アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

新ブログに引越!My new blog http://gayjapaneseexpat.blogspot.com/

ジョージとマーク

2009-04-28 11:17:17 | 映画・TV・エンタメ
先週末、ロバート・デニーロが共同出資するレストラン、Agoに行ってきました。セレブの出没頻度が多いといううわさだったのだけど、店内が薄暗いということもあるし、日曜夜ということもあり、一般客ばかり。。。でも料理はおいしく、しかもワインが全ボトル半額というプロモがあって、おいしいスーパートスカーナのワインを2本も頼んでしまいました。

僕らのウェイターはフィレンツェ出身のジュゼッペ。愛嬌ある人で、デザートが終わった頃、「有名人はこないの?」と聞いてみた。すると、今晩、ジョージ・クルーニーと、マーク・ウォルバーグがきてたよ、とのこと!なんと、とんでもない大スターを見逃してしまった。ジョージ・クルーニーにいたっては、僕らのテーブルの斜め後ろに座ってたとか。。。また近いうちにセレブ狙いでAgoに行ってこようっと~。






ちなみに、豚インフルエンザ、すごいことになってますなー。次回、日本に帰国するときは、強制検査されるんだねぇ~。3月に帰国したときでなくて良かった・・・。けど、いつ、どんな形で沈静化するのか不安・・・。しかも、LAって、メキシコに超近い・・・。

アカデミー賞

2009-02-23 07:57:37 | 映画・TV・エンタメ
ロサンゼルスに引っ越してきた最大の醍醐味の一つ、それはアカデミー賞を地元で楽しむということ。今年は、日本の映画「おくりびと」もノミネートされてて、本木と広末もレッドカーペットを歩くそうな。



この週末、年間60ドルで最新映画が見放題というサイトに登録。ここ2、3日で、見たかった映画を立て続けに見たよ。(最高★★★★★)


The Curious Case of Benjamin Button
(2008)★★★★


老い、という人間にとって最大のテーマを扱った作品。SFチックかなぁと思ってたけど、じんわり心に沁みるスローな雰囲気がよかった。ブラピの老け顔もリアルで、どんどん若くなっていく特殊メークに脱帽。特に、実年齢よりも若い10代なんて、誰か子役を使うんだろうなぁって思ってたら、彼、実際に自分で演じきりましたよ。昔のもっと若かった頃のブラピ、再登場って感じで、感動~。メークでここまで若くなれるのね。

Doubt★★

これまたアカデミー賞候補。メリル・ストリープの演技がぴか一だけど、ストーリーは、ダークでモノクロ。

Vicky Cristina Barcelona


ペネロピー・クルーズがアカデミー賞にノミネートされた作品。ウッディー・アレンの映画だけど、最近彼もマンネリ気味だね。ヨーロッパを舞台にした恋愛と殺意、あとスカーレット・ジョハンソンが主役を張る、ってテーマで立て続けに3、4本の映画出してるじゃない?(ScoopMatch Point)全部にたテーストで飽きる。この作品も、「それで?」っていう味気ない中身。バルセロナやスペインの町並みはきれいだけどさ、それは観光でもいいわけだし、映画にはそれ以上の価値がないとだめでしょう。

The Day The Earth Stood Still★★★


これはキアヌ・リーブスが主演した、1950年代のクラシックSF映画のリメーク。僕はオリジナルも見てたので、絶対みたい~と年末思ってたんだけど、この手のハリウッド映画が苦手なジェームスに却下され、映画館で見ることはなかった。けど、見放題のオンラインサービスで、昨晩から今朝にかけてようやく見終わったところ。SF技術はもちろんリメーク版のほうが優れてるけど、ストーリーの緊迫感は、オリジナルのほうが上手。今回のは現代風に環境破壊のテーマを重ね合わせてるのはいいとしても、あまりにキリスト教の影響が濃すぎ。ノアの箱舟の比ゆとか、最後は虫の大群が押し寄せてくるあたり(あ、ネタばらしちゃった?!)なんて黙示録の踏襲。ハリウッドよ、こういうキリスト教的な予定説の話に、今の視聴者は飽き飽きしてんだよねぇ。どうにかしなさい(一喝)。

Another Gay Sequel: Gays Gone Wild!
(2008)★★★


オスカーとは全く無縁のゲイ映画。前作からのシリーズ物。



これは前作から。アメリカのカレッジもの映画の代表作、American Pieのパロディーでした。これもアメリカのゲイがどういう風に思春期を向かえて大人になって行くかをコメディータッチで描ききった秀作。





僕のタイプはこの左の子。顔もいいけど身体もいいのよぉ。


こんなシーンは山ほど出てきます。下着メーカーのAussie Bumがスポンサーみたいね。


ストーリーも、アメリカのスプリング・ブレーク文化のゲイバージョンで楽しめました。ボトム(ウケ)かトップ(タチ)か?とか、ウォータースポーツ、フィスティング、(なかにはスカトロ)とか、とにかく何でもありの映画。重いテーマも軽いノリで全部食べつくしてる辺りが勢いがあってジェットコースターに乗ってる感覚。話題のポルノスターが少なくとも4人は登場。僕が知らないポルノスターも出てるかも・・・。さあ、君は何人のポルノスターを見つけられるかな?


この右のおっさん、ポルノスターでしょう。

この後、こんな展開になります。




いわゆる、意地悪3人娘のゲイ・バージョンも登場。


Push



最後に、最近のSF映画のPush。この手のSFアクションヒーローモノは、JumperとかWantedとか、柳の下のドジョウを狙って色々作品が出てますね。何も考えずにアクションと特撮を楽しめるジャンルなので、僕もだいたい見てるんだけど、今回のPushは、途中で飽きがきた。なので最後まで見てない!最初のストーリー部分が長いし、幼少期に父親を殺されたトラウマを引きずる、まだ自分の能力に目覚めない若者の話、っていうただそれだけのストーリ(の気がする)。少なくとも最初の導入部分はそうでした。こういう定石ストーリーにも飽きてるんだよねぇ。

唯一、主人公を演じたChris Evansがかっこよかった。久々の掘り出し物。















人恋いし

2008-08-29 13:47:27 | 映画・TV・エンタメ
夏もそろそろ終わりですねぇ。毎年、言ってることですが、アメリカでは9月の第1月曜日がレイバーデーで休日なのです。そしてこの日を前後にして、小中学校の新学期が始まるので、夏の終わりを告げる3連休となってます。

住み慣れた東海岸を引っ越してから、人恋しい気分が続いてます。だって親友のMさんとも連絡が途絶えがちだし、ブライアンともメールでたまに連絡する程度。LAでは、まだ親友と呼べる人ができてないし・・・。ま、長年の知り合いジャドソンはいるけど、この3連休に連絡すると言ったきりなしのつぶて。人工授精ではらませた日系人女性の臨月も近いみたいで、この双子が生まれると彼も父親業で忙しくなるだろうし・・・。

淡白なお別れで終わったトライアスロンのデービッドや遊び人のウィリアムなんかもつい懐かしく感じちゃったりして、季節柄なのか?それに追い討ちをかけたのが、テレビドラマBurn Noticeで見かけたJeffrey Donovan。デービッドにどこか似てるしぃ~(デービッドは、ダーティーブロンド&ブルーアイズでしたが、雰囲気、顔立ちが超似てる)。西海岸に引越しした唯一の後悔はこれだね。新たなデービッドを発掘しなければ・・・。



このサングラスがカッコイイよね。








ちなみに、LAに引っ越してきて初めて映画を見に行きました。バットマンシリーズの最新作、The Dark Knightもまだ見てないのに、これが2時間40分という超大作でしんどそうだったので、フレンチ映画Tell No Oneにしました。




2006年に制作された映画だけど、今年上映っていうインディーならではの時間差。ヒッチコック風なサスペンス映画で、迫真に迫る演技というのはこういうことかというくらいのリアル感が最高でした。一応、レズビアンカップルなんかも出てきたり、国内の移民問題、マイノリティーたちが構成するゲットー地区など、現代のフランスの社会事情も生写しされていて、監督の真摯な視点に共感を生みます。

元々は、米国のベストセラー小説が原作とか。ストーリーには無理ある展開もあるけれど、フランス語を聞きながら英語の字幕を追って見る極上のサスペンス映画は、見た後、程よい満足感が得られる作品です。

あ、あと、登場する若い刑事さん(Philippe Lefebvre)がいいんですよぉ~。



The Mudge Boy

2008-07-14 03:31:57 | 映画・TV・エンタメ
先週、正式な退社日を告げる退職届を会社に提出しました。長年、お世話になった会社をついに去る、ということについて、やっぱり心がざわつきますね。ちょっぴり、これでよかったのかな、っていう猜疑心も残ってたりして。でも99%、これでよかった!これ以上良い退社の方法はない!っていうくらい、絶好のタイミングとなりました。

事情は色々とあるのだけど、最近、会社の経営方針が変わったり、上司や社長も替わったりして、これ以上、この会社に残っても学ぶことが少ないなという時期に来てたというのが大きい。僕も、さらに成長するためには、生ぬるいこの会社でこれまでのほほんと生きてきた自分と決裂する時期が必要だったんだなぁと、昨晩見た映画The Mudge Boyを見ながら考えさせられたのでした。


■ ■ ■



さて、その映画The Mudge Boyについてご紹介しましょう。これ、久々に見た傑作ゲイ映画。SHOW Timeという、アメリカ版Queer as Folkを製作・放送していたケーブル局が作ったテレビ映画の模様。(確かに、一般の映画館でも上映するにはショッキングかも・・・。R指定確実。)

日本人による感想も発見しました。ここで読めます



ストーリーは、この写真↑が全てを物語ってますね。マッチョなファーム・ボーイ、ペリーと、彼に憧れる、ちょっと変わったチキン・ボーイ、ダンカンのひと夏の物語。

詳しいあらすじは先ほどの日本語のブログに書かれてるのでここでは割愛。僕が、この映画がよく出来てるなと思った理由を少しご紹介しましょう。

<チキン(鶏)が、とても効果的な象徴性を醸し出してる>

しかも、英語ならでは。例えば、ストーリー上、急に他界した母親が取り寄せ、育てていた鶏なので、当然、亡くなった母親の代替役を担ってます。特に、茶色い鶏の雛を取り寄せたはずが、1羽は雄鶏に、そして1羽だけが真っ白の雌鳥に成長したこともあり、息子ダンカンは、この白い雌鳥に執着するようになります。彼は、母親がいない寂しさを紛らわすために、食事を取るときも、お風呂に入るときも、寝るときも、そして買い物や配達のときにもこの鶏を肌身離さず連れて歩きます。(白い色は、清らかさを象徴しているのは言うまでもありません。)

そして、英語でチキンというと、腰抜け、という意味というのはよく知られたことですよね。一人ぼっちで奇妙な言動が多いダンカンは、田舎の同世代からチキン・ボーイ(腰抜けボーイ)と呼ばれ、からかいの対象になってます。ここで、チキンは、母親ではなく、ダンカン彼自信の象徴になってます。これは、ダンカンが、母親の形見である彼女の服やコートを裸体にまとって就寝するシーンなんかと織り交ざって、ダンカンがますます母親と一体化していくことも暗示します。

ショッキングなシーンがいくつか含まれているこの映画で、一つ目の場面が、鶏を落ち着かせるためにダンカンが取る行為。これはまだ映画を見ていない人のためにネタ明かしはしませんが、か・な・り、ショッキングです。演技とはいえ、この10代の役者さんが、よくもこれをやったなと思います。しかも2、3回も映画の中で出てくるシーンなのです。英語の表現で、自慰行為をすることを"to choke the chickin(鶏の首を絞める)"と言うことを知っていると、このシーンをより深く理解できるでしょう。

そして、交流を通してある種の友情が芽生えていた二人なので、この鶏を落ち着かせるための秘密を、ダンカンはペリーにこっそりと教えます。それは、ある種、自分と母親の一体化を、ペリーにこっそり見せた、という暗示になってます。その次のシーンでは、この暗示が、暗示ではなく明示的に表現されています。ペリーとダンカンが、二人で納屋にこもってたわいもない話をしている最中、ダンカンの母親の純白のウェディングドレスを発見します。そして、ペリーに言われるがままに、ダンカンはそれを身にまといます。この純白のウェディングドレスをまとった瞬間、ダンカンは、完全に純白の鶏の化身になります。これは、鶏が母親であり、ダンカンが鶏であり、そしてダンカンが母親、つまり女性に昇華した瞬間でした。

この瞬間的なダンカンの変身を見て、ペリーは我を失います。

この先は、是非、映画で見てください。もうここまで書いたら、次は何が起きるか、簡単に想像できると思いますけど・・・。


僕は、映画を通して、この鶏の運命が一番、気になってしょうがありませんでした。結局、この鶏は、

⇒①母親としての象徴
⇒②ダンカン自身の鶏(母親)との一体化としての象徴
⇒③そして鶏がペリーへと置き換わる大転換としての象徴

という「進化」を遂げていきます。でも、それは進化というより、問題の悪化と呼んだ方がいいかもしれません。純白で神聖なる母親としての象徴であった鶏が、ペリーという血気盛んで性欲旺盛な10代の青年によって「茶色い」鶏へと貶められ、そして鶏は、「小便臭い」ペリー自身の象徴へと変容したとき、ダンカンは自分と鶏との関係性を変えないといけない限界に直面します。そのとき、ダンカンが取った行動とは?!

その後のシーンで、悪ガキたちに鶏を奪われ、自分も同じように羽交い絞めになるシーンが、この映画のクライマックスであり、ダンカンが14歳の少年から、大人になるためにleapして成長した瞬間でもある。それは「母親」との決別であり、チキン(弱虫)である自分との決別でもある――。

ただ、ダンカンの成長は痛いほど表現されつくされているのに、ダンカンへの思いに戸惑い悩むペリーについては救済がなされていない。それが一番残念でした。

皆さんは、この映画を見てどういう感想を持ちましたか?