自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

たのしいロケハンのしかた。

2017年06月08日 17時40分39秒 | おしごと日記

ロケハン。ロケーション・ハンティング。
撮影のための下見のことですね。
テレビの仕事をしていて、これが一番たのしい、というスタッフは多いです。
朝から晩まで下見に駆けずり回っているので
へとへとにはなりますが、
やっぱり撮影とは違うため、気楽なのです。


きょうはその「たのしいロケハン」の一部始終をご覧いただきましょう。







場所は青森県某所。
道を俯瞰できる場所をさがしております。
まずは「撮りたい場所」が見下ろせそうな丘などに当たりをつけます。
見ると、山の中腹に草地があって、
小屋らしきものが建っている。
あの場所に辿り着ければ、良い画が撮れるに違いない!


山の中腹に向かい、車で登っていくと…





あらら、道がなくなってしまいました。


ここで諦めてはいけません。
「誰も撮ったことのない絶景ポイント」を探すのが
私の使命だからです。





近所の人に聞き込みをすると、
草は生えているが、いちおう道は続いていて、
立ち入り禁止でもないらしい。
近所の人にたのんで車を置かせてもらい、ちょっと歩いてみることに。





確かに道は続いていました。
季節は春、ヘビなどがいたらたまったもんじゃありません。
手頃な棒をゲットして、前方の地面をたたきながら進みます。





10分も歩くと、草が生い茂って、
道がほとんど見えなくなりました。
ここで、私はあることを思い出します。



熊とか、いるよね…



春の熊はヤバイ。
しかし熊よけの鈴なんて持っていません。
とりあえず大声で歌を歌いながら進むことに。
途中で人に聞かれでもしたら、あきらかに変人にしか思われませんが、
かまっちゃいられない。


しかし、たいへんな事態が起こります。
20分も歩くと、得意な歌のレパートリーが終わってしまったのです。
そもそも歌うことが虚しくなってきた。
どうしようかと迷っている暇はございません。
歌から奇声に切り替えます。


猿の鳴き声のマネ。
犬の鳴き声のマネ。
誰もいない山道で、ひたすら動物の鳴きマネを繰り出します。
しかし、けっこう体力が要るなあ、と思って
豚の鳴き声のマネをしたら、喉を痛めてしまいました。

楽に大きな声が出る音を探ったら、
マイクがハウリングしたような裏声が一番よかった。

「アー、オー、アー、オー」


ひたすら裏声を出し続けます。


歌ならまだしも、これを人に聞かれたら
明らかに頭のおかしい人です。
しかし、熊に出くわすのに比べたら、なんぼ良いことか。
めげずに奇声をあげ続けます。


すると、面白いことが起こりました。

私が「アー」というと
「フワーン」というような鳥(?)の鳴き声が返ってきます。
「オー」と言うと、また
「フワーン」という鳴き声が返ってくる。

「アー」「フワーン」
「オー」「フワーン」

私を仲間だと思ってるのでしょうか?







けっきょく、40分歩いた末に、
丘の上に登れるような場所は見つからないまま
民家に出てしまいました。


農作業をする夫婦に、あの小屋のある草地へは行けるのか、と聞くと、
行けるのは確かだが、途中の林の中へ
突っ込んでいかないとダメらしい。






…こんなズボンとシューズでは、無理だ…。



40分かけて来た道を、ふたたび戻ります。
もちろん、奇声をあげながら。



無駄なことをしたんだな、と思うなかれ。
あの俯瞰ポイントに、一歩近づけたではありませんか!
ロケで来る時には、もちろん登山グッズを持ってきます。
そう、「誰も見たことのない絶景カット」を撮るのが
私の使命ですから★

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あれは、仲間か何者か? (てんてん)
2017-06-08 20:42:37
本当に、仲間だと思ってくれたのでしょうか?
「何か、おかしなの来たで!」って森の中でちょっとした騒ぎになってたりして(笑)
返信する
てんてんさま。 (D☆)
2017-06-22 23:10:35
森の謎の鳥?とは、絶対会話になってました。
こんどは別な森でも試してみようと思ってます。
人のいない森限定ですが…☆
返信する

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