そうか、もう君はいないのか
城山三郎
「愛」
深夜
おまえの寝息を聞いていると
宇宙創造以来の歴史が
ふとんを着て
そこにいる気がする
生きていることの
奇怪さ
美しさ
あわれさ
おまえの寝息がやむと
大地に穴があいたように
寒くなる
さて
おまえの乳房をつかんで眠れば
地球ははじまり
地球はおわり
城山三郎
「愛」
深夜
おまえの寝息を聞いていると
宇宙創造以来の歴史が
ふとんを着て
そこにいる気がする
生きていることの
奇怪さ
美しさ
あわれさ
おまえの寝息がやむと
大地に穴があいたように
寒くなる
さて
おまえの乳房をつかんで眠れば
地球ははじまり
地球はおわり