自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

恐山ヒルクライム。

2017年07月25日 23時07分47秒 | 自転車




「いちじゅう積んでは 母のため…」


そんな歌がずっと聞こえる、賽の河原のあるところ。
それが私の、恐山のイメージだった。


恐山に行くと、いったい何が待っているのか。
いつか行ってみたい、しかも
自転車で。
上れる道があるなら、上りたい。



さあ、上ってきましたよ。
せっかく青森に来ているのだから、行かない手はない。
下北半島の先っちょ、むつ市までレッツゴー。



「恐山」「ヒルクライム」と検索しても、
なかなか詳しい情報が出てこない。
恐山をただ上るだけの人が少なくて、
ロングライドの途中で上った、という人ばかり。
いったい皆さんはどこをスタートにし、
どこをゴールにしているのか。


わからないので、とりあえず
麓のむつ市からの登山道にある最後の信号からスタート。

ゴールの候補は2箇所あって、恐山の最高地点・釜臥山展望台(標高900m弱)か、
途中分岐した先にある、賽の河原のあるお寺か。

坂バカの特性的には、とりあえず最高地点をめざす。






登山道には、古い石碑が並んでいる。
百十一丁……百十丁……百九丁……
お寺までの距離だろうか。
それともあの世までの距離だろうか。
とにかく残りの距離がわかるのは、とてもありがたい。



頂上の展望台までの距離は18キロ。
平均勾配は5%ほど。
急勾配はほとんどなく、ほぼ一定の坂道なので、
上るのがとても楽。
目標は1時間切りだ。



途中、水飲み場があった。
旅人たちが喉を潤してきた湧き水っぽい。
立ち寄りたかったが、ガマン。


自転車乗りは誰もいない。
時折いる登山客が不思議そうな目で私を見つめる。
自転車で坂を上るのは「物好き」なのだと
改めて思わされる。





一気に視界が開け、思わず声を上げた。
下北半島が一望だ。








平均242W。
割といいペースで登れて、51分39秒。
今のところ、分岐点以降の後半は
私がSTRAVAのKOM(キング・オブ・マウンテン)です。
ほとんどここを走ってる人がいないためです。
みなさん、チャレンジお待ちしてます(笑)。






展望ポイントから豪速球で下り、お寺へ。
恐山菩提寺。
創建は862年という。


到着して、目を見張った。
まさにこの世とは思えない美しさだった。
硫黄の湧き出る賽の河原と、緑の山。
不思議な色をたたえる湖。





何の跡だろうか。
船着場でもあったのか。





太鼓橋に「三途の川」の石碑。
ちょっとしたテーマパークのようだ。





うむ。
なかなかどっこい。


ちょっと期待していたが
イタコには会えなかった。



菩提寺の入山料は500円。
時間もなかったし、入らなかったのだが、
お寺の中には温泉があったらしい。
私はてっきり、寺の外の廃墟が温泉宿っぽかったので、
この地に温泉はないのだと勘違いしてしまった。

……入っとくんだった。



旅の終わり、十和田市に立ち寄る。
なぜかというと、ここはスタッフのふくし君の出身地。
こっそり実家に立ち寄り、写真を撮ってふくし君に送った。





実家の前をサイクルジャージでうろついていたら、
ご近所の方が優しく挨拶してくれた。
しばらく帰らない息子が帰ったとでも思ったのだろうか。




食べ物はおいしいし、景色も最高。
自動車ドライバーは自転車にとても親切。
青森、良いところだ。

また好きな土地が増えてしまった。

全日本選手権特集!

2017年07月22日 19時40分51秒 | おしごと日記



チャリダー★を始めた時、
私の中にはある夢がありました。


ロードレースの面白さを伝える番組を作ってみたい。


ロードレースは知の戦い。
肉体の強さだけではない、心理と戦略、駆け引き。
その詳細を映像化したかった。


しかし、「趣味」のための裾野の広い番組として始まったチャリダーでは、
プロのレースを題材にした企画は通らなかった。


なんとかならないものか?


遠大な計画を練った。
まずは「趣味」として絶大な人気を誇るヒルクライムを題材に番組を作る。
次にそのヒルクライムでの見えざる心理戦を描く。
同時に教官としてプロに出ていただき、その技術の高さ、キャラクターを見せる。
プロに素敵な人物たちがいて、その心理戦は面白そうだ、と思ってもらうため。

同時に、自転車界での「信用」を築く必要があった。
信用できないメディアに、ロードレースは撮らせてもらえない。
幸運なことに、ジロデイタリアの取材をきっかけに、
日本のプロツアーの取材もさせてもらえることとなり、
レース主催者に顔を覚えてもらえるようになった。


番組開始から4年半。
ついに念願が叶い、撮影させて頂けました。
「ロードレース全日本選手権 男子エリート」


いろんな方々のお力添えのおかげです。
なんとか今回の企画を良い作品にして、
この先もロードレースのドキュメンタリーを撮らせてもらえるようにしたいと思います。



ただいま絶賛編集中です。
自転車に乗る時間がないのが残念ですが、
あと少しです。
頑張りますよ!


放送は、まず8月上旬にBS1の「スポーツイノベーション」で
選手の皆さんから提供していただいた走行データをもとにレースをご覧いただきます。

そして、9月には…
おっとこれはまだ言えません。
言わなくても分かるでしょ?
どうぞお楽しみに。






ちなみに冒頭の写真は、全日本選手権の取材のあとに
立ち寄ってきた恐山(青森)。
18キロのヒルクライムのお話は、また次回★



低迷。

2017年07月17日 18時48分58秒 | 自転車



2週間ぶりの太平山。
体調もどらないけど、まあ8割ぐらいでは走れるだろうと


最近まったく走れてなかったので、
きょうはがっつり山岳を走りたい。
太平の麓から山頂まで4キロ10分。
ベストが300wだから、きょうは260wを10本やるつもりでスタート



…ぜんぜんダメ。
スタートから力が入らないまま、260wが精一杯で、
最後は落ちる一方、230wしか出ず。
平均245w。
こりゃFTPですがな。


「調子が悪いなあ」と思っていても
290w出ることもあれば、
「そこそこいけるだろう」と思ったのに
240wしか出ないこともある。
人体はふしぎだ。





結局、10分240wを5本やったら
ヘロヘロのバテバテで、山頂でダウン。
CCレモン飲んで、なんとか回復させて帰路へ。
78kmしか走ってないのに、辛かった。


風邪をひき始めてから2週間。
高熱が出てから1週間。
いまだに微熱が残っているし、
とにかくダルいのが治りません…これって一体何だべさ???


乗鞍まで1ヶ月半。
今年はプライベートでエントリーしていて、
1時間15分を目標に頑張っていますが、
これでは完走すらダメかも。
うーん、スポーツは難しい。。。





サドルを変える。サンマルコ ASPIDE SUPERLEGGERA

2017年07月12日 07時38分18秒 | 自転車
ここ1週間、完全ダウンでした。
風邪をひいても食欲だけはあるのが
私の良いところだったのですが、
液体以外まったく喉を通らず。


おかげで体重が念願の56キロ台に落とせました。


というより、1週間ほとんど食べてないのに
運動をまったくしないと体重は2キロしか落ちないのですね。


さて、月曜日からはまた編集の日々です。
1週間ぶりに自転車にまたがる。
まだフラフラするので、走れるかどうか心配でしたが、
走るとやっぱり気分がいい。
走ること以外に何も考えなくても良いのが気持ちいい。
気温は30度ですが、風が思いのほかひんやりしている。
まだ梅雨なのですね。






サドルを、変えました。


ここ3年ぐらい、FIZIKのVOLTA R1を愛用し続けてきたのですが、
5月ぐらいから週末ロングライドをするようになって、合わなくなった。
フォームが変わったのです。
まず前傾姿勢が深くなった。
それにともない、骨盤の角度が変わり、
サドルへの当たり具合が変わった。


70kmぐらい走ると、足先が痺れてきて、
こりゃ血流が良くないなぁと思っていたら、
気がつけばおちん○んの感覚がゼロになってた。

「おい! 起きろ! 起きてくれ!」

死んだ息子をゆさぶるように、
慌ててひたすらダンシング&手揉み。
人に見られなくてよかった。
感覚が復活するまで2分ぐらいかかったけど、なんとか復活。
使い物にならなくなったらどうするんだ!


というわけで、穴あきサドル。


私は骨盤の幅がものすごく狭い(100mm)ので、
幅が狭い人向きと言われるサンマルコのASPIDE(アスピデ)。
パッドがしっかりしてるのに超軽量モデル、SUPERLEGGERA(スーパーレッジェーラ)。
裏に実測値が書いてあり、105.6グラムだそうで。






このカーブが美しい。
これ見てるだけでごはん3杯いけます(笑)


病み上がりに打ち合わせ場所まで往復50キロ走りましたが、
いい感じ。
パッドがかなり良い。クッションが高反発。
表皮はレーパンが食いついたようにまったく滑らないので、
ポジションの固定にはかなりいい。
逆にポジションチェンジには腰をあげる必要があるので好き嫌いが出るかも。
私の場合、ポジションをスッと変えられるVOLTAに慣れ過ぎていたので
ちょっと戸惑いましたが、ポジションが不要にズレるよりも体力温存できる感じ。
アリオネやVOLTAほどの可動範囲はありませんが、
SMPほどポジションの幅は狭くなく、山岳コースでも行ける感触です。

さあこのサドル、100キロ走って血流がどうなるか…楽しみです。
今週は太平山に行けるかな…。

今週は「出張教習所」!

2017年07月11日 01時17分07秒 | チャリダー★



すごい勾配の坂が待っているぞ、という看板。

よく見ると、どうやら90度方向をまちがって取り付けたっぽい。

ミャンマーはおおらかな国ですな。




日本の道路事情は、おおらかではありませんね。
自動車、自転車、歩行者、それぞれが
マナーを守らないと大変なことになります。
…という「大マジメ」なことを、今週のチャリダーでやります。
2年ほど前に「チャリダー教習所」という交通ルール特集の回をやりましたが、
その第2弾です。
もちろん今回も精魂こめて、大マジメに作りましたよ。


自転車の交通ルールなんて、
いまさら恥ずかしくて人には聞けない…
そんなアナタにぜひ見ていただきたい!


今週土曜日は「チャリダー出張教習所」@NHK BS1。



燃え尽きたひとり撮影。

2017年07月04日 22時28分02秒 | チャリダー★


山口スペシャルをご覧いただき
ありがとうございました。
山口に行くたびに、こんなところに住みたいなあ、と思います。
山口のローカルテレビ局とか、仕事ありませんかね。
予算かけずに面白いものを作りますよ、私★





上勝ヒルクライムはいかがでしたでしょうか。
スタッフ1人ロケだったので、いろんな映像を撮るために
かなり工夫したんですよ。
今日はその「上勝ヒルクライムロケ」裏話でもひとつ…。





上勝町に入ったのはレース前日。
まずはコースの下見。
昼飯は地元の直売所でゲットした
たけのこ寿司。
こういうの大好きです。安くておいしい。

寿司をほおばりながら、スタッフ1人でどうやってレースを撮影しようか
考えながらコースを上ります。
(残念ながら車です…時間がなかったので)





スタートから1キロぐらいにあるヘアピン。
これだ。
里が見えて、激坂ぶりも分かりますね。
これをコース紹介カットとして撮りたい。
でも、レース中に持ち運べるのは小型カメラ1台のみ。
手持ちで撮ってもなんとかなるが、素敵なカットにはならない。
どうしようか…





とりあえず先へ進むと、激坂区間。
ここは手持ちカメラで、上ってくる選手たちの
ツラそうな顔が撮れそうだ。


撮影プランを考えながら、とりあえずゴールまで上る。
ふだんはやらない撮影方法をやることに決めて下山。






小さな山あいの町に宿は少ないため、
運営スタッフさんたちと相部屋。
こりゃあ楽しいぞ。
疲れていたのであっという間に眠れました。



早朝3時に起きて、出発。
コースが閉鎖される前に、コース上に撮影グッズを仕込んで戻る。



いよいよレースが始まります。
番組からの出演者は三谷さん。
いちおうバイクのチェックをして、
カメラを取り付け。
三谷さんの走りは「顔カメラ」と「見た目カメラ」の2台で。


私は自転車でレースを撮影。
会場の様子などはEOSで、レース中は手ぶれに強い小型カメラを使用。
会場でいろんな人にインタビュー。
そしてみなさんのスタートを撮影したら、途中で私もスタート。
まずは昨日見たヘアピンへ。
ここでできるだけ選手たちを抜かしておきたい。
なにせ出場者が260人しかいないので、
ボヤボヤしてると撮影する相手がいなくなっちゃう。



ヘアピン到着。
早朝に、このヘアピンを見渡せる崖の上に
三脚とEOSの広角レンズを置いておいた。
持ってきたEOSを三脚にすえて、ヘアピンを撮影。

撮影中、50人ほどが通過したか。
私より後から来るのは残り100名ほど。
のんびりしている暇はない。


三脚、EOS、レンズをここに置いて、
自転車でふたたび登坂。
人を追い抜いては止まって撮影。

ここで問題発生!
小型カメラが故障しちゃった……
というより、修理しておくように頼んでいたのに
スタッフが修理していなかった。
手振れ補正が効かなくなって、エラーが出る。
よく見ると「スイッチをON・OFFすれば直ります」というメモが貼られている。
しかし、何度ONOFFしても、いっこうに直る気配はなし。


残り少ない参加者たちが目の前を通過していく。


「バックトゥーザフューチャー」のマーティーが
落雷が起きる10時4分の直前、
止まってしまったデロリアンのエンジンを何度もかけ直す気分。
「直ってくれ…!」

しかも、あろうことか
カメラをいじっているうちに、レンズを汚してしまった。
オンエアで気づいた方、すいません。
あの画面の汚れは、私の焦りそのものでございます。



けっきょくカメラは直らないまま、ゴールへ到着…。
徳島のエナジードリンク「アワライズ」が
しょんぼりする私をなぐさめてくれた。


下山途中に三脚とEOS、レンズをピックアップしたのだが、
これはやめとけばよかった。
走行中に三脚がアタックしてきて
アザだらけになってしまった。






疲れ果てた……。
帰路につく参加者のみなさんを横目に見ながら、
機材とバイクを片付ける。
みなさんのリクエストにお答えしたくて、
でもお金をかけられないので1人で頑張ってみましたが、
今回が最後かも。。。






ごほうびは、1年ぶりぐらいのラーメン。
しかもめったに食せない徳島ラーメン。
忘れられない味になりましたとさ…★