自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

56さんのローラー練でハイになる。

2016年07月25日 15時36分51秒 | 自転車



名古屋に用事があったので、
夢だった筧五郎さん(以下56さん)のローラー練習に
参加させていただいた。


夜な夜な名古屋の56さんちで行われている
ローラー練。
「ひたすらモガかされる」
「1年で平均60w上がった人もいる」
などなど、噂の絶えない夜練だ。
昨年の取材の際に見させてもらって以来、
体験してみるのが夢だったのだ。



私のふだんのパワーをもとに、
56さんがメニューを作ってくれる。

アップ(340W) 3分
レスト 3分
270W 2分
250W 2分
270W 2分
………こんな調子で1時間弱。


「これ、高すぎやしませんか?」と聞くと、
「Dさんの数字だったらできるはず」と。


ローラー台にまたがって、軽く漕いでみる。
実は私、固定ローラーをまともに漕ぐのって
ほぼ初めて。
(いままでは3本ローラーしかやったことない)

…固定ローラーって、こんなに漕ぎにくいものなの!?
体はバイクを動かしたがるのに、まったく動かないので、
体がとまどってしまう。
そして、まったくパワーが出ない。
200W出すと、脚が「オーバーペース」と言ってくる。
速攻で56さんところへ行き、数字を下げてもらう…。


参加者は私を含めて6人。
2分ごとに全員が平均パワーと心拍をコールする。
「261・165」という具合。
みなさん剛脚、私以外の人は皆240W以上で漕ぎ続けている。


漕ぎだしてすぐに、ケツが痛くなる。
感覚的に、サドルが1.5センチ高い感じがする。
パワーは200Wを維持するのが苦しい。
「なぜ? なぜ?」
頭の中は疑問だらけだ。


…結局、後半は180Wを維持できなくなって、
周りが260W以上の数字をキープしている中、
ひとりでタレまくって、攣ったことのない四頭筋が攣った。
(もちろん攣ってないフリしてた)


「練習サボってるでしょ?」
「ペダリングが下手。チェーンの音が一定でない」
「ペダリング効率を測れば、ひどい数字がでるはずだ」


ふだん言われないような「ドS」な言葉が投げつけられる。
あたしゃドMじゃないので、まったく嬉しくない。
「1日2時間睡眠で過ごしてみやがれ」「パイオニアでは効率65%以上出てるんだ」
そして頭の中は、言い訳ばかり湧いてくる。
しかし、語れるのは数字だけ。「ハイ」と答えるほかなし…。

「あと9本」
「ハイ!」
「バイクが暴れるのはペダリングが悪いからだ」
「ハイ!」

ちくしょー。
悔しすぎるけど、仕方ない。
レースの世界は、記録と数字がすべて。
負けたものは、何を言っても「才能がない」か「練習不足」のどちらかなのだ。


そして私は、灰になった…。





固定ローラーなんて大嫌いだ。
そう思ったけど、あまりに悔しいので、
会社でローラー練を始めた。


サドルを1.5センチ下げたら、バイクが暴れなくなった。
でも、数字は200W30分キープが精一杯だった。
会社の会議室が汗で水たまりになったので、
スタッフが出社する前に掃除した。


この番組をやっている以上、私に
「退く」という選択肢はない。
おそらく次に56さんのローラー練に出るチャンスは、1年以内にはないと思う。
でも、次のチャンスの時までに、数字を上げてやる。
この練習が、本当に効くのかどうかは、やってみたら分かる。



東洋フレーム試し乗り。

2016年07月19日 22時45分53秒 | 自転車


大阪に、「東洋」という名のフレームを作る職人たちがいる。
先日、その「東洋」のTさんが、
数台の試乗車を持って、会社に立ち寄ってくれた。



「東洋」のウワサは、かねてより聞いていたけれども、
周りにフレームを持つ人もいないし、
私はコルナゴのクロモリ名器・
マスターオリンピックを持っているので、
個人的には縁がないと思っていた。
けれども、他のメーカーにいた知人のTさんが「東洋」に入ったことがきっかけで、
触れる機会に恵まれたのだった。



まずは東洋の代名詞、クロモリフレームに乗らせてもらう。
見た目の美しさは言うまでもないとして、
乗り味に驚いた。思ったよりも硬く、反応が良い。
クロモリは、振動を気持ち良く吸収する柔らかさが魅力なのだが、
これはレースでも使える硬さを併せ持っている。
重量も、良いパーツと組めば、
軽く7キロは切れるだろう。


続いて、カーボン × クロモリのハイブリッドバイク。
これはめちゃくちゃ興味があった。
いったいどんな乗り味なのか…?



またがって「あれ?」と思った。
反応が、まったりしている。
「何だこれは?」「これが東洋の最上級フレームか?」
自問自答しながら、10kmほど走った。

疲れた。

「ひょっとして、これが元凶?」






初めて見たホイールなので、その乗り味を加味してフレームを見られなかった。
シマノの「RS81」というセミ・ディープリムホイール。
これがフニャフニャだから全体の反応が遅く感じた、という可能性もある。


念のため、Tさんがたまたま持って来てた
フルクラムの「レーシングゼロ」を履かせてもらう。
ひと漕ぎして、全てがわかった。





ぬおおおおおお〜!
すっげえ反応の良さ!
なんだよ、あの反応の遅さは
ホイールがフニャフニャだからだ。
これは「サスペンションか?」というぐらい柔らかい。
いっそサスペンションとして売ったほうが
評判は良いにちがいない。
(間違いなく試乗車に履かせるホイールではない…)


東洋のハイブリッドフレーム。
その乗り味は、ほかのフルカーボンとは一線を画している。
まったく初めての乗り味。
カーボンの乾いた感じはほとんど感じず、
クロモリのしっとりした感じがベースになっている。
でも、「しなるのに、硬い」。
ムチの持ち手が超高剛性カーボンで、先端がクロモリのしなり、という感じで
踏んだパワーが返ってくる。
おそらく、クロモリ部分も
けっこうな剛性なのだと思う。



ものづくり、という分野では、
やはり日本人は凄い、と思わされる1台。
今乗っているC59が壊れたら、次はこれだ。
いつになるかは分からないけど。
1年後か、2年後か、明日か……★

全力企画書。

2016年07月15日 00時20分09秒 | おしごと日記



今日、ある企画書を出した。
ひさびさに、自分で長期取材をしたいと思い、
書いた企画書。


企画の内容は、ある人のドキュメンタリー。
その人は、非常に能力が高い人で、
一見、社会的な地位もある。
しかし、とても不遇なところがあって、
なんとも言えない哀愁が漂っている。
いわゆる「背中で泣いてる」タイプの人だ。
その人が、私をとても信用してくれて、
私もその人を応援したくて、企画書を書いた。



いま、とても忙しいから、
企画書は2日寝ないで時間を作って書いた。
おそらく、放送局に送られるのは、数百にのぼるだろう。
倍率、数百倍かあ。


通らなくても、撮影は進めることに決めた。
だって、その人の信頼に応えなければいけない。
さあ、数年間かけてがんばろうか!






↑2012年のロードレース全日本チャンプ、土井雪広さんのバイク
 (と私のバイク)
 平均時速50キロ以上でミサイルのように走ってた。
 いや〜、イイもん見た。
 ※上記の企画とはまったく関係ありません

那須ロングライド、今年も波乱。。

2016年07月13日 02時25分11秒 | チャリダー★



誰もいない道を走っております。


毎年プライベートで参加している
「那須ロングライド」のスタート地点へ向かう途中、
スタッフの一人が落車。
付き添いで救急病院へ行ったため、2時間遅れのスタートとなったからです。



一昨年はうじき・オカリナコンビで参加し、荒天のため短縮コースへ。
昨年はエイドでのんびりしすぎてタイムアウト、短縮コースへ。
今年こそは100km完走! …と意気込んでいたのに、
しょっぱなから黄信号〜!


スタートからの30kmは、標高1462m地点までをひたすら上る。
2時間遅れのスタートでは、ここで足切りになる可能性もある。
スタッフの草場さんが「足切りは11時っすよ」と言うので
全力で飛ばす。
(実際は11:30…いつものガセネタだった)
1時間15分、平均230w。
みんなに追いついた時は嬉しかった!!





30km地点での足切りは回避できた。
しかし、油断してはいけない。
昨年のペースより45分しか早くない。
ここからは「エースうじき」を100km完走させるアシストとして
全力を尽くすのが、今回のゲームなのだ☆





困ったことに、エースはエイドステーションが大好き。
立ち寄ると、チャリダーたちとの話に花が咲き、
エイドのお姉さんたちに地元名物を勧められ…
エイドを満喫しちゃうのです。

「うじきさん、もう出ないとマズイっす」

エイドごとに言ってたら、
「今日のダイスケの決まり文句だな!」と。。






30km地点で私に追いつかれる時点で、
すでに足切り時間ギリギリなはず。
「2度あることは3度ある!」と笑って済ますこともできるけど、
やっぱり100km完走したほうが嬉しいに違いない。
それも、全員で走り切れたら最高でしょう!





下り坂、平地のたびに、うじきさんの前を引く。
パワーは130w。
人の前を引く時、パワー計はとても役にたつ。
坂道でも平地でも、同じパワーで引き続ければ
うじきさんも付いて来られる。

ちなみにモッピーを引く時は180w。
イノッチを引く時は260w。


一度、エイドをスルーし先行したうじきさんを追いかけるとき、
イノッチと二人でローテーションした(風よけ役を交代しながら走った)のですが、
イノッチがかなり上達しててビックリ。
あんなに他人と走るのが苦手だった人が…
振り向けば後ろにピタッと張り付いている。
そしていい呼吸でスルッと前に出て、引いてくれる。
あまりの気持ちよさに、300wで引いてしまった。
楽しかった!





「魔の88km地点」。
ここで足切りの場合、「短縮コースへ」的なプラカードを持ったお姉さんが立っている。
その分岐点まで、あと5km。
足切り時間まであと15分。
「うじきさん、飛ばせますか?」
「いいよ、やってみる!」
パワーを180wまで上げる。
うじきさん、喰らい付いてくる。


そして88kmの分岐点。
プラカードを持ったお姉さんは、まだいない!

うじきさんと、両手をあげて、
声をあげて通過した。




昨年、スタート直後に行方不明となったADアユは、
今年も気がついたら70kmコースを走っていたらしい。
そのアユ以外は、全員無事に完走した。
100km完走したところで、何の役にも立たないのだけれど、
きっと困った時に自分を支えてくれる、小さな自信ぐらいにはなると思う。


エースうじきさん、楽しかったっすね。
またどこかで、アシストさせてくださいね。
イノッチと一緒に、サポートしまっせ!!



よわいひと。

2016年07月06日 02時20分58秒 | おしごと日記



救急病院に行った。


待合室で、となりに巨躯の男性がやってきて、
そわそわしていた。
看護師さんが「今日はどうなさいました?」
と聞きに来ると、
男性はこう話し始めた。

「医学部に行きたかったんですけど…」


私は「え?」と思った。
話をそこから始めるのか?
男性と看護師さんは知り合いなのか?


男性、続ける。
医者か看護師になりたかったけどお金がなくて、
ダメだと思えば思うほど息が苦しくなって、
さらに80歳をこえた両親が公団住宅から出ていかねばならなくなり、
それをどうしようかと思うと、また胸が苦しくなり、
自分はノイローゼになっている。
薬を処方してほしい。
…と、一気にまくし立てた。


男性と看護師は知り合い、というわけではないらしい。
看護師さんは「看護師なら、働きながらでも資格をとれるわよ」などと
相槌を打ちながら、男性を診察場所へといざなって行った。



男性を見て、私はかつて友人から言われた言葉を思い出していた。


「五体満足なのに何もできない、という人が、いちばん辛いんじゃないかな」





私は、ともすれば「覚悟さえ決めれば何でもできる」と言いがちな自分を反省した。

本日のチャリダー、できたて。

2016年07月02日 05時08分25秒 | チャリダー★



本日、7月2日のチャリダーは
坂バカ女子部の「榛名山ヒルクライム」!
初レースは涙の結末…どうぞお楽しみに!


今回は久々に、産みの苦しみのあまり、
自信喪失しながら作りました。
他人が撮った映像を編集するのが
こんなに大変とは…
でも、面白くなったと思います!


それでは、3日ぶりに寝させてもらいます。。。むにゃ。



チャリダー★ 坂バカ女子部初レース!
7月2日(土)午後6時〜
@NHK BS1