エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

国宝・縄文のヴィーナスと重文・仮面の女神

2011年07月30日 | 遺跡
尖り石遺跡にある、土偶・縄文のヴィーナスは国宝であってほぼ完全な形で出土したのである。
土偶が破壊されずに出土するのは稀有である。

縄文人たちは、土偶に願いを込めて破壊して埋めたのである。
しかも何里も離れた場所にすら埋めているのである。



縄文のヴィーナスである。
間違いなく妊娠した女性である。

種の繁栄と健全な発展を祈ったのであろう。
膨らんだお腹、どっしりとした腰部、足。
全てが健康な女を表現している。



この展示館では、縄文のヴィーナスのストラップを安産のお守りとして配布した事があったそうである。
残念ながらいまその残りは無い。

ここ尖り石には、もう一つ重要文化財となっている「仮面の女神」がある。



仮面の女神である。
これもまた、基本的には完全な形で出土しているのである。



後ろ姿である。

こちらの土偶の方が重厚感はあるけれど、ぼくはやはりヴィーナスの方が好きである。
清楚にして簡潔なのである。



仮面の女神の出土状態のレプリカがある。
埋まっている間の土の重さで下半身が欠けているけれど、学芸員さんの話によると完全な形での出土状態であったという。

尖石では竪穴式住居跡33ヶ所をはじめ、53ヶ所の炉跡や列石、竪穴群、屋外埋甕などが発掘されたが、土器に比べ石器の出土が極端に少ないとされている。



これらは数少ない土器の一部である。
ここは縄文中期の遺跡であるけれど、焼畑農業が生業されていたのではないかと推測されているのである。



さて尖り石遺跡の謂れであるけれど・・・。



この石が「尖り石」である。
遺跡の南方向の斜面下にある。

何時の頃からか「尖り石様」と信仰の対象になっている。
注連縄が張られ、横には石の堂が安置されている。

不思議な一画である。

因みに、縄文のヴィーナスは「棚畑遺跡(縄文中期)」から、仮面の女神は「中ツ原遺跡(縄文後期)」からの出土である。
二つの遺跡とも、尖り石遺跡の近くである。
大事なことなので付記しておく。





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 荒野人


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