京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『フライ,ダディ,フライ』(2回目)

2005-07-24 | 邦画

 お気に入りのこの映画をまた観て来ました~♪

□オフィシャルHP  
http://www.f-d-f.jp/site.html

◇cyazの記事
 ・
「フライ,ダディ,フライ」(金城一紀著)
 ・『フライ,ダディ,フライ』(一回目)


 しかばねジャージの鈴木 一は決してカッコいいとは言えないが、がむしゃらに頑張ることを忘れた中年世代には、無駄とも無謀だとも思える見返りのない努力を惜しまない。 その汗は恐らく綺麗なものなのだろうと思う。 決して娘を傷つけた石原に勝つためではなく、娘を助けてやれなかった、そして傷ついた娘を前に何もなす術がなかったそれまでの自分自身に勝ちたかったのだと思う。 一人の中年オヤジの現実味のない夏休みの特訓は、言い方を変えれば、“中年オヤジ改造講座”(少し前に似たような言葉があったような・・・。)だったのだろうか(笑) ?!

 鈴木は倍ぐらい舜臣より長く生きてきた。 同世代の娘も居る。 腸が煮えくり返るぐらい悔しい想いがそこにあってもいい。 だけど耐える。 休みを取るなら昇格はないと(原作ではそうではないが)上司に引導を渡され、それでも舜臣とトレーニングに明け暮れる日々を重ねる中で、舜臣の光と影を少しずつ感じていく。 何がシャイなのか、何がそうさせるのか、脇腹や顔の傷跡から、彼のこれまでの人生を自分なりに問うてみる。 答えは分からずとも、原作との描き方は違え、運動靴(スニーカー)であったり、飯に誘う鈴木に見え隠れする。

 在日高校生である舜臣は父親の記憶が殆どない。 むしろ刺された傷による中年オヤジに反感や復讐心を忍び持つ。 いつも家に帰るなり「ただいま、おかえり」と呟く。 そして母親からの「温めて食べて」のメッセージ。 在日であるがゆえに、普通の職に就けない母親が見える。 いつも犬と一緒の食事風景である。 彼は鈴木 一の中に何を見ていたのだろうか。 少しずつ少しずつ彼の中に書き込まれていく、他人であるが親子ほど年の離れた鈴木 一の存在。 父親の面影さえ追えず、母親の愛情さえ薄氷のような感じなのかもしれないが、鈴木 一の存在は、その彼の今まで与えられなかった親への愛情、親からの愛情がどういうものか、うっすらぼんやり理解し始める。 ついて出る言葉は心とは裏腹にきつい言葉で吐き捨てるが、鈴木が石原を倒した時には、娘を傷つけられ何も出来なかった中年オヤジの鈴木 一を完全に受け入れ、彼自身も今までの自分の殻から飛びさせることが出来た。 
 舞う姿はまさに彼の今までの人生を払拭するものであり、走り出す姿と鈴木にかけた「飛べ、おっさん」はこれからの生き方をも示唆しているのだと思う。


 ミスチルの「ランニング・ハイ」の歌詞の中にこういうフレーズがある。

  向こう側にいる内面とドッチボール
  威嚇して 逃げ回り 受け止めて 弾き返す

  「もう疲れた誰か助けてよ!」
  そんな合図出したって
  誰も観ていない ましてタイムを告げる笛はならねぇ
  なら息絶えるまで駆けてみよう 恥をまき散らして
  胸に纏う玉虫色の衣装をはためかせていこう


飛べたおっさん、鈴木 一に拍手~


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34 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆう)
2005-07-24 23:34:03
僕も昨日2回目を観てきました。この作品には勇気とパワーをもらいました!大好きな作品です。同じ感想の方がいると本当に嬉しいです!
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おなじですね~ (cyaz)
2005-07-24 23:47:38
ゆうさん、tb&コメントありがとうございますm(_ _)m



地震にもめげず、ひたすらこの映画を観てました(笑)

いい映画は何度観てもいいですね^^

DVDは多分買うでしょう! いやかみさんが絶対買うでしょう(笑)
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Unknown (toe)
2005-07-26 00:16:40
こんにちは。



コメントありがとうございました



確かに、実は救われたのは鈴木だけでなく、舜臣もだったと思います。

なんか、とっても二人の関係がうらやましかったです。



2回もご覧になったんですね~。

確かに、良い映画は何度観ても良いですよね~
返信する
おはつです~ (cyaz)
2005-07-26 00:43:16
toeさん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m



>とっても二人の関係がうらやましかったです

ほんと、そうですね~♪

世代を超えた男の友情みたいな^^



>良い映画は何度観ても良いですよね

そうですね!邦画を2回観るのは僕としても珍しいことなのですが^^
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ほんと、めずらしいですね。 (あかん隊)
2005-07-26 02:01:26
こんばんは! TBありがとうございます。

cyazさんが同じ映画を2回も(!)観るのは、本当にめずらしいんじゃないか、と思います。

さわやかに、楽しく、明るく…なれた映画でした。さっぱりしていて、好感が持てました。

そうそう、あのジャージのマークになんて書いてあるのか、最初はよく見えなくて…。終わりの方になって、書いてあることを確認できたので、それでまた笑ってしまいました。(原作を知らないから?)
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し・か・ば・ね~ (cyaz)
2005-07-26 08:45:13
あかん隊さん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m



前は気に入ったら同じ映画を3度劇場で観てましたが、

(DVDやビデオを加えるともっとかも(笑))邦画を2度というのは珍しいかもしれません^^



“しかばね”ジャージ、作ったらひっそり売れるかも(笑)?!
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TBありがとうございます (ミチ)
2005-08-02 17:53:54
こんにちは~。

私はまだ2回目見ていないので、一回目の記事をTBさせていただきました。すみません・・・。



ゾンビーズやスンシンが出てくる小説「レヴォリューションNo.3」を読んだのですが、そこでもスンシン達は大暴れしてくれて、とっても面白かったですよ~。



SW3回、宇宙戦争2回見てるんですが、なかなかこの作品は2回目行くチャンスがないんです・・・トホホ。
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2度目 (rubicone)
2005-08-02 20:59:13
cyaz様、こんばんは!



私も2回見に行ってしまいました!2回目の方がちょっぴり細かい点まで見られた気がしますが、やっぱり気分はしっかり「おっさん」になってました。



夏休み・・・海・・・青空・・・

よかったなあ~。
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ぜひに~ (cyaz)
2005-08-02 23:48:58
ミチさん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m



>私はまだ2回目見ていないので~

いえいえ、ありがとうございます^^



>小説「レヴォリューションNo.3」を読んだ

まだ未読なんですよ><

金城さんの新作「SPEED」も読みたいのですが^^



2回目、是非チャレンジして下さいね!
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なかま~ (cyaz)
2005-08-02 23:53:27
rubiconeさん、コメントありがとうございますm(_ _)m



>気分はしっかり「おっさん」になってました

良かったですね^^

こういうオヤジで擬似飛行をできること、

そして勇気付けられる「おっさん」もたくさんいることでしょうね^^

まさに僕もそのひとりかも(笑)
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