カンボジア経済

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2017年の最低賃金 153ドルで決着

2016年10月04日 | 経済
 2017年1月1日から適用されるカンボジアの最低賃金は、153ドル/月で決着しました。現在は140ドルで、9.3%の上昇となります。最近の最低賃金の上昇は、2012年61ドルから2013年80ドル(31.1%増)、2014年100ドル(25.0%増)、2015年128ドル(28.0%増)、2016年140ドル(9.4%増)と急激なものがありましたが、今回も前回と同様1桁台の上昇に留まりました。
 最低賃金は、政府、雇用者、労働組合の3者の代表28名が参加する労働諮問委員会で討議されてきました。雇用者側は144.2ドル、労働者側は179.6ドルを要求していましたが、9月29日の会議で投票が行われ、政府案の148ドル(5.8%増)が多数を得て、労働大臣に答申されました。この結果を受けて、フン・セン首相は、鶴の一声で5ドル増額を加えることを決定し、最終的に153ドルで決着しました。
 内需振興のためにも、最低賃金の引き上げは必要不可欠ですが、急激な上昇は外国投資家の懸念となっていました。周辺国では、ベトナムが既に2017年の最低賃金を過去最低の7.3%増とすることを決めています。カンボジア政府では、最低賃金の検討に当って、2015年から労働生産性上昇率や物価上昇率等の客観的基準を使用し始めており、雇用者側も労働者側も納得感が高い決定方式が次第に定着していくことが期待されます。


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