
昼間は吉保公の袖の下から落ちてくる甘い汁を狙ってか大量のカラスが我が物顔で飛びまわり鳴いていて折角の江戸気分に横槍を入れているのが、唯一残念でならない。