『きみがぼくを見つけた日』

 

□作品オフィシャルサイト　「きみがぼくを見つけた日」
□監督　ロベルト・シュベンケ
□脚本　ブルース・ジョエル・ルービン　
□キャスト　レイチェル・マクアダムス、エリック・バナ、アーリス・ハワード、ロン・リビングストン、
　　　　　　　スティーブン・トボロウスキー、ジェーン・マクリーン、ブルックリン・プルー

■鑑賞日　１０月２４日（土）
■劇場　１０９ＣＩＮＥＭＡＳ川崎
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　予告で「ゴースト／ニューヨークの幻」の脚本家～
　・・・思わず先日亡くなったパトリック・スウェイジの顔やデミ・ムーア、
　ウーピー・ゴールドバーグの顔が過ぎる。
　かれこれ上映当時から２０年もの年月が経っているのに色褪せない映画の一つ。
　もちろん、その後何度も観直しているということもあるが、名作には違いない。
　
　もちろん、それと比較することは出来ないだろうが、
　それでもそのブルース・ジョエル・ルービンが、
　映画化するなら自ら脚本を手掛けたいと名乗り出たのがこの作品。
　ま、製作総指揮をブラッド・ピットが務めることも話題となったが、
　さて、監督が『フライトプラン』のロベルト・シュベンケ監督だということで、
　どこまでＢ．Ｊ．ルービンの世界を描けるのかがひとつの楽しみだったが・・・。

　原作はもちろん味読なのだが（汗）、
　好きだから、信じていたからこそ、ヘンリー（エリック・バナ）とともに生きることを
　決めたクレア（レイチェル・マクアダムス）。
　でもヘンリーは、自分をコントロール術を知らず、時空間を相変わらず彷徨う男。
　そんな中で彼の母親との再会や、幼い頃からのクレアや現代の実際の等身大の
　クレアと交わる。　時には時空間を行き交うことの特権を活かし、クレアにビックな
　プレゼントまで持ち帰るが、クレアはそんなプレゼントよりも彼との平穏な生活を
　望んでいる。　いつまたどこで消えてしまうかもしれない。　そんな不安の積み
　重ねが　互いの心の中にまですれ違いを起こしてしまう。

　多少のタイムスリップに不具合はあるし、彼の様々な時空間移動で、
　経年変化はただ白髪が増えることや髪の毛の増減のみ。　
　この時代にやや演出に不満は残るが・・・。　エリック・バナって今は亡き
　若い頃のクリストファー・リーブに似ているような気がして、まるで
　スーパーマンが時空間を行き交っている感じがしたものだ（笑）

　一方、クレアを演じるレイチェル・マクアダムス。
　この役は非常に難しい役だと思えるのだが、外見的なものではなく、
　内面的な心象を表現していかなければならず、そういう意味では
　よくこの役を理解し、自分なりに消化しているような印象を受けた。
　そういえば彼女、先日観た『私の中のあなた』を撮ったニック
　・カサヴェテス監督の『きみに読む物語』のアリー役を彷彿とさせる演技だった

　時空を飛び交うことは色んな意味で魅力的だとも思えるが、それを
　コントロールできないとすれば、家族と過ごす時間の制約を受けるその代償は
　大きい。　ただ、未来で自分の娘と出会い、しかも知らなかった秘密を
　聞かされることは　どんな思いだったのかの計り知れない。

　ブルース・ジョエル・ルービン＝『ゴースト／ニューヨークの幻』の脚本家。
　大きな期待をしてはいけないのだろうけど、期待をしないほうがおかしいだろう（笑）
　最近ゴーストを撮ったジェリー・ザッカー監督の目立った動きはないが、
　彼がＢ．Ｊ．ルービンのこの脚本で監督したらどうだったんだろうなぁ・・・。