森のなかまと楽しい10Holes

手のひらにすっぽり隠れてしまう小さい楽器10Holesについてボチボチと

Suzuki Olive

2012-04-01 15:16:07 | ハーモニカの機種
3/22に発売されたSuzukiの新しい10Holes、Oliveがやってきました。

昨日は「ピューッ、ゴーッ」と台風のような風が吹き荒れていました。いかがお過ごしでしょうか。

このところ土曜日が荒れ模様で日曜日にお散歩という流れができていましたが、花粉と日頃のダメージであまり都内へ出かける事がなく発売後も購入を見合わせていたOliveですが。。。

「通販で買えば良いのでは」

と閃きました(笑)。
工具ならプロツール、ライトならアカリセンター、と通販を使うのが当たり前になっていたのですが、ことハーモニカをネットで購入するという習慣がなかっただけに思いつきませんでした。

ならば、「ハーモニカ担当のつぶやき」や実店舗でお世話になっている「谷口楽器」さんで購入してみようと平日にOliveを注文してみました。
本数にもよりますがポストに配達される普通郵便でしたら送料200円という選択肢があるのも嬉しいです。

店頭でも見た事がありますが出荷前にフイゴで「ブファー」と発音確認をしてくれていますし、ケースが潰れないよう段ボールでカチンと巻いてくれていますので郵送も安心なのであります。


いつもの樹脂ケースではなくカートンボックスです。

持ち歩き用にクリーナークロスのような素材でできた巾着袋がつきます。
打撃や圧力には無力ですが埃や汚れ避けには十分であります。

正直ハープのケースはこれで十分だと思います。
最初は不安かもしれませんが、これまでの樹脂ケース(特にSuzukiのものは大きい)は数が増えてくるとかさばりますし、何本も運搬する時は専用のケースの方が使いです。
また樹脂ケースがそれなりに丈夫なので「ぞんざい」に扱い鞄のなかでゴロンゴロンさせておくとケースが空いてしまいハープが外へ飛び出してしまう。。ので打撃や圧力がかからないように思わせるぐらいのもので良いのではないかと思います。

やや引き算的アプローチでしたが。。。

演奏するまでポケットに入れて楽器を温めておきたい時には裸でポケットにいれるよりもこの巾着に入っている方が断然よいでしょう。ポケットって意外に埃等が貯まっているので演奏中にリードに挟まって音がでないトラブル等が圧倒的に減るかと思います。


オリーブの名前を忘れても「緑のハーモニカください」で通じるくらいの個性です。


ちょっとライトを当ててロゴを光らせてみました。どちらがお好きでしょうか。。


裏側です。木の繊維を混入した樹脂で出来たコームは「もの凄く濃い茶色」です。


ローズウッド・コームのFireBreathと並べてみましたが引けを感じない出来です。



サイドホールが無く、リードプレート全長をカバーするボックス型のカバー。
Harp MasterManjiを除く全機種で交換が可能なので自分なりの組み合わせが楽しめるのです。

このカバーも随分と息が長く「そろそろ変わっても良いのかなぁ」という思いはあるのですが、外装の処理で印象をがらりと変えてくるあたりは毎回驚かされるのであります。

ボックス型カバーはMarine Bandのような明るい輪郭のハッキリした音を出す事が目的ではないので。。

「Marine Bandと違うから」

という理由だけで使わないのはちょっと勿体ないですね。。。
Special20, GoldenMelody等の音色が好みの方は一本トライしてみる価値は十分過ぎる程にあります。


カバーを取ってチューニング・マークを見てみます。レーザによるものかと思われますがリードの先端にしか見られません。ちょっと削っている部分が多いのでちょっと驚きました。なんだかUSB端子のパターンみたい。。

Suzukiの10Holesを購入するのはManjiが発売されて以来です。当時も先端部がレーザによって削られてはいたかと思いますが、個体によっては根元付近にキサゲかヤスリなどで処理されているように見えるものもありました。

個人的な経験則ですが根元付近の質量を減らすとチューニングが安定し難く、時間をおいて再度チューニングするケースが多いです。振動による変形の影響が根元付近の方が多いのではないかと考えています。

後日再調整。。工場でそんな事はやっていられませんので、比較的安定してチューニングできる先端部の質量を予め多くしておき、必要量レーザで削るというワークフローにしたのではないかと勝手に思っています(笑)。

そのせいなのか、Manji発売当初よりオクターブのチューニングが安定しているように思いました。数年ですが細かい所が改良されているのだなぁと思います。


相変わらず綺麗で緻密なアーチです。

音の出は詰まったりせずソフトに立ち上がります。平均律の採用、ボックス型のカバーからメロディを中心とした使い方をしてみたくなります。
OB,ODも出し易いですが、多用するのであれば個人的にはもう少しアーチの量が少なくしたのが好みではありますが、それは自分で調整すれば良いわけです。
OB,ODをしてもSquealingが殆どないのは高い工作精度によるものだと思われます。スゴイです。


高い精度で加工されたリードスロット。このリードプレートはManjiと共通に使用されているのか、写真左下にはカバープレートのネジ穴が二つ見られます。

もちろん、時間をかけて調整すれば更にセンシティブな反応を魅せてくれそうですが、箱から出してそのまんま結構イケてしまいます。
Hohnerといい、Seydelといい基本性能が高いハープが本当に増えました。


刻印一つない裏です。なかなか綺麗です。


いびつに凹んでいるように見えるのは写り込みです。


向きを変えてみるだけで微妙な色の変化を魅せてくれます。

Fabulousというハイエンド・ハープを作る事で得られた技術がふんだんに取り入られながらも、高い目標を掲げてコストダウンを果たしているのか、かなり戦略的な価格が付けられています。


何故か一緒に陳列用のケースが一緒に送られてきました(笑)。面白いので撮影してみましたが、森のなかまスタジオ(笑)ではかなり大物になってしまいバックがムラになってしまいました。
何故か天使が眠っていますね。スヤスヤ。。

全体を通して「Oliveを使った天然素材のコスメ」を思わせるようなパッケージングです。バリバリのアメリカンチックなCross Over, Thunderbirdのカートンボックすに比べてすごく柔らかいイメージですよね。

ブッ飛ぶような躍動感や生き様を感じさせるような濃密な側面を持つ10Holesですが、ふわふわの布団に優しく埋もれていくような。。そんな一面も10Holesにある事を改めて気付かされます。

「ハーモニカ始めようかと思うのですが、沢山あってどれを選んだらよいのでしょうか?」

と女性に尋ねられたら。。色々な選択肢が増えましたね(笑)。


最後に音色ですが、とても当たり前な音がします。

もちろん吹き方によるかと思いますが、味付けを濃くしていない分料理の仕方で素材(ハーモニカではなく自分自身です)の味がそのまま出てくるというカンジです。

それは、時には自身の青臭さ、未熟さを再確認させられるという恐ろしい事でもありますが(笑)、何かを「ストレートに表現してみたい」という気持ちに、どこまでも応えてくれる良い楽器だと思います。

手を出し易い価格、高い出来映えから、初めての方はもちろん、これまでボックス型カバーを試された事がないプレイヤーにも是非試して頂きたい一本であります。

しかし、毎度思いますがこれだけ選べるハープがあるということはハープ吹きにとって本当に幸せな事であります。

それでは!

P.S.
昨日、日本赤十字から12回目の義援金を送金しました。これでお終いなのかなぁと思っていたところ、期間が9/30まで延長になっていたようです
ネットでは2000円から受け付けています。

オリーブの花言葉「平和・知恵」は色々と思いを巡らせる事から始まるのだと思います。
余裕のある方は思いを巡らせていて頂ければと思います。

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2 コメント

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どうも、 (daruma)
2012-04-14 18:02:14
お久しぶりです。
Olive、良さそうですね、
近頃、程々にリードを触った、ゴールデンメロディーばかり使っているのですが。

Olive、とても、気になります。

買ってみよかな、

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お久しぶりです! (森のなかま)
2012-04-14 20:22:37
お久しぶりです。darumaさん。

GMもいいですよね。軽いカバーと相まって独特の音色がして大好きです。

Olive、とてもよく出来ていると思います。

変な例えですが「とらやの羊羹」のように純度が高く濃密なかんじです(笑)
Hohnerにはないカンジなので新しい事にチャレンジしてみたくなるかもしれません。

私はまだ調整をしていないのですが、どう化けるのかも楽しみであります。

是非^5、一本お試し下さいマセ。
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