EMIRIO☆REPORT~雑貨ちょび読書たま~

☆日常生活を不定期レポするホニャララブログ☆

『京都ぎらい』

2017-08-22 | report
    
    『京都ぎらい』井上章一著 朝日新書刊

    あこがれを集める歴史の都・京都!
    そんな古都を「きらい」と明言するのは、
    京都育ちで、ずっと京都に住んでいる著者だ。
    千年積もった洛中人の毒や、坊さんと舞子さん
    とのコラボレーションなど、「こんなん書いて
    ええのんか?」という衝撃の新京都論。
                 (アマゾンの内容紹介より)

いや~、久しぶりに面白い本でした~。
よく、「よそ者にとって、京都は観光するところで、住むところではない」と
いった話を耳にします。実際、京都に進学した友人や、就職した知り合いが
失望や落胆した話を聞いたこともあります。なぜそうなのか? その理由を
垣間見ることができる一冊です。

ひとくくりに「京都市」といっても、「洛中」と「洛外」があるらしい。
いわゆる「洛中」が都で、「洛外」は田舎。中心部「洛中」に暮らす人々にとって、
嵯峨や宇治は「洛外」の田舎もん扱い。

う~ん、そのあたりの感覚は、本当の田舎もんであるワタシにはよくわからない。。
(地理的にも、いまいち実感がわかないという)

・・・こともずばっ!!とわかる痛快な一冊。
とにかくたとえや表現がえげつないのに、なんか上品(笑)
京都は嵯峨育ちの(「京都市出身」と胸を張って言えない)井上先生の、
長年の洛中に対する恨みつらみとうっぷんが詰まった一冊です。

洛中におわす重鎮の方々に「田舎もん」のレッテルを貼られた著者が、「洛中」の京都を
ずばずば斬りまくります。若干逆恨みも含みながら。。文章が面白くて、読ませる、読ませる。
あ~、おもしろかった~~。

しかしながら、底に流れるのは、やはり先生の京都への愛。
洛中も、洛外もひっくるめて、京都からさりげなく首都東京(や江戸)に対して、
いけずなイヤミいうてはりますえ。 ジャブ、ジャブ、ボデーブロウ~。
このあたり、「洛中」の人々が「洛外」に対するスタンスと同じなんですね。
結局同じ穴のムジナになってしまったと、それも「洛中」のせいにする先生。
複雑な京都魂。。

それにしても、ゆうに1000年は越える古都・京都の歴史、しらがみもたっぷり
ありすぎて重すぎます。なにしろ、京都(洛中)の人々にとって「さきの戦争」は
「応仁の乱」らしいですから(苦笑) 応仁の乱づいてるねぇ。

ワタクシなどは、ひっそり観光して、こっそりあぶら餅食べて帰ってくるのが
いちばんよろしおすやろなぁ~(←使い方あっているかしら??)。