Sotto voce (^-^)

楽しみを待つ事は、それ自体が楽しみ。
そんなカンジの日々を綴ります♪
Non vedo l'ora!

ドレスデン国立美術館展―世界の鏡

2005-05-15 23:02:50 | 美術館
昨日たった1枚の絵を観る為にバスで往復9時間もかけて行ってきました。兵庫県立美術館。待っていたのはヨハネス・フェルメール「窓辺で手紙を読む若い女」フェルメール・スタンプラリー、2ポイント目。去年の「絵画芸術」に続きまたも良質の作品がやってきました。ブラボー。実際に絵の前に立つと美しさに本当に感激してしまう。光も布も柔らかで精緻に描き込まれている。今まで図録やテレビで観たときと同じ感想でもあり、でもただその絵画の中の光の眩しさに胸がいっぱいになる。理屈じゃないね。絵画のことは詳しくわからないけどただただ立ち去りがたい気持ち。
レンブラントの「百グルテン版画」も来てた。来てるの知らなかったからちょっと得したカンジ。「ガニュメデスの誘拐」これは悪ふざけ?画面中央で堂々とちびってるなんてある意味感動。枢機卿の房飾りが「アホ」「頓馬」という意味も持つとか。レンブラントにこんなお茶目な作品があるなんて。
ティツィアーノ「白いドレスの女性の肖像」ちょうど先週広島県立美術館でティツィアーノ本人でなくその弟子の作品でお茶を濁されたばかりだったのでなんとなくありがたみが増す。
ダールをはじめとして美しいドレスデンの風景をを描いた作品や、ロイスダールの滝の絵、見応えのある作品が多かった。
マイセン磁器とアジアの手本も実に興味深かった。マイセン磁器とその元になった中国の磁器や有田焼がセットで展示してあった。パゴーテと布袋和尚のようにアレンジが加えられているものや、かと思えば有田焼を忠実に再現しているもの。バラエティに富んだ内容である。中でも私のハートを鷲掴みにしたのはブルーオニオン。元になったそのものではなく時代の下ったものではあるが、並べてみるとわくわくする。柘榴を見たことがないヨーロッパ人が青い玉葱と勘違いしたという話が今までどうもピンとこなかったのだけど、こうして皿を並べられるとああそうだなって納得。最初にブルーオニオンを描いた人の困惑した気持ちを考えると微笑ましくてつい作品の前でくすっと笑ってしまう。
アウグスト強王のローズカットダイヤモンドも目が眩みそうだったけど豪華な礼服セットに絹の長靴下まで残っているのにびっくり。レッグ部分はきれいなままなのにフット部分の損傷が激しいのが使ってる感が出てていい。
とても満喫できました。疲れたけど行ってよかった。
10月にまた神戸にフェルメールとレンブラントが来るっていう張り紙も嬉しかったね。
勿論また行きます。