CURRY_SAMBA

カレーにまつわるエトセトラ。

海辺のような昭和のような。

2009年12月25日 | 行った!お店カレー
出版社の多い街には、打ち合わせに使われそうなお店がたくさんある。
九段下と神保町の間くらい、
前から気になっていた古いビルの一角にある、昔ながらの喫茶店。
ビルが壊される前に入ってみたくて、
タイミングを捉えて入ってみた。


「喫茶 カリーナ」

水色に白いラインのオーニングが海辺のカフェを思わせて
グっとくる。
11:00からのランチタイムをちょうど過ぎた頃で、
まだ中には一人しか客がいないようだ。

「…こんにちは」

「はい いらっしゃい」

ホールにはお店の人らしき奥さんがいて、
若い頃は潮風にふかれていただろうという雰囲気がした。
無口そうなマスターがカウンターの奥でキッチンをまかされ、
常連さんと近況を話して笑っている。

こういうお店の場合、
お水をもってきてくれたタイミングですぐ注文するのが流儀だろうと
壁に書かれたランチメニューから、すかざず

「カレーお願いします」

というと、奥さんは軽くうなずいて、奥に向かって
「カレー」とだけ言った。

年代もののオリーブ色のソファに正方形の一人用テーブル。
店の真ん中にある低い本棚には、たくさんのコミック。
小さなサラダを食べながら「落ち着くなあ~」と思う。
12時近くなるにつれ、1人、2人とスーツ姿の客が増えてきて
その半分以上は常連のようだった。

カレーは粉ミルクの味がする昔ながらのカレーで、具は豚肉のみ。
肉もルウもよく煮込まれていて胃にしっくりなじむ。
豆腐とワカメのみそ汁をスプーンで飲むのもこういう喫茶店ならでは。

いまの私たち世代がお店(カフェとか)を作ったとしたら、
ランチのカレーにみそ汁はつけないだろう。
ってことは、あと30年くらいしたらこういう昔ながらの喫茶店はほとんどなくなってしまうのかも。

客が増えて、タバコの煙がお店に充満してきたので
お会計をして外に出る。



古いビルの名前は「九段下ビル」というらしい。
外壁に、大きな文字で「中根武速記」というような文字が読める。
1階のテナントはまだ数件やっているものの、
上の階はどうなっているのだろう。事務所などの形跡。


横からみたところ。ネットで包まれているので
いつ壊されてもおかしくない雰囲気。

忘れかけてた昭和の記憶。
年末にふと思い出した。

(写真/九段下「カリーナ」ランチカレーライス/800円) 

ユーワクに勝つということ

2009年12月13日 | 行った!お店カレー
「欲しい」「食べたい」「見たい」

世の中は「ユーワク」で溢れている。
「ちょっとくらいなら」…とつい、自分を甘やかしてしまうのが人間だと思う。
私もわりと、弱い。

仕事で映画の試写会に行くことがあり
終わったのが21時。
人影もまばらな、京橋の雨上がり。

映画の熱もあって、ひとりで舞い上がって
鼻歌まじりで「ダバ・インディア」へ。
ひとりで来たのは初めてだったけど、
「ひとりでミールスなんてのもいいね~」と、
思いかけてふとやめた。

「この時間に、たらふく食べちゃ駄目だ…」
「でも、ここまで来てミールスを食べないなんて…」
「もうちょっとヘルシーなカレーにしときなさい」
「1つを選ぶなんて無理。ミールスならお得にいろいろなアイテムが食べられるよね」
「いつも食べてるんだから、違うのにチャレンジしてみても…」

数分間の葛藤ののち、

「ダルカレーとパスマティライスください!」
(↑ミールスの誘惑を断ち切った)

と、いうわけでヘルシーな「ダルカレー」(レンズ豆のカレー)に。

注文してからも、向かいの女性グループがわいわいミールスを食べているのを見ては

「いいなあプーリ」

と、後悔したりして(↑断ち切れてなかった)。

「お待たせしました」

インド人のコックさんがダルカレーとライスを運んできてくれた。
一口食べて

「う…うまっ!」

感動。とろりと煮込まれたダルのうまみがったっぷりで、スパイスを駆使したというよりは
シンプルな塩味という感じ。
まるで日本のおかゆみたいな、やさし~い味。
なのに、スプーンが止まらない。
なんだこれは、すごいぞダバインディア、さすがだダバインディア。

名店は、名物以外も名作だ。


(写真/京橋「ダバ・インディア」/ダルカレー/1260円)

GoldCurryNoodle

2009年12月11日 | カレーエトセトラ
こんなモノを見つけました。
日清「GoldCurryNoodle」。ほう。
珍しかったので、職場での「お夜食用」に買ってみた。

特徴その1。
具は「揚げナス、いんげん、エビ、じゃがいも」
少しタイカレーぽいメンツ。

特徴その2。
「ゴールドオイル」なるものが付いている。
そのまま舐めてみたら、香ばしいうまみのオイルで一気に期待が高まった。

給湯室の小さなコンロでお湯をわかして、3分。
では、いただきます。

「カップヌードル カレー味」を高級にした感じかなと思っていたけど
赤いスープは見た目が華やかで、ゴールドオイルのせいか濃厚。
そして、じわじわ辛い。

「これであと3時間がんばろう!」

ごくたまに終電になっちゃう日もありますが、
今年ももうひと頑張り。
12月になって体調はとても良いので、ご安心を。

(写真/日清「GoldCurryNoodle」200円くらい)

秋の終わりのナシカレー

2009年12月06日 | 作った!お家カレー
12月になりました。
まだ雪こそ降っていないものの、冬はもうそこまできている。
一番好きな季節だった今年の秋は、
「めでたいこと」やそうじゃないことが嵐のようにやってきて
気づいたら過ぎていた。

そんな中、「おみやげ~」と言って、下の階に同居している
お義父さんから立派なナシをたくさんいただいた。

「ナシだあ~!」

と、大喜びで毎日食べながら、まだまだ山積みのナシを見て
何か料理に使えないものかと考えた。

「ナシカレーってどうかなあ」

カレーにリンゴやマンゴーチャツネを入れると
味が深まっておいしくなることは常識。
ナシもリンゴも似ているし、意外といいかもしれない。
でも、すりおろしたらナシは水っぽくて煮詰まらなさそうだから
大きめにカットして具として入れてみよう!

と、いうわけで。
「豚肉と大根のカレーfeat.ナシ」を作ってみた。

 材料(4人前)
豚肉(カレー用) 200グラム
大根(一口大)       1/4本
にんじん(一口大)     1/2本
なし(一口大)       1/2個
玉ねぎ(一口大)      1個
カレールウ         1箱

 作り方


鍋に油を熱し、やさいと肉とナシを炒める。
やさいに火が通ったら水をひたひたになるように加え、
沸騰したらアクをとり、やわらかくなるまで煮る。



一度火を止めて、カレールーを割り入れよくとかす。
(今回は「DINNER CURRY(中辛)」を使用)
20分弱火で煮込む。



完成!
ごはんの上にはチーズのトッピングのおまけつき。

「ん?なんか入ってるよね」

「うん、ナシ」

「へー、なんか甘いダイコンかと思った」


想像していたよりもずっと、違和感がなかった。
ダイコンも根菜の中では水分がある部類だから
甘いダイコンが混ざっているように思えた。
辛いカレーの箸休めになる感じでホッとした。 

(写真/「豚肉と大根のカレーfeat.ナシ」)