2016/12/5
・楽日に見に行く。
・品川の廓で居残りになった「八兵衛」が、借金取りの女に煽られながら、次々と頼まれごとを引き受けていく話。
・居残り佐平次、風呂敷、品川心中、明烏、太鼓腹…落語の各題材をもとにした出来事が次々と起こる。
・落語好きにとっては、おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな話。
・複数の落語の演目をねじ込んでいるので、確信犯的に展開を飛躍させて、その悪ふざけも楽しませる趣向。
・わざわざ一人に何役もさせているのも、落語的と言えば落語的だし、悪ふざけと言えば悪ふざけ。
・そんな戯曲の悪ふざけリクエストに、腕利きの演出と役者陣が応えている。
・演出では、バックにイラストを投射したり、バッグステージカメラを仕込んだり、それ自体に必然性があるのかと言われるとよくわからないけど、「落語のテーマパーク」にいろんな手間をかけてアトラクションを設置している。
・腕のある役者陣も、楽日ということを差し引いても、わかりやすく舞台上で気持ちよくなっている。
・普通は戒められるノリだけど、この舞台に限っては、気持ちよくなってない役者がいると白けてしまうと思う。
・棚田さんの喉がびっくりするくらい枯れていたのも、そんな戯曲からの注文にしっかり応え続けた結果なのかもしれない。
・ただ、見ていると本番中に声が少しずつ回復していたので、どんな技を使ったのか、同業者は聞きに行ったほうがいいと思う。
・また、小劇場の客席に升席を作っているのも初めて見たし、よく訓練された居酒屋のホールスタッフ並に元気のいい会場係の方々も作品の脇をしっかり固めていた。
・客席は満席で年齢層の幅広い。
・思ったより短い芝居ではなかったけど(どこかのサイトに上演時間90分とか書いてあった)、みんな高い集中力で見ていたと思う。
・演劇作品であると同時に「祭り」だった。
・この作品からあふれ出る多幸感がしっかり「生活支援型文化施設コンカリーニョ」の10周年を祝っていた。
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