ブログで学ぶ!日商簿記検定

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簿記小説:田中さんの野望7話

2006-07-16 18:35:45 | 初めての簿記・会計のおはなし
第7話:仕訳だけじゃ~わかんねぇ
 
「簿記って仕訳だけでできなの?」

「仕訳だけでも、貸借対照表損益計算書を作ることはできます。

「でも、仕訳だけだと問題があるんスよ~」

「お店の取引は1日に沢山あります。」
   「ということは、仕訳も多くなるということです。」

<仕 訳>

1日:(現 金)100 / (資本金)100

   (現 金)50 / (売 上)50

   (通信費)20 /(現 金)20

           などなど

「そうか、この仕訳がヅラ~と並ぶわけね」


「そこで、金額の動きを把握できるようにT勘定というものを
     つくります。」
        
  (T勘定)
━━━━┳━━━━     
      ┃   
      ┃   
      ┃ 

「Tバックならいつも履いてるわ」

「Tバックじゃありませんよ」

「このT勘定も、仕訳と同じで」
    「左側が借方、右側が貸方となっています。」

借方       貸方   
━━━━┳━━━━     
      ┃   
      ┃   
      ┃ 

「仕訳と同じなのね」

「そして、左の借方に仕訳をしたものはT勘定の左の借方
    に記入し、右の貸方に仕訳をしたものはT勘定の右の貸方に
    記入します。」

「さきの仕訳を例にやってみましょう。」


<仕 訳>

1日:(現 金)100 / (資本金)100

ここで、現金という勘定があらわれましたね。
よって、この現金のT勘定をつくります。


借方 現 金 貸方   
━━━━┳━━━━     
      ┃   
      ┃   
      ┃ 

 そして、現金勘定は、左の借方に仕訳をしたので
同じように、現金のT勘定の左の借方に金額を記入します。


1日:(現 金)100 / (資本金)100
      ↓
    借方 現 金 貸方   
  ━━━━┳━━━━     
        ┃   
      100 ┃   
        ┃ 

そして、空いているところに、相手勘定の名前を記入して下さい。
この場合、現金勘定の相手勘定は「資本金」となっています。
よって、資本金と記入します。


  借方 現 金 貸方   
  ━━━━┳━━━━     
        ┃   
資本金100 ┃   
        ┃ 


 これで、現金勘定は完成です。
このT勘定の記入の意味するところは

まず、現金勘定は「資産」の勘定でした。
よって、簿記のルールによると、資産が増加した場合
左の借方に記入しましたよね。

 ということは、現金のT勘定の左の借方に金額100円が書いてあるということは
現金100円が増えたということです。
さらに、相手勘定の資本金と書いてますよね。
これにより、現金100円増えた理由が、出資によるものであることが
わかるのです。

 このようなT勘定への記入のことを「転記」といいます。

「どうです?簡単でしょ?」

「う~ん、ドタマ痛くなってきた」

「ちょっと、次回まで睡眠学習するね」

「またか!」

        

簿記小説:田中さんの野望第6話

2006-07-13 14:47:04 | 初めての簿記・会計のおはなし
第6話:仕訳という名の帳簿記入(実践編)

「田中先輩起きてくださいよ!」

「はっ、またまた寝てしまった・・」

「まったく、学生時代と変わらないんだから~」

「いや~、まあ、そんな言わんといていぇな~」

「前回は、簿記で最重要な仕訳というものをみていきましたね。」

「郵便屋さんがやるやつだよね~」

「それは仕分けですよ。字が違います・・・」

「まず、簿記では取引を5つの要素に分類する
        というお話しはしましたね。」

→取引を①資産 ②負債 ③資本 ④収益 ⑤費用
     に分類
       
「おお!過去の記憶が蘇ってきた~」

「そして会計帳簿は、以下のように左と右に分かれて
       いるというお話をしました。」
     
     「左側を借方といい、右側を貸方といいます」
          
        <会計帳簿>
        左(借方)/右(貸方)

「なんで、分かれてるの?1つでいいじゃん!」

「それは、前回お話ししたでしょ~」「もしかしてわざと?」

「バレたかぁ」

「そして、5つの要素では、以下のように
   どのような時に、左に書くのか、または右に書くのか
   ということがルールで決まってます。」

   簿記のルール

 取引により
①資産が増加した場合左の借方に記入
②資産が減少した場合右の貸方に記入
③負債が増加した場合右の貸方に記入
④負債が減少した場合左の借方に記入
⑤資本が増加した場合右の貸方に記入
⑥資本が減少した場合左の借方に記入
⑦収益が発生した場合右の貸方に記入
⑧収益が消滅した場合左の借方に記入
⑨費用が発生した場合左の借方に記入
⑩費用が消滅した場合右の貸方に記入

「それでは、このルール表を見ながら実際にやってみましょう。」

「ど~とこい!」


例 題
 田中商店のオーナーである田中さんは、お店に100円の出資をした。

「まず、この取引を「原因」と「結果」という観点から
    5つの要素に分類します。」

 「結果」という観点から
 まずは、結果という観点からみてみましょう。
 取引により、お店にお金が入ってきていますね。
 お金は、財貨に相当します。
 よって、5つの要素のうち、①資産に該当します。
 そして、お店のお金が増えたのですから、取引により
 資産が増加したといえます。

 「原因」という観点から
 つぎに、原因という観点からみてみましょう。
 取引により、お店にお金が入ってきて理由は
 田中さんがお店に出資したからです。
 そして、出資は③資本に該当します。
 また、出資によりお店の元手が増えたので
 資本が増加したといえます。

「なるほど~こういうふうに考えて選択するわけやね」

「5つの要素を選択し、その増加・減少を判断できたら」
      「次に、簿記のルール表をみてみます」

   簿記のルール表

  ①資産が増加した場合左の借方に記入

  ⑤資本が増加した場合右の貸方に記入

「すると、以上のように書いてありますよね」
     「このことから、①資産の増加は左に記入し」
     「③資本の増加は右に記入するということがわかります。」

 よって、会計帳簿に選択された要素を以下のように記入します。

      <会計帳簿>
        左(借方)/右(貸方)

       (資産) / (資本)
 
「ただし、これでは内容がわかりません。」

「内容がナイヨウ」

「そこで、具体的な名前に直します。」

      <会計帳簿>
        左(借方)/右(貸方)

       (現金) / (資本金)

「最後に金額を記入して終わりです。」

      <会計帳簿>
        左(借方)/右(貸方)

      (現金)100 /(資本金)100

「なお、左の借方の金額と右の貸方の金額は・・・」
    「必ず一致するように記入してください」
    「このような原則を貸借平均の原理といいます」

「よぉ~し!簿記をマスターした~!」

「早や!」

「それでは、次回は転記についてみていきますね」

       

 

簿記小説:田中さんの野望第5話

2006-07-10 22:47:45 | 初めての簿記・会計のおはなし
 第5話:仕訳という名の帳簿記入

「田中先輩起きてくださいよ!」

「はっ、また寝てしまった・・」

「さっきまで、感動した~って言ってたじゃないすか」

「いや~、まあ、そんな言わんといていぇな~」

「今回は、簿記で最重要な仕訳というものをみていきます。」

「どーんど来い!!」

「まず、簿記では取引を5つの要素に分類する
        というお話しはしましたね。」

→取引を①資産 ②負債 ③資本 ④収益 ⑤費用
     に分類
       
「おお!過去の記憶が蘇ってきた~」

「そして会計帳簿は、以下のように左と右に分かれて
       います。」
     「左側を借方といい、右側を貸方といいます」
          
        <会計帳簿>
        左(借方)/右(貸方)

「なんで、分かれてるの?1つでいいじゃん!」

「それは、一度の記入で取引の原因と結果を表現するため
    なんですよ」

「なるへそ」

「そして、5つの要素では、以下のように
   どのような時に、左に書くのか、または右に書くのか
   ということがルールで決まってます。」

   簿記のルール

 取引により
①資産が増加した場合左の借方に記入
②資産が減少した場合右の貸方に記入
③負債が増加した場合右の貸方に記入
④負債が減少した場合左の借方に記入
⑤資本が増加した場合右の貸方に記入
⑥資本が減少した場合左の借方に記入
⑦収益が発生した場合右の貸方に記入
⑧収益が消滅した場合左の借方に記入
⑨費用が発生した場合左の借方に記入
⑩費用が消滅した場合右の貸方に記入

「とまぁ~こんなもんです。」

「げっ、これは覚えるの?」

「そうで~す!」
    「このルールに従って帳簿に記入していく技術が
     簿記なのですよ。」

         

「あっ、また居眠りしてる・・」
     「しょうがね~な~、続きは次回だね」

        


簿記小説:田中さんの野望第4話

2006-07-07 22:31:21 | 初めての簿記・会計のおはなし
    第4話:5つの要素の内容

「はっ、ここは誰、わたしは何処?」

「やっと起きた~、なにを寝ぼけてるんすか」

「いや~、メンゴ、メンゴ」
      「簿記って、なんだか難しいねぇ~」

「そんなんじゃ、立派な実業家になれませんよ。」

「大丈夫! わたしなら勘でなんとかなる!」

「そんな経営者が多いから、日本の中小企業の9割り
       が赤字なんすよ~。すごくいい言葉を紹介しましょう。」

   【会計にまつわるいい話】
  京セラ名誉会長:稲盛和夫氏の経営哲学

 「会計がわからなければ真の経営者になれない。」
 
 「会計データは、経営のコックピットにある計器盤に相当する。」
 「計器盤に表示される数字の意味するところを手に取るように
  分からなければならない。」
            
 「経理が準備する決算書を見て、伸び悩む収益のうめき声や
  やせた自己資本が泣いている声を聞き取れる経営者にならなければ
  ならない。」

「うお~、感動したぁ!やる気でた!」

「単純だな~」

「では、では、簿記の内容に入りましょう。」
      「ここでは、5つの要素の中身をみていきます」

 ①資産とは
 資産とは、財貨や権利をいい、それを保有することで将来、お金が入ってくる
 ものをいいます。
 具体例:建物 お金 商品
 
 ②負債とは
 負債とは、お店や会社が負う義務をいい、それを負うことで将来、お金が
 でていくものをいいます。
 具体例:借金
 
 ③資本とは
 資本とは、出資金とその後の儲けをいいます。

 ④収益とは
 収益とは、資本を増加させる原因となる事実をいいます。
 具体例:商品の売上 賃貸収入

 ⑤費用とは 財貨、役務の消費であり、資本を減少させる原因となる事実をいいます。
 具体例:水道光熱費 給料

「なるほどね~ これらを覚えて5つの要素に分類すれば
    いいのね」


「そ~で~す」

「では、次回はこの5つの要素を使って
    帳簿に記録していく方法をみましょうね」

       

「って、寝てるし・・・」

      

  



【簿記小説:田中さんの野望第3話】

2006-07-06 22:03:34 | 初めての簿記・会計のおはなし
 第3話:貸借対照表と損益計算書を
     構成する5つの要素

「さてさて、前回においては貸借対照表と
       損益計算書のそれぞれの役割について
       お話しましたよね。 覚えてます?」

「う~ん、微かにね。」

「では、話しを先にすすめましょう。」

「貸借対照表という報告書は、財政状態を報告する報告書ですが
         そのために、お店とお客さんとの取引を
         ①資産 ②負債 ③資本という要素に分類し
         それらを記載することで財政状態を表現するのです。」

「① 資産と②負債と・・・・テンドンだっけ?」

「ンしか合ってないじゃないですか・・ ③資本ですよ~」

「それと、損益計算書という報告書は、経営成績を報告する
       報告書ですがそのために、お店とお客さんとの取引を
       ④収益と⑤費用に分類するのです。」

「なるほどね。ということは、取引を合計で5つの要素に
       分類するわけね。」

「おっ、さえてますね~」
 
       「では、貸借対照表と損益計算書において、5つの要素が
        それぞれ、どのように記載されるのか
        載せておきますからちゃんとみておいて
        下さいよ~って寝るな!!」

           

「5つの要素の内容は次回で」