バスは座席に座れなかった時が何かと不自由なので、このところあまり利用していませんでした。
平日は徒歩圏内でしか生活しておりませんでしたし、週末は家人が車を出してくれるのであまり困ることもなく…。
が、今日・明日は家人が仕事で不在のため、仕方なく久し振りにバスを利用したのです。
そして運悪く満席でした。
乗客の9割は高校生たち。ついでに言うならば私の母校の生徒さんたちです。
みんな部活の帰りなのか、それぞれに物凄い荷物を持っています。大変そう
若い彼らの荷物をぼんやり見やっていたのですが、車の後方でモタモタしていても仕様がないので、比較的安定感のある手すり求めてやや前方へ進んで行ったのです。
と、そこで私を目にした一人の男子高校生がおもむろに座席を立ちました。
何か言いたげな彼の表情をよそに、空いた席は近くに立っていた他の女性客がゲット。
男子高校生、ちょっとションボリ。
いいよ、分っているよ、少年よ。
きっと君はお腹の大きな私のために席を譲ってくれようとしてくれたのだね。
公共広告機構のCMみたいで嬉しいよ、ありがとう。
私は心の中でそう呟きます。
すると今度はその男子高校生の通路向いに座っていた女子高校生が重そうな荷物を抱えつつ席を立ちました。
彼女の付近に立っていたおっちゃんがその気配に気づき、じわじわとその空席に近づいていくと、彼女はすかさず背中でおっちゃんをガードし、私の方を向いて言ってくれたのです。
「良かったら席座ってください」
まぁ、なんて良くできた学生さんたち。
みんな揃いも揃ってどうもありがとう。
とても嬉しかったわ。
ありがたく席に座らせて頂きまして、初々しい学生の彼らをそれとなく観察しておりました。自分も10ン年前はこんな感じだったのかなぁと思いつつ。
そして数人の学生たちが下車するときに、不意にその荷物の一部が垣間見えたのです。
……電気スタンド。
嗚呼!!
……そこで初めて私は合点いたしました。
彼らは部活帰りの生徒さんたちではありません。
彼らはいわゆる“勉強合宿”帰りの生徒さんたちだったのです。
母校(というよりはたぶん長崎五高全体)ではあまりにも有名な夏の風物詩、“勉強合宿”。
人里離れたホテルに軟禁され、数日間にわたって一日14時間の自習勉強を強要されるという、悪魔のようなイベントです。(生徒は全員参加が義務)
一日14時間って人間の集中力の限界を超えているし、とにかくきつくて最後の方では意識も朦朧としてくるので、私はトイレに行くふりして便器に座って居眠りしたものでした。
眠い、きつい、苦しいの三拍子。
懐かしなぁ~……勉強合宿。
この場所に居合わせた彼らはホテルから無事に生還を果たし、今まさに帰郷せんとするところだったわけですね。
あの重そうな荷物の中には少々の下着と学校ジャージ(ホテル内はほぼ終日ジャージで過ごす)、かさばる電気スタンドと大量の教科書&参考書・ノートが入っているのでしょう。
荷物重くて疲れているのに、それでも席を譲ってくれてありがとうね。
色々、なんだか甘酸っぱい気持にもなれましたよ……。
今日の夏祭りで打ち上げられる花火は、彼らにはとても美しく映ることでしょう。
平日は徒歩圏内でしか生活しておりませんでしたし、週末は家人が車を出してくれるのであまり困ることもなく…。
が、今日・明日は家人が仕事で不在のため、仕方なく久し振りにバスを利用したのです。
そして運悪く満席でした。
乗客の9割は高校生たち。ついでに言うならば私の母校の生徒さんたちです。
みんな部活の帰りなのか、それぞれに物凄い荷物を持っています。大変そう
若い彼らの荷物をぼんやり見やっていたのですが、車の後方でモタモタしていても仕様がないので、比較的安定感のある手すり求めてやや前方へ進んで行ったのです。
と、そこで私を目にした一人の男子高校生がおもむろに座席を立ちました。
何か言いたげな彼の表情をよそに、空いた席は近くに立っていた他の女性客がゲット。
男子高校生、ちょっとションボリ。
いいよ、分っているよ、少年よ。
きっと君はお腹の大きな私のために席を譲ってくれようとしてくれたのだね。
公共広告機構のCMみたいで嬉しいよ、ありがとう。
私は心の中でそう呟きます。
すると今度はその男子高校生の通路向いに座っていた女子高校生が重そうな荷物を抱えつつ席を立ちました。
彼女の付近に立っていたおっちゃんがその気配に気づき、じわじわとその空席に近づいていくと、彼女はすかさず背中でおっちゃんをガードし、私の方を向いて言ってくれたのです。
「良かったら席座ってください」
まぁ、なんて良くできた学生さんたち。
みんな揃いも揃ってどうもありがとう。
とても嬉しかったわ。
ありがたく席に座らせて頂きまして、初々しい学生の彼らをそれとなく観察しておりました。自分も10ン年前はこんな感じだったのかなぁと思いつつ。
そして数人の学生たちが下車するときに、不意にその荷物の一部が垣間見えたのです。
……電気スタンド。
嗚呼!!
……そこで初めて私は合点いたしました。
彼らは部活帰りの生徒さんたちではありません。
彼らはいわゆる“勉強合宿”帰りの生徒さんたちだったのです。
母校(というよりはたぶん長崎五高全体)ではあまりにも有名な夏の風物詩、“勉強合宿”。
人里離れたホテルに軟禁され、数日間にわたって一日14時間の自習勉強を強要されるという、悪魔のようなイベントです。(生徒は全員参加が義務)
一日14時間って人間の集中力の限界を超えているし、とにかくきつくて最後の方では意識も朦朧としてくるので、私はトイレに行くふりして便器に座って居眠りしたものでした。
眠い、きつい、苦しいの三拍子。
懐かしなぁ~……勉強合宿。
この場所に居合わせた彼らはホテルから無事に生還を果たし、今まさに帰郷せんとするところだったわけですね。
あの重そうな荷物の中には少々の下着と学校ジャージ(ホテル内はほぼ終日ジャージで過ごす)、かさばる電気スタンドと大量の教科書&参考書・ノートが入っているのでしょう。
荷物重くて疲れているのに、それでも席を譲ってくれてありがとうね。
色々、なんだか甘酸っぱい気持にもなれましたよ……。
今日の夏祭りで打ち上げられる花火は、彼らにはとても美しく映ることでしょう。