『フライト』

 

□作品オフィシャルサイト　「フライト」
□監督　ロバート・ゼメキス
□脚本　ジョン・ゲイティンズ
□キャスト　デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、
　　　　　　ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッド

■鑑賞日　３月３日（日）
■劇場　ＴＯＨＯシネマズ川崎
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　突然の飛行機のトラブルで、豊富なキャリアとテクニック、すばやい判断力で多くの人命を
　救った一人のパイロット・ウィップ・ウィトカー（デンゼル・ワシントン）。
　しかし、乗務前からアルコールやコカインを常習し、当日まさか機内でもジュースにジンを混ぜて
　飲んでいたウィトカー機長。　後の調査委員会で　その責を問われることになり、“ヒーロー”は
　一転“犯罪者”扱いになってしまう。　もし、彼がアルコールを飲んでいたとしても、突然のエンジントラブルで
　果敢にも迅速な判断で、被害を最小限に食い止めたとしても、また彼以外の健全な機長が操縦していて、
　この突然のアクシデントに、彼のように対応できたかどうか？　また不時着する場所の選択を
　誤っていたとしたら、全員助からなかったことだって想像できる。　調査委員会も機体の事故に
　よるものと判断し、彼の友人であるチャーリー（ブルース・グリーンウッド）や、彼を擁護する弁護士
　ヒュー・ラング（ドン・チーゲル）もほぼ勝算を確信していた。　あとは最後の答弁だけだったのに、
　彼は最後の最後で自分の否を認めた。　それまでアルコールを抜いてまで、調査委員会で
　自分を正当化できるチャンスを、何故か彼は自ら否定してしまった。
　家族との軋轢、彼女だった乗務員・エレン（メリッサ・レオ）の死、また新しい彼女ニコール（ケリー・ライリー）との
　出会いと別れ、彼を応援してくれる周りの人々の、それまでの、彼への想いとは裏腹に、
　自らが自らを戒める選択を選んだ。
　不時着するまでの飛行機内の様子や、スタッフとのやり取り、不具合が出てからの行動を
　肯定はしないし否定もしない。　ただ搭乗客の全ての命は彼一人の判断に委ねられていた。
　彼が選択したのは機長としての責任もそうだが、彼自身の今までの生き様や自らの過ちを認め、
　再出発をするための選択だった。

　デンゼル・ワシントン演じるウィトカーは飄々として、周りからの信頼も高い。　特にＣＡで長い付き合いの
　マーガレット（タマラ・チュニー）との掛け合いは良かったし、不時着を前に、息子へメッセージ（フライトレコーダー）に
　メッセージを残させるあたりは見所だったかもしれない。　世間から逃げるように実家に戻ったウィトカーが
　心の拠り所にしていたニコール役のケリー・ライリーとのやり取りも魅力だった。
　彼女、線は細いけどなんか持っている雰囲気はいいなぁ～
　直近では『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』のメアリー役で出ていましたねぇ。
　そして何よりスケットのハーリン（ジョン・グッドマン）のヘンテコリンな存在も忘れてはいけない（笑）
　デンゼル、いつもどんな役柄でも無難にこなすところは流石だと思うし、安定した俳優だと思う。
　『デンジャラス・ラン』、『アンストッパブル』に比べるとアクション性は少なかったようだが。