エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

返り花

2016年10月27日 | ポエム
返り花。
なんと云う哀しい響き,であろう事か。

冬の季語である。
花の種類は幾つもあるけれど、例えば藤の花。
例えば,桜。

今日は桜の返り花、である。
冬隣の候。
今年の立冬は,11月7日なのだけれど麗らかさに引き寄せられるように咲いている。



誠に、侘しいけれど一輪いちりんが愛おしい。
今年,最後の夏日。
10月26日の返り花、である。







「返り花空の青さを突き抜ける」







ふと気付いたのだけれど、返り花の枝には青い葉が残っているものが多い。
生命力の源泉、なのであろう。
光合成の産物なのだと、より愛おしく思ったのである。

今年最後の夏日の夕景。
夕焼が、空の一画を染め抜いた。



鰯雲が、赤く染まったのである。
正に,引き込まれるような赤であった。



この色合いだけでも、一句といきたいところだけれど・・・。
浅学非才の野人、である。

詠みきれなかった。



     荒 野人