今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

ソフト食とイギリスのポリッジ

2016年11月13日 | 飲食業
世の中には口が開けられない開口障害の人や麻痺のある人、高齢者の為にソフト食なるものがあるらしいので、それについて少しだけだが勉強してみた事を備忘録としておこう。

自分の中でも「ミキサーの肉じゃが」の様な流動食みたいなモノを想像していたが、調べていく内に、あれ?、ちょっと考えていたものと違っていて、
結論から言うと、

・きちんと形がある。
・口の中でバラバラにならない。
・喉にスムーズに飲み込み易い

・素材の繊維に対して包丁を直角に入れ、繊維を断ち切る。
・食べ易い大きさは1.5cm×3cm
・厚さは3mm~5mmでそのまま口に入るように。
・肉はしゃぶしゃぶ肉の様な軟らかいものを使い、硬くなるのであまり煮込まない。
・肉も繊維に対して、直角に切る。
・舌で押し潰せるぐらいの軟らかさ。
・味付けも火が入り過ぎないように手早く。
・カレーなど、油脂があるものは喉を通り易い。

ゼラチンご飯というものがあり、それを作る時は米の全体量の2倍の水で炊き、ゼラチンはそれの2%。
例=米150gだと水が300g、全体量の計=450gだから、→ゼラチンは9gを入れる。
お粥モードで炊いたり、炊飯中も何度かかき混ぜる。
このゼラチンご飯をハンドミキサーなどで潰して、白玉なども作れ、冷製白玉などにすると夏場の食欲が落ちた時などは喜ばれるらしい(あくまでも、作り手、食べてが、飲み込める無理の無い範囲で)。
・他にかぼちゃのポタージュなども喜ばれる。

「食」を通して食べてのQOL(Quality Of Life=クオリティーオブライフ=生活の質)を向上させる事が目的。

食べたいと思わせる。

・銀ムツや、ムース類も良い。

・加熱時の中心温度は85度以上で1分以上で感染が無くなると言われている。

・小ネギなどの薬味もミキサーにかける。

・増粘剤を混ぜる。

・麻痺のある人には咽頭残渣が残り易いので注意をする。

・海苔の佃煮などの袋も破いて、器に盛って提供する心遣い。

・お粥にはスキムミルクを入れると食べ易いし、コクが増してとにかく美味しいらしい。又、分離を防げる効果もある。

・施設などでは、基本的な調理を事前に終わらせてしまう前倒し料理を行う。

・キュウリなどの硬い部分は、ほんの少し緑の所を残したり加減をしつつ、4面を削ぐ。

・調理の時に塩・砂糖を1:1を少し入れると繊維を軟らかくしたり、色落ちを防げる効果がある。

・タラコなどの薄皮を剥ぐ事は凄くオドロイタ。薄皮は引っかかり易い。

・豆乳は油脂を含むので向いている。

・麺は長過ぎるのは勿論、短過ぎても誤嚥し易いというのも初めて知った。

・卵黄とオリーブオイルを混ぜると潤滑材になる。

・誤嚥等の危険を極力控える心遣い

・塩昆布などを塩の代わりになるべく使う。

・仕入れる時も、油脂が多く、柔らかい食材を択ぶ。

とにかく、食べ易い食事の概念が変わった。

自分の周りで、何か食べ易い食材ってないかな?と考えたあげく、そういえばイギリスやスコットランドのオートミールのお粥、ポリッジを作った事が無かったなと、

因みにポリッジに使うオートミールに含まれる食物繊維は、白米の20倍・玄米の3.5倍あるらしくビタミンB1や鉄分も豊富とのこと。
あまりこういうものを買った事がなかったので(コーンフレークとかも憧れて買ってみたことはあるが直ぐ飽きてしまって、でもグラノーラは美味しいなと思った。)、とりあえず保存料や着色料などが無添加で、農薬も一応気にして、国内産のオートミールにしてみた。

こうなっているのか。

そのまま食べると、結構歯応えがあるので、早速水や牛乳で煮るポリッジにしてみた。

ホットシリアルとも言うらしく、離乳食や介護用には水からゆっくりと煮て、凄く柔らかくするとのことだ。
なるほど、とりあえず柔らかくなればいいのかな。

で、完成したら、季節のフルーツやドライフルーツを乗せるのだが、この時リンゴしか無かったので(硬いものがダメな人は煮て入れないと無理だよな)、乗せて、砂糖や蜂蜜を入れて食べる。

う~ん、なんちゅーか、最初は、お、イケルと思ったけれど、段々染み込んでくるうちにベタっとヌルっとしてくるので、なぜ、フルーツやドライフルーツでサッパリさせるか?の意味が解った。
ビタミンなどの豊富なフルーツ類を沢山食べる為の智恵も加わっている気がした。
(不思議とフルーツの酸味が、凄くというか、なんといって言いか解らないがドンドン欲しくなるんだ)

因みに、スコットランドでは、砂糖や蜂蜜、フルーツを入れず、これに塩を入れて、燻製の魚などと共に食すらしい。
自分は、フルーツが少なかったら、塩味の方が好きかな(日本のお粥に近いというか)。

しばらくしてオートミールが余っていて寒くて忙しかったので2回目、今度はソフト食とは違うが、少しミルクを減らして硬めに炊いて
前回の失敗を踏まえフルーツを少し多く入れてみようと余っていたキウイを半分入れて、ハチミツを少し入れてみた。

あれ?、甘いVer.も美味しいではないか!!(なんでこんなに違うんだろう)

忙しい寒い時は「あり」だなこれ。


その後、牛乳をただかけて食べるミューズリーにして食べたら、

これがオートミール自体がコーン○レークみたいに甘さが付いていないので、食べ易いというか飽きないんだ。
不思議と、軽い麦の香ばしさと、ミルクの甘味だけで食べられてしまう。
でも(自分の場合ドライフルーツも好きでは無いので入れないし)砂糖も入っていないので、食べ飽きない。
忙しい時にかなり手軽で、期限までに飲みきれない牛乳も処理出来るし(基本、紅茶に入れるだけなので)、かなりハマった。

外国人がよく「日本の食事はソルティ!!(=塩気たっぷり)」と言う人々が多いが(同じアジアの人々でさえも同じように言うのを聞いて驚いた事もあった)、このポリッジを食べて、そうかもな、外国の人々にしたら確かにそう感じる塩気だけれど、私達はこれで育ってきてしまったので、もう舌が塩気を欲っする味覚になっているのかもと?、改めて、思った。

他にフィッシュパイなんか、ソフト食として魚介類の質を柔らかい種類に変えれば、合うのかな?と思った(マッシュポテト料理は合う気がする)。








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