□作品オフィシャルサイト 「空気人形」
□監督・脚本 是枝裕和
□原作 業田良家(「ゴーダ哲学堂 空気人形」)
□キャスト ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了、星野真里
丸山智己、奈良木未羽、柄本佑、寺島進、オダギリジョー、富司純子
■鑑賞日 10月25日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
是枝裕和脚本・監督作品
前作の『歩いても 歩いても』では、ある家族が息子の死を中心に据え、
家族のそれぞれの持つ内面的な苦悩と表情を、まるで当事者であるかのように
繊細に浮き彫りにしてくれた。
今回はカラーを変えて心無き“空気人形”が心を持ってしまったらという
誰もが想像し得たし、したかもしれない素材に挑戦する。
もちろん、この場合の男性比重は大きいと思うのだが(笑)
実際、一人暮らし(寮生活はあるが、1室3人だった)をしたことがないから、
この映画の主人公であるしがない中年男(板尾創路)のような暮らしの図が想像しがたいが。
最近、ホントお笑いの登用が多いが、彼はその中でも少し異質なキャラで、
先に観た『ニセ札』でも、お笑いながら味な演技を披露していた。
要領が悪く、うだつのあがらない中年男が、精神的にも肉体的にも空気人形を
履け口としているのはわからないでもない。
そういう意味でいうならば、板尾をキャスティングしたのも不思議はないのだが。
その履け口とされた空気人形にペ・ドゥナがチャレンジした。
そもそも空気人形=ラブドールだから、=裸の絵も当たり前なのだが、
今回、大胆に裸体を晒し出している。
かつて『リンダ リンダ リンダ』で純粋な女子高生を演じていて、結構印象に
残る演技をしていたことは記憶に残っていたのだが。
その空気人形が心を持ったことからレンタルビデオ店の店員純一(ARATA)に恋をする。
何もかもが未知の世界だから、純一を通して人間社会を覗くことになる。
そして見聞きするものと実際のギャップはあたかも心ある人間の如く、
この人間社会に生きていることの現実問題に直面している。
監督もそのあたりを空気人形の視線を通して炙り出している。
それでいて、不思議に嫌味がないのは、彼女のフワフワした感じの演技が、
功を奏したのだと思える。
それこそが“空気人形”として捉えるに相応しいのかもしれない。
心を持ったことで好きな純一に萎んでいく姿を見られたくなかったり、
新しいラブドールに敵対心を持ったり・・・。
お腹にある空気口から純一に息を吹き込んでもらっている表情はまさに恍惚で、
それを観ているこちらにまで、高揚感と満足感が交互に去来する。
空気人形は僅かの間に人間生活の醜い部分を垣間見てしまうのだが、
それでも純粋な少女の心や、キラキラ光るガラス瓶を見ながら、それでも
人間の社会にはキラキラ光る綺麗なものが存在すると納得するあたりは
是枝監督の逆説的メッセージなのかもしれない。
この“空気人形”、日本の女優さんなら誰もやらないだろうなぁ(笑)
“心”ある人も居れば、“心”無い人も居る。 それが人間社会であるならば、
“心”を持たない人形がある意味幸せなのかも・・・。
是枝監督は人の心のすきまを描くのがうまいですね。今回の題材も彼のカラーで美しく仕上がっていました。都会の空き地で老人と話をするシーンがとても気に入りました。
>是枝監督は人の心のすきまを描くのがうまいですね。今回の題材も彼のカラーで美しく仕上がっていました。都会の空き地で老人と話をするシーンがとても気に入りました。
そうですね^^
さりげなく、それでいてしっかり問題提起とメッセージを織り込んでいますね!
こちらからも貼らせていただきます。
>こちらからも貼らせていただきます。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたしますm(__)m
ダンナが東京にいた時に連れてってもらった場所が出てきてうれしくなっちゃいました。(笑)
心なんて持たなけば良かったと思う?
それは彼女に対してだけじゃなく
今自分の人生つまんない、思い通りに歩けてない、
ただ生きてるだけの人に対しても語りかけられてる気がしました。
どんなにやなことがあっても
それでも生きていくなら心動かされるような
ワクワクしたもの
キラキラしたものを探していたい。
それをラブドールの彼女に教えられた気がしました。
…なんてね。(笑)
PS:オダジョーがいいじょ~(やっぱりそこかい)
>月島や葛西臨海公園とダンナが東京にいた時に連れてってもらった場所が出てきてうれしくなっちゃいました。(笑)
あれ、下町だったから良かったんだろうけど(笑)
>心なんて持たなけば良かったと思う?
イエス
>それは彼女に対してだけじゃなく今自分の人生つまんない、思い通りに歩けてない、ただ生きてるだけの人に対しても語りかけられてる気がしました。
そうかもしれませんね。
>どんなにやなことがあってもそれでも生きていくなら心動かされるようなワクワクしたもの
キラキラしたものを探していたい。それをラブドールの彼女に教えられた気がしました。
…なんてね。(笑)
結局オチはそこかいっ(笑)
>PS:オダジョーがいいじょ~(やっぱりそこかい)
たびたび、そこかい(笑)
>“心”ある人も居れば、“心”無い人も居る。 それが人間社会であるならば、
“心”を持たない人形がある意味幸せなのかも・・・。
なんだか、ものがなし物語です。
心あるからこそ人間は面白い。
こういう作品がうける事自体が、空虚な社会になっている証なのでしょうか。
>なんだか、ものがなし物語です。心あるからこそ人間は面白い。こういう作品がうける事自体が、空虚な社会になっている証なのでしょうか。
悲しいことですが、そうかもしれませんね・・・。
是枝監督のメッセージはそこなのでしょうか?
空気人形=空虚人間社会ってことでしょうか。
ぎりぎり、菊池凛子かなあ・・・。
でも、あの突き抜けた凄さは、出せないですよね。
結構、彼女は、お脱ぎなってると思いますです。
でも、もう30とか!!!やっぱ凄いです。
>日本の女優なら、だれがやる?よりも、誰かできるだろうか?と思った次第です。
たしかに(笑)
>ぎりぎり、菊池凛子かなあ・・・。
うーん、あのルックスではラブドールにはキツイ(汗)
>でも、もう30とか!!!やっぱ凄いです。
きれいですよね~ って何が(笑)?!