クロアチアの風  ~茶猫の旅カフェ~

アドリア海の国クロアチアと旧ユーゴの風景をお届けします。旅行情報、写真をお楽しみ下さい。番外編では世界の猫も登場!

クロアチアのカラフルなろうそく

2009-05-23 22:42:23 | ザグレブ
 
 ザグレブの大聖堂の近くの露店で
 こんなロウソクが売られている。

 容器に入った大きなロウソクだから
 一晩くらいはもちそうに見える。

 4年前の4月
 先代のローマ法王ヨハネ・パウロ・2世が逝去した週、
 ザグレブ大聖堂の前の広場は
 このロウソクで埋め尽くされていた。
 夜になると広場に人々が集まり
 ひとつ、またひとつと、
 祈りを捧げながら
 ロウソクを置く人々の姿が絶えなかった。
 
 このカラフルなロウソクを見るたびに
 あの晩の光景を思い出す茶猫です。
 

海賊の町・オミシュ

2009-05-21 20:23:49 | ダルマチアの小さな町
 海に向かってせり出した断崖の下の町。
 町は岩山とアドリア海との僅かな隙間にたたずんでいる。
 切迫した岩と岩の間をツェティナ川が流れ奧は深い溪谷となり、
 ロッククライミングとラフティングのメッカになっている。
 
 ここは中世の海賊の根拠地として知られている町だ。
 海岸部が次々とヴェネチア共和国に組みこまれて行く中、
 ヴェネチア支配に抵抗したオミシュの人々は
 沖を通るヴェネチア船を襲い、戦利品を奪うと
 ツェティナ川をさかのぼり、裏のモソル山を抜けて姿をくらましたという。
 
 15世紀にこの町もヴェネチアに組みこまれ、
 断崖の上には今もヴェネチア人が建てた要塞が残っている。

 アドリア海沿岸道路を 
 スプリットを出てドブロヴニク方面に30~40分走るとある町です。
 このドラマチックな景観をお見逃しなく!

アドリア海のサンゴと金のネックレス

2009-05-14 20:53:39 | クロアチアのお土産
 
 アドリア海の宝飾品の代表はサンゴ。
 ドブロヴニクの沖合に浮かぶエラフィティ諸島にも
 サンゴの捕れる島があるという。
 いまや稀少品となった本サンゴのアクセサリーが
 ドブロヴニクやトロギールの宝飾店の店先を飾っている。

 ドブロヴニクの伝統工芸として知られている金銀細工。
 とりわけ伝統的なモチーフは
 この地方の民族衣装の飾りに使われた金の丸いボタンだ。
 透かし彫りのように精巧に作られた金細工はたいへん美しく、
 ネックレスやピアスとしても人気がある。

 今これをきちんと手作りできる職人さんは
 残念ながらずいぶん減ってきているようだよ。
 
 

ザグレブの隠れた名所ミロゴイ墓地

2009-05-13 20:36:27 | ザグレブ
 
 
 
 旧市街の北の丘にひっそりとした共同墓地がある。

 公園のような広い敷地に
 キラキラと降り注ぐ木漏れ日。
 穏やかな時の流れに包まれて
 死者たちは永遠の眠りについている。

 とりわけ美しいのはこの回廊。
 蔦のからまるアーチに沿って墓標が連なっている。
 秋には蔦は燃えるような赤となり回廊を彩る。

 この墓地を設計したのは
 ザグレブ大聖堂の設計にも携わったヘルマン・ボレー。
 オーストリア人でありながら、
 その人生の後半をザグレブで過ごし、
 多くの歴史的な建造物をこの町に残した。

 ミロゴイ墓地の回廊の一角に
 奥さんとともに眠るボレーの墓を見つけた。


クロアチアのフルーツブランデー

2009-05-10 22:24:17 | クロアチア料理と食材
 
 クロアチアではフルーツから作るお酒が多い。
 これは茶猫お気に入りの洋梨のお酒、クルシュコヴィツァ。
 アルコール度は高めだけど、食後にバーで一杯、
 なんてときにぴったり。
 ちょっと甘くさわやかな香りのリキュール風の味だよ。

 サワーチェリーで作るマラスキーノは
 ザダールの名産。
 今は国中どこでも飲めて
 ちょっと甘口で女性向き。
 チェリー酒といっても蒸留酒だから色は透明。
 クロアチアの人は氷を入れて飲んだりするみたい。

 イタリアのグラッパそっくりな味の
 ブドウのラキア(ロゾヴァチャ・ロザ)は
 クロアチアでは食前酒としてよく飲まれている。
 ダルマチアやイストラ半島では、
イタリアと同じようにグラッパとも呼ばれるている。
 イタリアではグラッパはどちらかというと食後酒だと思うけど
 クロアチアの人はこれを飲んでから食事をすると
 食べ物が胃にもたれないと言って、
 レストランのウェルカムドリンクでもよく出される。
 地元では朝のきつけ薬に一杯、なんてこともあるそうだ。
 子供が熱をだしたときに
 熱冷ましに飲ませることもあるというのには驚いた。
 アルコール度数はたいてい40パーセント以上。

 これにハーブを漬け込んだトラヴァリツァは
 かなりクセがあるけど、体にはよさそうな薬草酒。
 ドブロヴニクでは、アニスを入れたり
 フヴァール島では没薬を入れたりと
 ハーブの種類はローカル色豊か。
 クルミなど、ナッツの入ったものものまである。

 クロアチアではこのような蒸留酒はラキアと呼ばれている。
 ラキアはバルカン半島を中心に、
 ブルガリアやセルビアでもよく飲まれている。
 洋梨やチェリーだけでなく、桃、りんご、イチジク、マルメロ、
 アプリコットなどのフルーツやハチミツ入りなど
 いろんな種類のものが楽しめるよ。
 
 

クロアチアのお茶といえば……

2009-05-08 23:47:43 | クロアチア料理と食材
 
 クロアチアで食後にティーを頼んだら
 紅茶じゃなくて
 酸っぱいフルーツティーがでてきて
 びっくりしたことがある。

 この国ではティー(チャイ)は紅茶とは限らないみたい。

 おなじみのミントやカモミールはもちろん
 ローズヒップ、
森のベリーのミックス、
 フルーツのミックス、
 りんごとシナモン、
 トロピカルフルーツ、
 ハーブと蜂蜜フレーバーなど
 スーパーで売られているお茶の種類に
 ちょっとワクワク、

 薬局では
 安眠や精神の沈静、喉の痛み
 風邪のひき初めに効くハーブティーなどを調合してくれる。
 まずは植物の力をかりて元気になる、
 薬に頼る前に、ちょっとためしてみるのもいいかもね。
 
 日本人にとってのほうじ茶や蕎麦茶や
 生姜湯みたいなものなのかな。
 
 
 
 

ザグレブの国立劇場と生命の泉

2009-05-08 23:14:23 | ザグレブ
 
 オペラ座とも呼ばれるザグレブの国立劇場は
 ウィーンでよく見る建物ような
 クリーム色のクラシックな外観をしている。

 オーストリア・ハンガリー帝国の時代に
 オーストリアの建築家がデザインし建造、
 1895年、オープニングセレモニーに招かれた
 ハプスブルク家の皇帝フランツ・ヨゼフが
 銀のハンマーで最後の釘をトンと打って完成させた。

 劇場の前のモニュメントは
 クロアチアで有名な20世紀の彫刻家
 イワン・メシュトロヴィッチの作品で
 「生命の泉」と呼ばれているもの。
 メシュトロヴィッチは「クロアチアのロダン」の異名を持ち
 国中に作品を残している。
 ザグレブの旧市街とスプリットに美術館があるよ。

 

石の門にある礼拝堂

2009-05-07 10:04:34 | ザグレブ
 
 ザグレブの旧市街にある、
 なんてことはない街角のアーチ。
 中に入ると、小さな礼拝堂があり、
 ロウソクを灯し、祈りを捧げる人々が絶えない。

 礼拝堂はグラデッツの丘へ上がる道伝いにあり、
 この中をくぐって通り抜ける人も多い。
 そんなときでも多くの人は十字をきって通り抜けていく。

 小さな祭壇には、幼子キリストを抱いたマリアのイコンが
 大切に置かれている。




  
  ここはかつてグラデッツの丘を取り巻いていた城壁の
  東門だったところ。
  18世紀の半ばに起きた火事で、
  このあたり一帯は全て焼き尽くされてしまった。
  木造の東門も焼け落ちた。
  ところがどういうわけか、焼け跡の灰の中から、
  このマリア様のイコン像が無傷で見つかったという。
  東門を石で建て替えたときに
  大火でうちひしがれた住民達の心に
  ひとすじの希望の灯をともしてくれたこのイコンを祭る
  小さな礼拝堂が作られた。




  
  礼拝堂の壁は、びっしり
  こんな石板のプレートで埋め尽くされている
  よく見るとどのプレートにもHvala(フヴァラ)と刻まれている。
  クロアチア語で「ありがとう」という意味だ。
  この奇跡のマリア様にお祈りをして
  病気が癒されたり、絶望から救われたりした人が
  感謝のプレートを寄付したものだという。

   門の下の小さな礼拝堂だけど、
  町の大勢の人々にとって
  大事な心のよりどころなのかもしれない。