れすぃむり るーずなーめむ

一個研究現代東北回民史之人的日常記録。

「阿米乃」之義。

2008-03-14 20:13:53 | Huimin Xiaoce
こんにちは。
前回と似たようなお話(?)になって済まないのですが。

昨日何気なしに、
先の渡満の際に哈爾濱で購入した冊子,
『孩提(アラビア語名Xatm al-Qur’ān)』を、
ぺらぺらやっておりまして。
似た様な冊子は既に持っておりましたので、帰国後も目を通さず、
正直今回読んだのが初めてみたいなものなのですが。
最初の数頁はクルアーンの開扉章を語毎に区切って説明しているのですけれど、
礼拝時に同章句読誦後唱える語āmīnに就いても少し補足文がありまして(写真)。

曰く、
「此の句は4字であり、4人の聖人を指している。
āはアーダム〔アダム〕聖人、mは預言者ムハンマド聖人、
y〔īと同字〕はヤフヤー〔ヨハネ〕聖人、nはヌーフ〔ノア〕聖人である。
この4字を礼拝の際敬虔に唱えた時は、主が4聖人の位階〔?〕を与えて下さる」
云々と。

私も幾つか漢語のクルアーン訳注書を読んだことがありますが、
こんな注釈は見た覚えが無いような…。
Āmīn自体はキリスト教のアーメンと一緒で、
「かくあらしめ給え」みたいな意味みたいですけれどね。
上記の冊子の記述には、恐らく何か基づくところがあるのでしょうけれど。
実際の所、どれだけ「一般的」な説明なのでしょうか。

何分門外漢ではありますけれども、少しく気になるものですので、
何か御存知の方がいらっしゃれば、御教示下さると幸甚です。

それでは。

Cin’de muslumanlarinin dini risaleleri 3。

2007-11-14 17:40:58 | Huimin Xiaoce
こんにちは。
前回に引き続き、
今回も遼寧で購入した回民用小冊子の紹介をば。
伊斯蘭教知識小冊組委員会(編)『清真小学』ヒジュラ暦1416(1996)年*
 *伊本・伊布拉欣(イブン・イブラーヒーム)署名の序文記載による。

題目に「小学」とあることからもわかりますように、
モスクでのムスリム子弟教育の啓蒙読本として編輯されたようですが、
編輯側の意図としては、
夏期・冬期休暇中などの短期学習に便利な本作りを狙ったらしく、
「基本的な内容は15日程度で教えて了える」(前言)、
極めて簡便なつくりとなっています。
具体的にどの様な構成になっているのかについては、
例の如く、目次の記載を以下引用させて頂きましょう。
(〔〕内は本記事作成者による補注)

前言

第一課 我們是穆斯林〔我々はムスリム〕
第二課 塞倆目〔サラーム(挨拶)〕
第三課 米沙格〔ミーサーク〕
第四課 清真言〔“アッラーの他に神無く、ムハンマドはアッラーの使徒なり”〕
第五課 作証言〔シャハーダ(信仰告白)〕
第六課 伊瑪尼〔イーマーン(信仰)〕
第七課 六大信条〔六信〕
第八課 伊瑪尼的条件与断法
第九課 法提哈〔ファーティハ(クルアーン第1章)〕
第十課 百格頼〔バカラ(クルアーン第2章)〕
第十一課 依赫倆俗〔イフラース(クルアーン第112章〕
第十二課 法頼格〔ファラク(クルアーン第113章)〕
第十三課 納斯〔ナース(クルアーン第114章)〕
第十四課 拝功
第十五課 作浄〔礼拝前の浄め〕
第十六課 挙意
第十七課 礼拝
第十八課 拝後祈祷
第十九課 穆斯林日常用語
附:班克、大賛詞、大講伊瑪尼

ざっと読んで頂ければお解かりのように、
先に紹介させて頂いた『穆斯林大全』と共通する事項も多いのですが、
児童用の教科書ということでペルシア語のニイヤなどは収録されず、
クルアーンの引用も専ら漢字による音訳が示されるのみです。

また、本書の最大の特徴としては、
講義を進める上で便があるようにという配慮からか、各項目が概ね
①主題説明
②関連ハディース引用
③用語解釈
④課題提示
の順で構成されている点が挙げられます。
例えば「伊瑪尼」の場合なら、
一、イーマーンの規定は、心の中の誠信、口での証明、使徒がアッラーから齎された一切の法規である。
 (1)イーマーン・ムジュマル(総括的信仰)
   音:アマントゥビッラーヒ・カマーフワ・ビアスマーイヒ・ワスィファーイヒ・ワカビルト・ジャミーア・アフカーミヒ。
   義:我はアッラーに帰依す、その名と属性によって示されているがごと。
我は彼の一切の決定を受け容れん。
 (2)8つの信徒の基
   1、アッラーが唯一であると認めること。
   2、アッラーの正しき道を知ること
   3、使徒を尊敬すること
   4、イマームを尊敬すること
   5、人に善行を勧めること
   6、人の悪行を止めること
   7、奸人を遠ざけること。
   8、賢人に近づくこと。
二、ハディース
 1、「イーマーンには72の部分がある。最高のものはシャハーダであり、最低のものは道の石を片付けることである。
   恥を知り自愛するのも、信仰の一部である」
 2、「信仰は最も素晴らしい信者、すなわち性格が最も親和的な人(のものだ)」
三、用語解釈
 1、ワージブ:アッラーの命で当然履行すべき義務。イードの集団礼拝など。
 2、タウヒード:アッラーが唯一と認めること、アッラーに対する唯一の崇拝と絶対服従。
四、課題提示
 1、イスラームの何たるかを叙述する。
 2、総括的信仰の暗誦と解義。

という具合です(13‐14頁より翻訳・抜粋)。

現在のあちらのムスリム教育に関心をお持ちの方ならば、
読まれてみられたら少しく面白く感じられる部分もあるかもしれませんね。

それでは。

Cin’de muslumanlarinin dini risaleleri 2。

2007-11-13 00:12:46 | Huimin Xiaoce
こんにちは。
ここ数日これといったネタになる話もなかったので、
以前こちらに書かせて頂いた様に、
今回は過去遼寧にて購入した回民用小冊子の1つを紹介させて頂こうかと。
伊布拉欣(イブラーヒーム)李文玉(編)『穆斯林大全 中阿対照』出版地・年不明。
(アラビア語名Da`āwāt al-`Ibāda wa Fawā'idhā『務めとしての祈念と恩恵』)

『クルアーン』及び『雑学』『礼拝必読』を基に編集されたという(序言)本書ですが、
アラビア語名が示すように、
各種宗教儀礼の祈願・祈祷文の紹介が殆どを占めています。
具体的にどの様な儀礼に関する記述が見られるかに関しては、
以下に記す本書の目次を御覧下されば、
大体の内容がお判りになられるかと。
(〔〕内は本記事作成者による補注)

編輯序言
六大信仰総綱
命令與禁止
討白〔tawba「悔悟」〕的意義
一、全討白念詞
二、穆斯林日用応答
三、穆斯林日用祈祷文
四、封斎〔断食入り〕挙意
開斎〔断食開き〕挙意
宰牲祷文
五、 上墳前祷文
上墳後祷文
六、 求恕詞
開端章〔クルアーン第1章〕
黄牛章〔クルアーン第2章〕
晨光賞〔クルアーン第89章〕
前定章〔クルアーン第97章〕
争富比闊章〔クルアーン第102章〕
多福章〔クルアーン第108章〕
不信主章〔クルアーン第109章〕
勝利章〔クルアーン第110章〕
麦薩徳章〔クルアーン第111章〕
忠誠章〔クルアーン第112章〕
黎明章〔クルアーン第113章〕
衆人章〔クルアーン第114章〕
誦古蘭経章節後“睹阿宜”〔du’ā「祈願」〕
大小浄儀式図
喚礼(邦克〔bāng「礼拝の呼掛け、アザーン」〕)
拝時
邦不達〔bāmdād、一日最初の礼拝〕(晨礼)業提〔(ni)yya〕挙意
撇使尼〔pīšīn、一日二回目の礼拝〕(晌礼)業提挙意
的各熱〔dīgar、一日三回目の礼拝〕(晡礼)業提挙意
沙目〔šām、一日四回目の礼拝〕(昏礼)業提挙意
伙夫坦〔xoftan、一日五回目の礼拝〕(宵礼)業提挙意
主麻〔Jom’e、金曜日の集団礼拝〕業提挙意
開斎節〔断食月明けの祭り〕業提挙意
宰牲節〔犠牲祭〕業提挙意
站者納則〔janāza「葬礼」の立会い〕業提挙意
男礼拝儀式図
女礼拝儀式図

尚、一応「中阿(漢語-アラビア語)対照」と題に記されてはおりますが、
所収の文言の一部(1日5回の礼拝及びイードのniyya)は、
ペルシア語で書かれておりまして。
(「Niyyat kardam ke…」云々等々)
一般の回民がペルシア語をどれ程解するかについては疑問の余地もあるものの、
(限られた例ではありますが、瀋陽にて本書を購った、
「回民市場」内の雑貨屋のおばちゃんは、
 同店で扱っていたYāsīn章のウルドゥー語注釈小冊子@パキスタンを、
「ペルシア語の本」と言って売っておりました 笑)
現在の中国イスラームにおける同言語の影響を考える上で、
少しく興味深い事例を提供してくれているのでは、と思います。

それでは。

Cin’de muslumanlarinin dini risaleleri 1。

2007-09-18 17:44:40 | Huimin Xiaoce
こんにちは。

今回以降、折に触れて(言い換えれば、ネタが無くなったら 笑)
私が中国で買った回族用の冊子を紹介しようと思います。
私自身はあちらの事情について殆ど知らぬ身ですし、
専門の方(こちらを御覧になられておられるならば、の話ですが)から見れば、
不勉強の謗りを免れ得ないモノとはなるでしょうが、
恐らく通常の書店等では出回っておらず、
且つ内容が「彼ら」向けに特化されたものであることが多いため、
フツーに観光先などで目に出来るモノではないですし、
「多様な文化の混在地」としての中国に関心を持つものの一人として、
「あの国にはこんな本を書いたり読んだりしているヒトもいるのだよ」と、
書かせて頂くこと自体は、そんなにマズイことではないと思いまして。
若し何か不適切・誤解を生じる様な記述があると思われたら、
御指摘頂ける様御願い致します。

で。
今回紹介させて頂くのは、「亥帖」と言うブツです。
写真のアラビア語タイトルを御覧になれば御分りの様に、
「亥帖」というのは、Xatmという語の音訳でして。
一般的にはクルアーンの章句を選集したものを指すようですが、
モノによって随分と分量が異なることもあり、
収められた章句の多寡によって、「大」「小」と区別されるとのこと。
(『中国回族大詞典』江蘇古籍出版社、1992年、83頁)
今回買って参ったのは、かなり小さなモノで、
(写真で左横に置いたのは1元硬貨です。参考までに)
収録されているのもアラビア語本文のみですが、
昨年末購入したモノには、
漢語対照訳文・漢字による音読用表記などを附載するのも有り、
多分探せばもっと色々なヴァージョンを目にすることが出来ると思うので、
今後訪中の際には時間があれば探してみたいと思います。

なお、今回紹介したモノを含め、
こうした冊子のうち幾分かは私の所属先に寄贈手続きをとっておりますので、
今後もし手にとってみられたいという方がおられれば、
ご連絡下さい。

それでは。