今から品川に行くのでお茶でもしませんか?とSさんから電話があった時、俺は一昨日のこの日記をM先生に見て貰う為にその要約をポルトガル語に訳している処だった……なんて書くと、いかにもポルトガル語が上達しているような印象を与えるけど、一昨日の日記の要約は「誰とも会わず誰とも話さず芝居の台本に取りかかっていたけど、なかなか書けないので、映画を見に行った」ということだから、それをポルトガル語にするのはそんなに難しくなかったのだけど、映画のタイトルを「Bakumatsu_taiyoden」と書いて、それだけじゃポルトガル人の先生には分からないだろうと、「幕末」と「太陽伝」を説明しようとした処から俺のポルトガル語の能力というより、言語能力が問われだす。一時間かかっても二時間かかっても「幕末」と「太陽伝」がポルトガル語で説明できない。「Em fins de era do Edo……(江戸の終わりに……)」から始まるポルトガル語はタイトルというより説明文になってしまってうんざりしていた処だったのだ……なんて言い訳してSさんに会いにいくことを自己正当化する。Sさんも日記を見て俺のことを心配してくれている。有り難い限りだ。本当ならお酒でも飲まないと話せない話題だったけど、昨日は少し飲みすぎてしまったので、今日は自重して二人してケーキセット。3時に会って6時過ぎまで俺たちの「女子トーク」は続いた。駅前のスーパーで惣菜を買って帰宅。カツ丼を作って食べる。そのときにはもうポルトガル語で「太陽伝」をどう翻訳するかの問題は何処かに消えていて、彼女と交わした男と女の問題が頭の中をグルグル廻っていた。★新年は10日(火)から営業します。