▲「雪と珊瑚と」 梨木香歩著 角川文庫
生まれたばかりの赤ん坊・雪を抱え途方に暮れていたシングルマザー
山野珊瑚、21歳。「赤ちゃん、お預かりします」の貼り紙の主で
年配の女性くららと出会ったのをきっかけに、果敢に人生を切り拓いてゆく。
どんな絶望的な状況からでも、人には潜在的に立ち上がる力がある---。
様々な助けに支えられ、心にも体にもやさしい惣菜カフェをオープン
させた珊瑚の奮闘を通して、生きること食べることの根源的な意味を
問いかける。 (文庫裏の解説より)
以前、読書小屋で紹介したと思っていたのですが。。
どうも、違っていたようです。あれ? 本当にオススメした記憶が
あるんだけどなぁ。 違う場で紹介したのかも・・・(苦笑)
もうねー。
梨木香歩さんの小説が大好きな方にはどストライクな作品だと思います。
ハードカバーが刊行されてから、「文庫が出たらゼッテイ買う!」と心に
決め3年。本屋さんに立ち寄るたび「まだが~~ まだが~~」と
なまはげのよーに、あやうく妖怪と化するところのえみりおだったのでした。
やっと文庫になりました (^^)パチパチ
「最近読んだ面白い本は?」 と聞かれることが多いのですが、
最近の本、全然読んでいましぇん。。
もっぱら、過去に読んだ本を読み返してばかりでして。。
最近は梨木さんの「家守綺譚」を読んでいます。
なんていいましょーか、文章が、心底落ち着くといいますか。。
(ワタシのこの駄文とは正反対です)
知り合いの人々の感想を聞いて、読んでみようかナ~と思った
「火花」「九年前の祈り」「君の膵臓をたべたい」はいずれも
公共図書館ではすさまじい数の予約待ち。。う~ん。。
古本屋さんで文庫が出回るのを待つのとどっちが早いか。。
ですから、「雪と珊瑚と」が文庫になってとても嬉しいです。
ゆっくり読み返したいと思います (^^)
できすぎたサクセス・ビルドゥィングストーリーだという声も
あるようですが、小説なんだから、いいではないですか♪
むしろ、どん底にいる人間が、資金ゼロから具体的な方法(企業家資金)で
開業していく展開が、「こんな方法があるのか!」と万里の長城のように
高い壁を感じていた「起業」というものを、身近に現実的に可能なのだと
気づかせてくれます。もちろん、商売はシビアですが、やる気とビジョン
と少しの運?さえあれば、荒唐無稽な話ではないところがいいのです。
しかるべき経験や修行を通して、場合によっては資格を取り、ノウハウを
身につけるのも大切ですが、それで商売をはじめることに敷居の高さを感じ
たり、あきらめては本末転倒です。本人のやる気や覚悟・・・柔らかくいえば
アイデアや夢が何より大事なのかもしれません。
主人公の珊瑚ちゃんの場合は、「雪ちゃんを育てなければ」という真摯な
覚悟が、最大の開業の底力&モチベーションになっています。
気になる方はぜひご一読ください (^^)