クロアチアの風  ~茶猫の旅カフェ~

アドリア海の国クロアチアと旧ユーゴの風景をお届けします。旅行情報、写真をお楽しみ下さい。番外編では世界の猫も登場!

トルコ風のサラエボの民家

2010-12-16 22:50:49 | サラエボ

 サラエボにはいまもオスマン・トルコ時代のライフスタイルを残した民家が残り公開されている。
 このスヴルゾの家もそのひとつ。

 真ん中におかれているのは火鉢で、まるく突き出した部分にコーヒーカップを置き
 コーヒーがさめないようにしていたという。

 

 窓に添ってソファーのような長椅子がおかれ、どの部屋も暖かみのある色彩でまとめられている。
 女達が集ったのだろうか、小さなゆりかごがおかれている部屋もあった。

 家の中には靴を脱いであがるのもちょっとアジア的な習慣。
 絨毯の惹かれた居間、家族の集った部屋などを見学できる。



 部屋の片隅に置かれていたのは暖炉。
 グリーンの陶器をはめこんだちょっとおもしろいデザインだ。
 出っ張り部分に水をはり、暖炉の熱を使ってお湯をわかし、
 脇のスペースでお湯を体にかけられるようにしていたそうだ。

 サラエボではほかにもいくつかのトルコ時代の民家を見学できる
 
 

サラエボ 月あかりのモスク

2010-12-12 22:38:44 | サラエボ
 
 漆黒の闇に浮かぶミナレット。
 人もまばらになった石畳の広場に
 長い影が写しだされる。

 賑わっていた茶屋も椅子をたたみ
 遠くからイスラム風の音楽が聞こえてくる。

 ふと見上げると、猫の目のような三日月。
 つかの間の夜の幻影に揺れる街。
 
 
 
 
 

サラエヴォ 夕景のひとこま

2010-12-04 02:51:41 | サラエボ
 
 モスクの並ぶ旧市街の一角、
 トルコの街並のような、軒の低い商店街が続きます。

 多くのの軒下、ディスプレイの外の道ばたに
 ディスプレイとつながるように、折りたたみ式の長いベンチがついています。
 道行く人が、そのベンチにすわり、休んだり、おしゃべりをする光景に
 何度も出会いました。

 ここでは店は、ものを売り買いするためだけの場でなく
 人々にコミュニケーションの場を提供しているのかもしれません。

 くすんだ茶色の街並は心にしっくりとなじみ
 まるで故郷にもどったかのように、心を和ませてくれました。

 


サラエボの夜

2010-10-31 22:36:18 | サラエボ
 
 一日の最後のアザーンが終わり、
 モスクから帰路につく人々の波が消えた頃
 街のざわめきがすこしだけ遠のいた。

 ミナレットの影が黒々とした闇に隠れ
 街は密やかなを夜を迎えはじめる。

 広場にたむろしていた鳩たちはいつの間にかどこかに消え、
 ケバブを焼く食堂の煙突から細い煙がたつ。
 職人街から銅板を打ち付ける規則的な音が響き、
 客待ちに飽きた絨毯売りが路地の猫にエサを放る。

 茶屋からは男たちの静かな会話とコーヒーの薫り。
 その脇を、子供たちをあやしながら若い夫婦が家路を急ぐ。
 
 優しき夜の帳よ、
 その大きな外套でこの街を包んでおくれ。
 しめやかな静寂に浸る街の灯が
 このまま瞬き続けていてくれるように。