れすぃむり るーずなーめむ

一個研究現代東北回民史之人的日常記録。

「何ヶ国語できますか?」

2006-01-27 17:11:55 | Fikrimce…
こんにちは。
今回は「言語」に関することですこし。

以前の記事でモンゴル語の学習を始めた旨を書かせて頂きましたが、
日本ではどちらかといえば学習者が少ない言語の勉強などしておりますと、
「それってどんな言語/言葉?」なんてことを聞かれることもあります。
で、「語句の並び方で言えば日本語や朝鮮語に近い」とか、
「トルコ語なんかにも文法がよく似ている」などと言いますと、
「何ヶ国語やってるの?」なんて返事を呉れる人がいたりします。

「何ヶ国語やってるの?」「何ヶ国語できますか?」
日本においては、学習する(した)言語の数を聞く際、よく聞かれる表現ですね。
しかしながら、この「何ヶ国語」という、ある言語はそのままある「国家」と結び付けられるという前提を元にしたような表現には、少し違和感を覚えます。
例えば、「私は(現代)ウイグル語とサラル語とサリグ・ウイグル語を勉強しています」などと言った場合、言語の数から言えば三つですが、使われている「国家」の数は一つでしかないわけです。
ウイグル語も、サラル語も、サリグ・ウイグル語も、それぞれ「中華人民共和国」に居住する「少数民族」の言語ですので。
(もっとも、ウイグル人は旧ソ連領に逃亡・移住した人々も結構いますが)

「国家」を持たざる「民族」言語の存在や、
「公用語」が多数存在する「国家」というものが現実に多数存在する以上、
「一民族・一国家・一言語」といった認識に結びつきやすい表現は、余り使わない方が妥当ではないでしょうか。
考えすぎなのかもしれませんけれどね。

それでは。

ある「狼」の帰国。

2006-01-23 15:27:50 | Gunlerimden
こんにちは。
先日こんなニュースが日本でも報道されましたね。
犯人の罪名が「ローマ法王暗殺未遂」とそれなりにショッキングですけれど、何ぶん25年前の話。
今の大学生くらいから下では、知らない人の方が多いかも知れませんね。

で、何故今回この報道を取り上げさせて頂くかといえば、犯人が以前(今も?)所属していた(いる)「右翼団体」の名前が幾つかの報道紙では挙げられているからで。
普通、トルコの「右翼団体」の存在が日本のメディアで取りざたされることなんて、そうありませんからね。

犯人メフメト・アリー・アアジャが所属していた(る)とされているのは、ボズクルトBozkurtという組織。「極右団体」と称されることが多いようですが、「民族主義者行動党」という政党(今は院外政党のようですが)のれっきとした下部組織です。

新聞などで記事として取り上げられる程に同組織が勢力を拡張するようになるには、1960年代にトルコ国内で学生などによる左派勢力の運動が盛んになったことに対し、政府がそれへのカウンター・パワーとして活動を容認したことが大きかったようです。
「トルコ民族」のアイデンティティという文脈においてイスラームを積極的に評価していることから、ドイツなどにおける移民も含めた、「世俗化」についていけない人々や、「西洋的社会」で疎外感を感じている人々の間で今も共感者を増やしているとか。

法皇暗殺未遂犯も、もともとは自分のアイデンティティに危機感を感じた「よわい人」であったのかもしれませんが、強い「狼」となったことで得られる安心の代価としては、多年の服役というのは余りにも大きなものであるといえるでしょう。

それでは。




モンゴル語を始めてみる。

2006-01-19 17:37:07 | Gunlerimden
こんにちは。

自分の専攻とする分野とは余り関係がないのですが、
つい先日まで講義にもぐらせて頂いていたモンゴル史が御専門の先生の許可を頂き、
モンゴル語歴史文献の講読会、なんてものに参加させて頂くことに。

で、文法も何も全くわからぬまま参加するのも失礼と思い、
モンゴル語の勉強を始めてみようと思っています。

取り合えず「よい」と紹介された参考書を借り出してみましたが。
辞書を引き引き少しづつでも読めるくらいまでは続けたいとは思います。

ついでに。
「モンゴル語」で検索していたところ、こんなページを見つけました。
「モンゴル文字」で「自分の名前を書いてみよう」なんて、結構面白いのでは。

それでは。

講演会「オスマン帝国と地中海」

2006-01-12 16:33:15 | Gunlerimden
こんにちは。

京都には、日本とトルコとの民間交流を主たる目的とする「日本トルコ文化協会」という団体がありまして、年に何回か開かれている同協会主催の講演会には、私も何度か参加させて頂いています。
で、今回は今月22日に開催予定の同講演会の情報に関してすこし。

講演の中身としては、「オスマン帝国と地中海」という題目のもと、関西大学の新谷英治教授が16世紀までのオスマン帝国による地中海への進出の過程と同時代のヨーロッパ人の活動になどについてお話して下さるといったもの。

場所は京大会館、参加費は2000円(学生は1500円)で、トルコワインとオードブルがついてくるとのことです。

御興味を持たれた方は、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
(一応、「要予約」だそうです)

それでは。

エジプトのユダヤ人。

2006-01-06 15:55:25 | Gunlerimden
こんにちは。

先日「初買い」でこんな本を買ってみました。
臼井陽『見えざるユダヤ人―イスラエルの〈東洋〉』平凡社選書、1998年。

同書は、ややもすると単一的な文化的・社会的単位として語られがちなイスラエルの「ユダヤ人」たちが、建国以前の出自によって異なるアイデンティを持ち、複数のエスニック集団を形成していることや、イスラエル統治下における「アラブ」/「ユダヤ人」の関係について比較的詳しく纏められた書籍であると思うのですが、
所載された情報の中でも、私が不勉強ゆえ知らずにいて驚かされたのは、
革命以前のエジプトの映画業界を担っていたのが同地のユダヤ人であるということです。
ハリウッドに進出し名声を博したオマー(オマル)・シャリーフもその一人であるとか。

オマル・シャリーフといえば、最近こんな映画でフランスのトルコ人移民の老人なんて役を演じておりますけれど、彼が映画の中で孤独を癒してあげる少年がユダヤ人という設定となっていることを考えると、なんとも不思議な感じがしますね。

それでは。