京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』

2007-11-08 | 邦画


□作品オフィシャルサイト 「ALWAYS 続・三丁目の夕日
□監督・脚本 山崎 貴
□原作 西岸良平
□キャスト 吉岡秀隆、堤真一、須賀健太、小清水一揮、小雪、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和、薬師丸ひろ子

■鑑賞日 11月3日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想> 

 前作『ALWAYS 三丁目の夕日』からちょうど2年が過ぎた。 その前作は、僕がブログを始めてその中の映画記事の中でも最もTBやコメントの多い作品でもある。 もちろんこの作品は、2005年に観た邦画(「2005ベストシネマ15(邦画編)」)の中で『パッチギ!』 と同様BEST1に選んだ作品だ。

 前作公開から2年が経ったけど、映画の設定は昭和34年。 前回同様に鈴木オートの人々を中心に、今作ではもっと深く淳之介(須賀健太)を中心に茶川(吉岡秀隆)・ヒロミ(小雪)のその後恋愛の行くへを中心に進んでいく。 中には六子(堀北真希)の幼馴染の話と淡い恋の一面も合わせて描かれていく。 そして鈴木家にも新たに一時家族が増えて。 
 
 昭和の時代の風景を、前作も今作も山崎貴監督お得意のVFX技術を駆使し、前作では東京タワー、今作は当時の日本橋界隈の風景を中心に、都電の走る風景等々、ヘタな近未来への描写とは違い、中年以上の方々には懐かしい時代にタイムスリップできたことが何より嬉しいことだろう。 

 それにしても冒頭いきなりゴジラとはやってくれまんなぁ~東宝さん(笑)


 出演陣もそれぞれが前作同様いい味を出していた。
堤真一、地もあんな感じなのかと思わせるほど、ガンコだけど愛情一杯のこの鈴木役が良く似合っていた。 SPよりは、そして2枚目半が良く似合う(笑) でも街を破壊しているゴジラに対し家族を救うべくミゼットを駆る彼は実にカッコ良かったし、戦友との語らいもさりげなく入れてもらったり。

 吉岡秀隆は決して演技は巧いとは思わない。 でも不思議に癒されてしまうところと何だか見ていて入り込んでしまうところがある。 それは彼の役者としての味であり、ひとつの才能めいたものなのかもしれないが・・・。 そのテイストはコトー先生でも同様だが、身に染み付いているのはやはり倉本流なのかもしれないが。

 もたいまさこはいよいよいい脇役になり、なかなかこういう作品では欠かせない存在になってきた。 少し前なら樹木希林だったのになぁ・・・。
 
 脇ではあるのだが、悪魔(宅間)先生役の三浦友和のたぬき踊り(探し)も見事だったし(笑) 昔の二の線からは遠くなったが、非常に味のある役者に代わりつつある、そして土曜日からはオダジョーと共演の『転々』も公開される三浦友和だが、奥さんの百恵ちゃんのことはあまり語らない彼だが、僕がよく読んでいるどらくのインタビューに答えている中に少しだけ彼女のことに触れている。 もちろんこの映画のことも話していますが。 興味ある方は読んでみて下さい。

     記事  「
人 インタビュー 存在感のある役者へ」  
 

 前回氷屋で登場したピエール瀧も、三種の神器の一つであった冷蔵庫の登場で、今作ではアイスクリーム屋に。 前作の寂しそうな黄昏た表情に比べ、今回は笑顔でよかった。 もちろん氷屋は続けているんだろうけど(笑)

 今のように脱水機や乾燥機がない時代に、あの洗濯物を絞るローラーに挟んで絞る様子は実に懐かしかった。 うっすら憶えているのは、母親が歯磨きのチューブを挟んで最後まで使っていたのを思い出した(笑) 今のように絞りやすいラミネートチューブではなかったから。

 この映画を観る楽しみは、当時の看板やグッズが登場し、特急こだまだったり、プロペラ機だったり、PANNAMの飛行機だったり・・・。 それが実に懐かしい。 時々、役者の演技よりも、小道具の方が気になってしまった(笑) ベーゴマは特に。
 そして今回も、茶川のあの「スカ」の書き味は最高だった(笑) 

 色々なブロガーさんのレビューで、前作の薬師丸ひろ子の評価が結構高かったのだが、僕は今回の方が良かった気がする。 若い頃、目の前のものも付き人に顎で指図するような女性が、こんな昭和の時代のおかあさんを演じることが出来るとは毛頭思っていなかったが、それでも経験は貴重な財産で、よく演じていたと思う。
 ただ将来を誓い合った人が上川達也なのはどうなの~

 どうなのついでに、貫地谷かほりの使われ方、ちょっとかわいそう・・・。 そして、手塚理美、『
象の背中』でも主人公(役所広司)の初恋の人役で出ていたけど、何故彼女、女優としてのオーラがなくなったような気がするのは僕だけか・・・。 監督、ここは他の女優さんの方が良かったのでは? 結構ここも幾つかのヤマ場の一つだったのに。

 何よりも泣けたのは、「ありがとう・・・、おかあさん」と別れに言った美加(小池彩夢)の感謝の言葉だった。 この時代は自分の子供だけでなく、他人の子供も自分の子のことのように叱り、同様に心配もした。

 「クリーム塗ってあげるね」、「このクリーム、使いかけだけで持って行ってね」というセリフはまさにおかあさんの優しい愛情が凝縮されていた。

 そしてよくやった、一平(小清水一揮) “24色の色鉛筆”。 最初に会ったときに外箱は綺麗だけど中は寄せ集めだった色鉛筆。 しこしこ東京タワーへ上るために貯めていたと思っていた貯金は実はこの色鉛筆を買うためだったのだ。 それはいつか来る美加との別れを知っていたかのように。
 六子に促されて差し出した包み。 美加が開けていいかと一平に聞いて開けたとき、一平の幼くも温かい男気に感動して拍手しそうだった

 小清水一揮クンがいい。 正直、前作は須賀健太クンに泣かされたが、今作は彼よりも断然光っていた。 ま、その理由は説明するのは容易で、今作は前作から4ヵ月後のストーリー設定だったのだが、前作公開から2年、須賀健太クンがちょっと大きくなりすぎていて、そこにイマイチ感情移入がし辛かったからだ。

 続き物は概して1作目を超えないと良く言われているが、今作はその超える超えないという比較を除外して、本当にいい優れた作品だと言えよう。


 僕が大学卒業まで大阪で過ごしたので、この時代の東京は知らない。 今、同時代を生きた泉麻人氏の「青春の東京地図」を読んでいる。 違う環境とは言え、昭和の時代、子供の世界は同じような景色だったと思う。


<追記>
  Asahi.ocmに興味ある記事が

          「三丁目は美しかった?」 50年前の東京

 


コメント (62)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プリンセスロール/モンシュシュ | トップ | ティファニー 1837-2... »
最新の画像もっと見る

62 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TB(-人-)ありがとう! (fire1000)
2007-11-08 13:43:22
cyazさんのレビューを読んでいて
また、鑑賞時を思い出して感動して
ウルウル(ノ_・、)
>比較を除外して、本当にいい優れた作品だと言えよう。
同感です!その通り~
監督GoodJob!
続編~ (cyaz)
2007-11-08 17:36:16
fire1000さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>cyazさんのレビューを読んでいてまた、鑑賞時を思い出して感動してウルウル(ノ_・、)
1も2も泣けましたよね><

>比較を除外して、本当にいい優れた作品だと言えよう。
同感です!その通り~ 監督GoodJob!
次はまた続編アリですかね(笑)?
Unknown (ハンガー拳法)
2007-11-08 19:02:17
はじめまして。TBありがとうございました。
過去にも何回かTB頂いてるようで、感謝感謝です。

続編という事で相当プレッシャーもあったと思いますが、これはこれで悪くなかったですよね。
おっしゃる様に、一平がすごく良かったですww
良い作品でしたね (たいむ)
2007-11-08 20:28:30
cyazさん、こんばんは。
>貫地谷かほり
「ちりとてちん」を毎日楽しく見ています。
この作品では「ええ~」って感じでしたね。勿体無い!!
手塚里美もこの手の役が多くなってますけど、頑張って欲しいですね。本当はお母さん役が出来るくらい素敵な女優さんですし。
Unknown (Maria)
2007-11-08 22:33:48
TBありがとうございました
仰る通り 今回の薬師丸ひろ子のトモエは良かったと思います。前回それほど感じなかったので 自分が鈍感なのかしら…と思いましたが ホッとしました(笑)
堤真一 吉岡秀隆評も同感です。小清水君は前回から「そうだなぁ~…」の台詞と動作のテンポが半拍ずれているところが魅力的でし好きでした(笑)その他 もたいまさこ→樹木希林も同感です。
TBさせて戴きました。
リラックス~ (cyaz)
2007-11-08 22:35:01
ハンガー拳法さん、、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>続編という事で相当プレッシャーもあったと思いますが、これはこれで悪くなかったですよね。おっしゃる様に、一平がすごく良かったですww
そのプレッシャーをはねのけるくらい、キャスト陣もスタッフ陣もリラックスして撮ったんでしょうね^^
そうですね~ (cyaz)
2007-11-08 22:42:37
たいむさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>貫地谷かほり この作品では「ええ~」って感じでしたね。勿体無い!!
ちょっと彼女でなくてもって(笑)

>手塚里美もこの手の役が多くなってますけど、頑張って欲しいですね。本当はお母さん役が出来るくらい素敵な女優さんですし。
そうですね。力はあるんですから、作品を選んで欲しい気もします。まだまだやれるんですから。
成長~ (cyaz)
2007-11-08 22:45:42
Mariaさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>仰る通り 今回の薬師丸ひろ子のトモエは良かったと思います。前回それほど感じなかったので 自分が鈍感なのかしら…と思いましたが ホッとしました(笑)
そうですね! さりげないんだけど、あの体型は昭和そのものですからね(笑) あの時代に小雪のような体型の人はいなかったですから(笑)

>小清水君は前回から「そうだなぁ~…」の台詞と動作のテンポが半拍ずれているところが魅力的でし好きでした(笑)その他 もたいまさこ→樹木希林も同感です。
彼は前作より凄く成長しましたね^^
それが感じられる今作でした!
素晴らしかった… (ヤス)
2007-11-09 07:06:09
本当に懐かしさもありますけど、日本人のよさみたいなもの(人情)が味わえる作品です。

それにしても『cyaz』さんTBが私でたぶん42件目…って凄いですね。
温かく~ (cyaz)
2007-11-09 08:20:20
ヤスさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>本当に懐かしさもありますけど、日本人のよさみたいなもの(人情)が味わえる作品です。
そうですね^^ その時代を知らなくてもほのぼの温かくなる気がします

コメントを投稿

邦画」カテゴリの最新記事