●WEB版 ECOさんが帰る場所⑨
◆熟年オーガニックシフト。
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
●今回のecoさんは、ご結婚後から長年お住まいになっていた
だんな様のご実家を、還暦前後を迎えられた今、
思い切って 「まるごと新築のエコハウス」 に建て替えられた、
札幌市内のMさんご夫妻。
●おうちの中を拝見しながら、
「熟年オーガニックシフト」 の理由を、
トクとうかがってみるとしましょう。
●扉を開けて……おじゃましま~す♪
●あら、玄関のすぐ脇に、ステキなサロンスペースが。
ちょっと土間風の床に、薪ストーブ。
味のある木のベンチが、「まぁ、座って」 と優しく手招きしています。
このベンチはなんと、ご主人のお手製だそう!
●お言葉に甘えてベンチに腰掛けると、
目の前には、オーガニックのイ草の香りと、
柿渋のふすまのコントラストがステキな和室が。
柱や梁は、道産の無垢材。
土+ホタテ貝の粉+植物繊維 の呼吸する珪藻土の壁に、
和紙の天井。
……と、まさに、木と土と紙でできた、自然に返る素材 ばかり。
「どれも自然素材なので呼吸してるのがわかるし、
新築でもシックハウス的はことは全く感じません」
と奥様。
「危険な粗大ゴミになってしまう心配のない自然に戻る家は
気持ちいいですね」
と旦那様。
スッキリと粋なこの雰囲気は、デザインだけでなく、
自然素材の力が生きているからでもあるのですね。
●廊下を隔てた和室の隣は、
カウンターの向こう側にキッチンを控えた、
陽の光いっぱいのダイニングルーム。
ご夫妻に、“還暦でまるごと建て替え” の理由を尋ねてみました。
「結婚後からずっと両親の持ち家に暮らしてきましたが、
父母が亡くなり、大き過ぎるし古くて寒かったので、
リフォームと迷ったのですが、いろいろ考えた結果、
思い切って、自然素材の家に新築することにしました。
もういい歳になったので先のことを考えて、
物を整理して減らし、コンパクトに暮らしたくてね。
お掃除もラクだし、ランニングコストも低くてすむので、
エコの面でも小さい方がいいな、と。
物を整理するのは大変でしたけれど、必要な方々に差し上げたり、
リサイクルショップに引き取ってもらったりして、
不要な物は手放しました。
自分に掌握できる物だけで暮らしたいと思ったんです」
と、奥様。
「家族として何を一番に考えようか、と思い話し合ったときに、
やっぱり食だね、ということになって、
本や講演会などで食材について勉強したり、
娘たちが小さい頃から、家族そろって食事をすることなども
大切にしてやってきたんです」
と、ご主人。
「食環境について知っていくと、
人口甘味料のことや、合成洗剤のことや、原発のことなど、
食につながるあらゆることについてわかってきて、
できるだけ正しい情報を知り、生活の中で活かすようになりました。
そうしていくうちに自ずと “自然と循環するくらし” を
心がけるようになっていきましたね」
●近所にできたモデルハウスや西條さんの新聞連載などを通じて
西條デザインを知り、百合が原の事務所へ行かれたというご夫妻。
考え方や仕事ぶりに共鳴してじっくり打ち合せを重ね、
約1年後、大きさもデザインも以前とは一新した、
自然素材のこの家が完成しました。
「最初にこういうのを作ったんです」
と手渡されたA4用紙2枚の『新築計画メモ』に
箇条書きでまとめられていたのは、
◆家族のプロフィール、◆来客の種類と頻度、◆家族の将来像、
◆具体的な要望、◆予算、の5項目。
ご家族みなさんの意見がわかりやすくまとまっていて、
読むだけで暮らしの様子がイキイキと伝わってきます。
みんなの想いをまとめたこんな計画書があれば、
事実の共有もでき、効率もいいですね。
「前の家と大きく違うので、今は新しい暮しに
心身を慣らしている途中ですが、あったかいし、気持ちいいし、
期待以上の出来上がりで、驚きと納得でいっぱいです。
建てたら終わり、ではないパートナーシップも安心で嬉しいですね。
出来上がったあと西條さんに、
『これからの方が長いおつきあいになりますね』 と言われて、
ビックリしつつも、ありがたいなぁ…と思っています。
材料費や、デザイン料などの表記も明快で、
隅々まで明瞭会計だったのも気持ちよかったですね」
●同居中の上の娘さんはお勤めに出られていましたが、
出産のため帰省中の下の娘さんにも一言伺うと……
「私がお嫁に出てから建ったので、うらやましいです。
やっぱり自然素材にこだわってたのが出てるな~
と、心地よさを五感で感じますね。
寒い時期に帰省したときも、
嫁いだ名古屋よりも暖かくて過ごしやすかったです」
赤ちゃんもお母さんを通してこの家の空気を呼吸していると思うと、
やっぱり自然素材でできた家は、安心で気持ちいいですね。
●最高の日当たりでポカポカのダイニングルームの
奥にあるキッチンの一角には、
温度が低くなるように設計上の工夫が施された食品庫が。
「共同購入でまとめ買いしたものなどを入れておけて便利ですよ」
と奥様。漬物やお酒などの保管にも重宝なスペースです。
室内がストーブで暖められる冬も、外気の流通で
自然にワンランク涼しく保てる構造になっているとのこと。
地下などに室があるお宅は見たことがありましたが、
電気不要の低温庫に扉を開けるだけでアクセスできるなんて、
とっても便利で、うれしいですね~!
●食品庫以外にも、このお宅には気の利いた工夫がいっぱい。
この階段も……
ほーら、この通り。隠れスペースを有効活用しています。
●ジャジャーン!こちらの湯船は、またまたご主人のお手製だそう。
桧葉(ヒバ)の湯船に、桧葉の壁。
「森林浴しながらお風呂につかれて最高です!」 と、
西條デザインとご主人のコラボ作品に、奥様も大満足です。
●この洗面台も、
●こちらの洗面台も、
●この便器も、
以前から使っていたものを、そのまま取り付けてもらったとのこと。
こんなフレキシブルアレンジが可能な点も、
西條デザインの魅力ポイントですね。
●ダンナ様お手製のこのトイレットペーパーホルダーも、
やはり以前からお使いのものだそうです。
ご趣味だそうですが、いやはや、プロ級の腕前ですね~!
●そしてこちらは、そんなご主人のたってのご希望で作ったという、
こだわりのオーディオルーム。
もちろん壁を厚くした防音ルームですが、
音が反響して聴きにくくならないように、
お手製の布かけラックを設えたそう。職人気質を感じますね~!
●こちらは、これまた日当たり最高の寝室。
1Fの熱が上がってきて冬も暖か過ぎるくらいなので、
空気の流通で温度調節できるように少し入れることにしたそう。
2Fとはいえ、暖房なしで冬もそこまで暖かいとは……!
このベッドの背後には背の高い棚が置かれていて、
その棚の向うには、奥様の小さなアトリエスペースが。
大きな棚で1つの部屋を2つの空間に分けて有効活用
している様子に、なるほど~と膝を打ちました。
●こちらは、娘さんのお部屋。
ベッドは、幼い頃からの愛用品をシックな色に塗り替えたもので、
ステキなベッドカバーや、ベッドの下のインテリア布は、
おばあちゃんの和服のリメイクだそう。
いや~ブラボー! ご両親のエコマインドが、
娘さんにもしっかり引き継がれているのですね~!
●そしてココにも、父上の愛情手作り作品の可動式タオルかけが!
うーん、スバラ式かな!
●「この家を建てて初めて、
食品を選んだり、暮らし方を工夫するのと同じように、
生き方を建築ともつなげることができると知りました。
入居前のお掃除も、自然素材でされている方々がいらっしゃるんですね。
自分たちでやるつもりが忙しくて手が回らずにいたら、
西條さんが、石鹸や自然素材でお掃除してくださる方々に
頼んでくださって、手際よくプロの手でキレイにしていただけて、
とても気持ちよく、ありがたかったです。
自然素材のこの家で、より自然と循環できる暮らし方を、
これからもムリなくやっていきたいな、と思っています」
Mさんご一家のお宅と暮らしに触れてつくづく、
家はそこに暮らす人の分身なのだな~と実感。
還暦の新生活には、今を生きるヒントが満載でした。
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室)
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ)
◆熟年オーガニックシフト。
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●今回のecoさんは、ご結婚後から長年お住まいになっていた
だんな様のご実家を、還暦前後を迎えられた今、
思い切って 「まるごと新築のエコハウス」 に建て替えられた、
札幌市内のMさんご夫妻。
●おうちの中を拝見しながら、
「熟年オーガニックシフト」 の理由を、
トクとうかがってみるとしましょう。
●扉を開けて……おじゃましま~す♪
●あら、玄関のすぐ脇に、ステキなサロンスペースが。
ちょっと土間風の床に、薪ストーブ。
味のある木のベンチが、「まぁ、座って」 と優しく手招きしています。
このベンチはなんと、ご主人のお手製だそう!
●お言葉に甘えてベンチに腰掛けると、
目の前には、オーガニックのイ草の香りと、
柿渋のふすまのコントラストがステキな和室が。
柱や梁は、道産の無垢材。
土+ホタテ貝の粉+植物繊維 の呼吸する珪藻土の壁に、
和紙の天井。
……と、まさに、木と土と紙でできた、自然に返る素材 ばかり。
「どれも自然素材なので呼吸してるのがわかるし、
新築でもシックハウス的はことは全く感じません」
と奥様。
「危険な粗大ゴミになってしまう心配のない自然に戻る家は
気持ちいいですね」
と旦那様。
スッキリと粋なこの雰囲気は、デザインだけでなく、
自然素材の力が生きているからでもあるのですね。
●廊下を隔てた和室の隣は、
カウンターの向こう側にキッチンを控えた、
陽の光いっぱいのダイニングルーム。
ご夫妻に、“還暦でまるごと建て替え” の理由を尋ねてみました。
「結婚後からずっと両親の持ち家に暮らしてきましたが、
父母が亡くなり、大き過ぎるし古くて寒かったので、
リフォームと迷ったのですが、いろいろ考えた結果、
思い切って、自然素材の家に新築することにしました。
もういい歳になったので先のことを考えて、
物を整理して減らし、コンパクトに暮らしたくてね。
お掃除もラクだし、ランニングコストも低くてすむので、
エコの面でも小さい方がいいな、と。
物を整理するのは大変でしたけれど、必要な方々に差し上げたり、
リサイクルショップに引き取ってもらったりして、
不要な物は手放しました。
自分に掌握できる物だけで暮らしたいと思ったんです」
と、奥様。
「家族として何を一番に考えようか、と思い話し合ったときに、
やっぱり食だね、ということになって、
本や講演会などで食材について勉強したり、
娘たちが小さい頃から、家族そろって食事をすることなども
大切にしてやってきたんです」
と、ご主人。
「食環境について知っていくと、
人口甘味料のことや、合成洗剤のことや、原発のことなど、
食につながるあらゆることについてわかってきて、
できるだけ正しい情報を知り、生活の中で活かすようになりました。
そうしていくうちに自ずと “自然と循環するくらし” を
心がけるようになっていきましたね」
●近所にできたモデルハウスや西條さんの新聞連載などを通じて
西條デザインを知り、百合が原の事務所へ行かれたというご夫妻。
考え方や仕事ぶりに共鳴してじっくり打ち合せを重ね、
約1年後、大きさもデザインも以前とは一新した、
自然素材のこの家が完成しました。
「最初にこういうのを作ったんです」
と手渡されたA4用紙2枚の『新築計画メモ』に
箇条書きでまとめられていたのは、
◆家族のプロフィール、◆来客の種類と頻度、◆家族の将来像、
◆具体的な要望、◆予算、の5項目。
ご家族みなさんの意見がわかりやすくまとまっていて、
読むだけで暮らしの様子がイキイキと伝わってきます。
みんなの想いをまとめたこんな計画書があれば、
事実の共有もでき、効率もいいですね。
「前の家と大きく違うので、今は新しい暮しに
心身を慣らしている途中ですが、あったかいし、気持ちいいし、
期待以上の出来上がりで、驚きと納得でいっぱいです。
建てたら終わり、ではないパートナーシップも安心で嬉しいですね。
出来上がったあと西條さんに、
『これからの方が長いおつきあいになりますね』 と言われて、
ビックリしつつも、ありがたいなぁ…と思っています。
材料費や、デザイン料などの表記も明快で、
隅々まで明瞭会計だったのも気持ちよかったですね」
●同居中の上の娘さんはお勤めに出られていましたが、
出産のため帰省中の下の娘さんにも一言伺うと……
「私がお嫁に出てから建ったので、うらやましいです。
やっぱり自然素材にこだわってたのが出てるな~
と、心地よさを五感で感じますね。
寒い時期に帰省したときも、
嫁いだ名古屋よりも暖かくて過ごしやすかったです」
赤ちゃんもお母さんを通してこの家の空気を呼吸していると思うと、
やっぱり自然素材でできた家は、安心で気持ちいいですね。
●最高の日当たりでポカポカのダイニングルームの
奥にあるキッチンの一角には、
温度が低くなるように設計上の工夫が施された食品庫が。
「共同購入でまとめ買いしたものなどを入れておけて便利ですよ」
と奥様。漬物やお酒などの保管にも重宝なスペースです。
室内がストーブで暖められる冬も、外気の流通で
自然にワンランク涼しく保てる構造になっているとのこと。
地下などに室があるお宅は見たことがありましたが、
電気不要の低温庫に扉を開けるだけでアクセスできるなんて、
とっても便利で、うれしいですね~!
●食品庫以外にも、このお宅には気の利いた工夫がいっぱい。
この階段も……
ほーら、この通り。隠れスペースを有効活用しています。
●ジャジャーン!こちらの湯船は、またまたご主人のお手製だそう。
桧葉(ヒバ)の湯船に、桧葉の壁。
「森林浴しながらお風呂につかれて最高です!」 と、
西條デザインとご主人のコラボ作品に、奥様も大満足です。
●この洗面台も、
●こちらの洗面台も、
●この便器も、
以前から使っていたものを、そのまま取り付けてもらったとのこと。
こんなフレキシブルアレンジが可能な点も、
西條デザインの魅力ポイントですね。
●ダンナ様お手製のこのトイレットペーパーホルダーも、
やはり以前からお使いのものだそうです。
ご趣味だそうですが、いやはや、プロ級の腕前ですね~!
●そしてこちらは、そんなご主人のたってのご希望で作ったという、
こだわりのオーディオルーム。
もちろん壁を厚くした防音ルームですが、
音が反響して聴きにくくならないように、
お手製の布かけラックを設えたそう。職人気質を感じますね~!
●こちらは、これまた日当たり最高の寝室。
1Fの熱が上がってきて冬も暖か過ぎるくらいなので、
空気の流通で温度調節できるように少し入れることにしたそう。
2Fとはいえ、暖房なしで冬もそこまで暖かいとは……!
このベッドの背後には背の高い棚が置かれていて、
その棚の向うには、奥様の小さなアトリエスペースが。
大きな棚で1つの部屋を2つの空間に分けて有効活用
している様子に、なるほど~と膝を打ちました。
●こちらは、娘さんのお部屋。
ベッドは、幼い頃からの愛用品をシックな色に塗り替えたもので、
ステキなベッドカバーや、ベッドの下のインテリア布は、
おばあちゃんの和服のリメイクだそう。
いや~ブラボー! ご両親のエコマインドが、
娘さんにもしっかり引き継がれているのですね~!
●そしてココにも、父上の愛情手作り作品の可動式タオルかけが!
うーん、スバラ式かな!
●「この家を建てて初めて、
食品を選んだり、暮らし方を工夫するのと同じように、
生き方を建築ともつなげることができると知りました。
入居前のお掃除も、自然素材でされている方々がいらっしゃるんですね。
自分たちでやるつもりが忙しくて手が回らずにいたら、
西條さんが、石鹸や自然素材でお掃除してくださる方々に
頼んでくださって、手際よくプロの手でキレイにしていただけて、
とても気持ちよく、ありがたかったです。
自然素材のこの家で、より自然と循環できる暮らし方を、
これからもムリなくやっていきたいな、と思っています」
Mさんご一家のお宅と暮らしに触れてつくづく、
家はそこに暮らす人の分身なのだな~と実感。
還暦の新生活には、今を生きるヒントが満載でした。
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室)
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ)