セヌヒマ

日本の古典芸能好きのりえこが、
日常を綴ります

実家前工事中。

2010-12-29 19:58:32 | 日記
母に、ちょっとした仕事を頼まれました。
ごくごく簡単な文章作成なんですけれども。

自宅のPCは相変わらず瀕死で動いているし、原稿も貰わないといけないので、
買い物帰りに実家に寄ることに。

せっかくなので、実家の稽古場を借りて能の舞囃子の稽古もさせてもらおうと、扇と足袋も持参です。



実家到着前になって、「そういえば、家の前の道が工事中で通れないから、ハシゴ通しているのよ」と母。

「ふぅ~ん。」とたいして気に留めていなかったものの、
到着すると、想像以上にアクロバティックなハシゴが掛っていたのでちょっとビビリました







何だか、高いし、斜面が急だよ?! マイマザー
手元をつかみながら降りたら大丈夫なようだけど、買い物の帰りなものだから、両手荷物。


上から見ると、こんな感じ。




意外と怖い。

長いこと工事中のようで、実家の愛犬ハッピーちゃんも騒音でご機嫌ナナメでした。
愛犬に吠えられながらへっぴり腰で段を下っていると、何だか実家に泥棒に入りにいくような嫌~な気分でした

早く工事が終わると良いですね。

贈り物の形を帯びた挑戦状

2010-12-26 14:33:25 | 日記
世間ではホワイトクリスマスとなった昨日のお昼。

我が家では、О氏自家製の絶品ベーコンをつまみながら、
以前知人に頂いた虎の子のシャンパンを開け、
ほどほどの味の、大量生産クリスマスケーキを食べました。
(気づくと全てが頂き物でした… 手抜きすぎて申し訳ない)



アルコールにめっきり弱い私はグラスに少量注がれたシャンパンでもかなり酔っぱらったらしく、
昼食直後からそのまま深い眠りにつき、
起きた時には外は真っ暗になってました……


あっという間に過ぎ去ったクリスマス…




と、思っていたら、昨日よりも激しく雪降りしきる今日、なにやらポストに入ってましたよ。

“名古屋サンタ”なる謎の人物から贈られたプレゼント。




中身は名古屋名物“あんかけスパゲティー”と





四日市グルメ“とんてきのたれ”




むむむっ 恐るべし東海道グルメっ。
味噌ダレに飽き足らず、さらなる摩訶不思議グルメへと我をいざなうかっ。


ううっ……さては“名古屋サンタ”の名を語るのは、『歩く童顔るるぶ』の異名をもつ彼女だなっ。


悔しい…。
東海道の食文化を見せつけられた身としては、海原雄山に立ち向かう山岡士郎よろしく、
こちらも長崎グルメのなんたるかを彼女に見せつけてギャフンを言わせてやらねばなりませぬ。



見ておれ~

見ておれ~~


来年も下さい。

2010-12-24 20:24:09 | 日記
何かと出費の多い年末ですが、
お歳暮とか、お裾分けとか、クリスマス的なプレゼントとか、
頂き物も増える嬉しい季節でもあります。


さて、昨日の長唄のお稽古の際には、よしの会の方に手作りベーコンを頂きましたよ。








雲仙の“もみじ豚”を使ったベーコンですって。
スモークの芳しい香りと、脂のトロリとした甘さがクセになる絶品


メインを搔っ攫うオードブルになること間違いなし。
せっかくなので、明日のクリスマスの食卓にならべましょう


どうもありがとうございます。

師走関西、7

2010-12-22 23:10:25 | 芸のこと
さて、二日目のお稽古のこと。

昨日注意していただいた型の相違についてはだいたい直っているとのことで、今日は主に足の運びの序破急(平たく言えば、緩急のことです)について教えて頂きました。
「何気のう歩いてるみたいに見えて、ちゃんと内側に熱いもんがないと」とか、
「ここは細こう、強う足を使わんと……今は何というか、ニュートラルな部分があんねん。見た目はさほど変わらんようやけど、この時点から意識を置いとかんと、先でボルテージがマックスで上がるときに、煮え切らんようになるえ?」とか、非常に深い直しを頂きます。

ここまで丁寧に指導して下さるのは、さすが我が師匠。
歩く速度の密度のことなんて、これまでそんなに深く意識してなかったもんな…。
「ここは少し重く、この辺から少し歩数増やして乗ってみよう」、とかホントにその程度で。
ちょっと曲が余ったら、最後二足を勝手にゆっくり運んだりしていたし…。


あ、あと、今日も言われました。「紅葉が翻っていない」と…。

師匠曰く、「縁日のお店で、大きな透明の球体の中で抽選クジがブワッと舞うてるやん?あんな感じで紅葉が風で舞うてる様を感じさせんと」と。

師匠が『龍田』好きなのはよく伝わってきます。ご自分が好きな曲ほど、指導はより細かくなります。 ありがたいことです。



その後のフリートークで、先日拝見した『朱夏の会』の『谷行』の話から、ワキ方の名人・宝生閑氏の芸のすばらしさについて話を伺いました。

以前、師匠が自主公演で『井筒』を舞われた際、宝生閑氏にワキをお願いしたときの話など…。
師匠はおっしゃいます。「名人と同じ時代にいられるのはホンマありがたいことやから、いま早いうちから自分がやりたい曲は“自分にはまだまだ…”と怯まずに、お願いすることにしている」と。


…そう。本当にそうだ。
私は今、『あ、絶対この人や!』と、心から尊敬できる師匠と巡り合う事が出来、
今このように稽古に通わせてもらえる恵まれた環境にいます。


「プロでもないのに一生懸命 能を練習してどうなるんだろう?」とか、そんな些末な悩みは早い段階で忘れてしまいました。
己が「私の師はこの人だ」と信じられる人と出会うことができたのみならず、その人から教えまで乞うことができるのです。

ありがたいこと。
とてもありがたいこと。

心からの師匠は、人の一生のうちに何人も持てるものではないと思います。
一生のうちに、遂に“師”に出会えなかった人だっていると思います。


女という性別に生まれた以上、きっと諸事情が重なって、いつまでもこのように学べるわけではないだろうなと、今少しずつ意識を強めております。


その思いが強まるほどに、一つ一つの稽古が、非常にありがたい。
そして勿体ない。
師匠の動きの一つ一つを余すことなく吸収したいのに、それができない自分の能力がもどかしい。

少しでも、ちょっとでも今よりうまくなりたい。

いつか訪れる、タイムリミットまで。