妖しい亜熱泰

タイと東京、アジアと和の話題など。
出かけたついでに一枚をつづります。

銀座ミツバチプロジェクト物語

2008-10-31 | Weblog
このところ、朝食はハチミツトーストを楽しんでいる。このハチミツは先日の見学会で分けてもらった銀座ミツバチ「銀ぱち」が集めてきた蜂蜜だ。ふつうのハチミツより薄味だが、上品な味わいで朝食にはちょうどよい。

見学会では少ししか話が聞けなかったのだが、ちょうど文祥堂フォーラムで「銀座ミツバチプロジェクト」の田中淳夫さん(紙パルプ会館常務)の講演があったので聞いてきた。

紙パルプ会館では会議室事業をやっていて、松屋百貨店近くという立地のよさから色々な団体が利用しており、銀座関連の会合も多い。そんな中で知り合った人からミツバチを飼育できるようなビルの屋上を探しているという養蜂家と出会い、プロジェクトがスタートした。

当初は紙パルプ会館の社員はじめ、テナントなどからも同意が得られなかったそうだが、町内会や消防署などを精力的にまわって何とか説得して、町内の有志により2006年より飼育が始まった。

都会でミツバチを飼うなんて無謀、地方でやればいいではないかと思いがちだが、逆だという。地方の畑は作物栽培のために農薬を使っているが、ミツバチは農薬を浴びると巣箱に戻れない。巣箱の門番に追い返されて餓死する。ところが、銀ぱちの活動範囲である皇居では農薬は一切使っていない。さらに千鳥が淵や日比谷公園など名所にはソメイヨシノが大量に植わっている。だから環境にいい。ミツバチが生息できる環境は人間にとっても住みやすい環境だともいえる。

こうして始まったミツバチプロジェクトには、ケーキ職人やバーテンダー、シェフなども加わって蜂蜜収穫の際にはハニーフラッシュの記念撮影後、ご褒美の一瓶のハチミツが配られる。初年度に160キロの収穫があり、2年目の昨年には290キロに増えた。この量が、なんと日本のハチミツ生産量の0.01%になるのだそうだ。一般の店売りにするほどにはなっていないが、すでに、カクテルやカステラ、料理など地元銀座の店で商品化されている。

まだ、日本で飼育が難しいとされていた日本ミツバチの飼育にも成功。この情報が保健所に入ったこともあって、都内各所で日本ミツバチが巣別れしている場所の情報が寄せられ、彼らの救出に向うこともしばしば。役員として打ち合わせをしている最中に携帯が鳴り、あわててミツバチの救出に出かけたこともあるそうだ。もっとも現場の人たちにとっては駆除係の人と勘違いされているとか。

ミツバチは蜜を取るだけでなく、花粉を運ぶ役目もしていることに注目して、「銀座グリーンプロジェクト」も始まった。松屋百貨店、マロニエゲートビル、白鶴酒造などの屋上で菜園が生まれている。紙パルプ会館の屋上でもわずか1年で、バッタやコオロギ、トカゲまで生息するようになったとか。

ハチミツに惹かれて始めた事業がどんどん広がっていって、本人もびっくりしているようだ。

食の安全が問題になっている中で、貴重な話がいくつも出てきてすごいものだと感心した。

銀座八丁神社めぐり

2008-10-25 | Weblog
秋ということで、都内でも色々なおまつりが盛んだ。
銀座ではこの数年「プロムナード銀座」という名前で催事が定着していて、各町内にあるお稲荷さんなどをまわる「銀座八丁神社めぐり」というスタンプラリーに今年も参加してきた。

いつもは、9ヶ所をお参りするのだが、今回は再開発などで2箇所がお休みで、都合7ヶ所になった。そのうちの3つが、松屋、三越、松坂屋という百貨店の屋上に祀られているお社だ。
「宝童稲荷神社」をサポートしているのは、「五十音」という知る人ぞ知る筆記具の店で、並木通りの和光隣に可愛い鉛筆の看板が立っている。
「成功稲荷神社」は資生堂の敷地内にあって、この時期だけ仮説の階段が設置されてお参りができる。

銀座はどこを歩いても、海外の有名ブランド店ばかりが目立つようになってしまった。だが、各町内のお稲荷さんは、今も健在でしっかりと守られている。これらのお稲荷さんが残っている限り、銀座が外資に占領されることはないだろう。

「銀座百点」の地図にお稲荷さんが載っているのは、そんな老舗店主たちの思いの表れのような気もしている。

安藤忠雄建築展

2008-10-22 | Weblog
乃木坂にあるギャラリーMAで「安藤忠雄建築展」が開かれている。
何かの無料情報誌の片隅に小さく出ていたのを見つけて行ってみたのだが、大勢の人たちが来ていて驚いた。

安藤忠雄といえばコンクリートのイメージが強いのだけれど、この展覧会を概観してみてもやっぱりコンクリートの人だ。
教会、大学の施設、博物館、駅などは生活環境の一部となっていても、高層ビルや高速道路の高架に慣れてしまっている目には、違和感がない。
ところが自然との共生を謳って、傾斜地にコンクリートの集合住宅を次々と建てていくというのは、どうもしっくりと行かない。木と紙が自然と合うという伝統にとらわれてるせいだろうか?
建築家はひとつの建築物について構想する際に周囲についても考えているということは、ダンボール製の建築模型を見ると理解できる。

だが、雨がしみこんで変色した校舎や商業施設、高架下なんかをよく目にしているので、未だにコンクリートは私にとって冷たくて、乾いた存在のままで、自然と相容れない状態のままだ。

旧古河庭園のバラ

2008-10-18 | Weblog
1.クレオパトラ、ミスターリンカーン、クリスチャンディオール、ビクトルユーゴ
2.芳純、恋心、マリカラス、ダイアナオブプリンセスウェールズ
3.初恋、プリンセスオブウェールズ、ユキサン

1.は赤系、2.はピンク系、3.は白系、いずれもバラの名前だ。いずれも英国人コンドルが作った旧古河庭園で見ごろを迎えていた。

新聞を開くと暗いニュースばかり。そんな中で、暑くもなく寒くもなくそこそこによい天気に恵まれたこの日は、バラを観に訪れた人たちで賑わっていた。これだけたくさんの種類、それも色とりどりの花が咲いているのを目の当たりにすると心も晴れやかになる。

入口から洋館前の小さな花壇に咲くバラを見つけて、初めて訪れる人たちは
「きれいねぇ」
とちょっと小さな感嘆の言葉を発して花に見入っているのだけれど、ふと左手眼下に大きなバラ園が広がっているの見つけると、声を発する間もなく大急ぎで階段を下りていくのが面白い。
外国人も多く訪れていて熱心にデジカメ写真を撮っていた。
どこの国の人たちも同じだなぁ。

かっぱ橋道具まつり

2008-10-14 | Weblog
台所用品というよりは、厨房関係の品々ならなんでも揃っているのがかっぱ橋。
この日は25回目となるかっぱ橋道具まつりへ行ってみた。

銀座線田原町駅を降りて上野方面に数分歩くと、かっぱ橋の入口に着く。
これから飲食店を開業しようとしている人にはうってつけの、食器、厨房機器、看板、ユニホーム、製菓材料、ショーケース、家具などの店が延々と続いている。しかし、プロの皆さんではなく、道具まつりにお出かけの皆さん方向けにも、店先に並んだワゴンに特価品がどっさり。小物なら陶器や漆器、箸などが100円台から買えるとあって、どこも人だかりができていた。

一風変わっていたのが、食品サンプルのお店。実に良く出来ていますね。職人技というか、芸術品的出来栄えです。思わず食べたくなるようなとんかつや天ぷら、寿司、らーめん、くだものなどが並んでます。その店で飛ぶように売れていたのが、小さな食品サンプルのストラップ。3つで500円というワゴンの前では子供たちが目を輝かせてワゴンの中を引っ掻き回していた。新しい名物ですね。

歩行者天国となった路上ではパレードや地元の子供たちによるチアリーディングなどもあって盛り上がっていた。
各店舗の店先やワゴンを見て回るだけでも楽しいが、そのうちに真剣にほしくなって探しまくったが、デザインや色が好みと少し違うので、結局今回は笹団子の試食をいただいただけで帰ることに。

なかなかたのしい一日でありました。