カンボジア経済

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中央銀行 リエルの流動性増強に向けて

2016年10月05日 | 経済
 9月23日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、自国通貨のリエルの流動性を増強するための新たな政策を導入すると発表しました。カンボジアは高度にドル化した経済であり、市中現金の8割以上が米ドル、預金の9割以上が米ドル建てとなっており、現地通貨のリエルは少額取引(おつり等)や地方での取引に使用されるだけとなっています。こうした中で、中央銀行は、非常に緩やかな脱ドル化を志向しています。その一環として、現地通貨リエルの新たな流動性供給手段として、証券担保型流動性供給オペレーション(Liquidity-Providing Collateralized Operation (LPCO)を開始します。
 LPCOは、リエル建てまたはドル建ての譲渡性証券を担保として、銀行やマイクロファイナンス機関に中央銀行からリエルを供給するものです(ドル建て証券の場合は、為替レート変動に備えて適切な掛け目(最低10%)がかかります)。中央銀行では、月1回、銀行やマイクロファイナンス機関からの入札で金利を決定して、各銀行・機関に必要な金額のリエルを供給するとしています。なお、入札前に適切な金利の範囲、供給総額がNBCにより決定され、銀行等に通知されるとのことです。初回は、10月18日を予定しています。
 カンボジアのドル化経済は、外国直接投資を呼び込む観点からは、今のところはプラスに働いています。しかし、ドル高になると輸出が不利になったり、カンボジア国内で独自の金融政策が行いにくい等のデメリットも目立ちつつあります。決して急いではなりませんが、リエルの使用を促進する等して、一歩ずつ緩やかに脱ドル化を行っていくことは重要であり、必要性も高い政策と言えます。


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